マクドナルドよりも先に日本で営業を開始したハンバーガーチェーンがある。「ドムドムハンバーガー」だ。最盛期には全国400店舗あったドムドムだが、現在はどうなっているのだろうか。業界の「絶滅危惧種」とも呼ばれた歴史と現在の事業を解説する。

創業52年、業界最古参のドムドム

マクドナルドが日本に1号店を開設したのは1971年。ドムドムは前年の1970年2月に会社を設立し、東京・町田に1号店を出店した。ダイエー独自のハンバーガーチェーンとして、ダイエー施設内を中心に出店攻勢をかけていった。

店名のドムドムはダイエーの基本理念、「よい品をどんどん安く」に由来する。赤い看板とゾウ(どむぞうくん)のロゴに懐かしさを覚える人もいるはずだ。

ダイエーの新規出店に伴いドムドムも拡大し、最盛期の1990年代には400店を展開していた。しかしその後、ダイエーは経営不振に陥り業績は悪化。2017年、事業再生を手掛けるレンブラントホールディングスが買収した。経営再建により2021年3月期には赤字から脱却し、黒字化を果たしている。

型にはまらない独自路線へ

経営再建を図ったドムドムはいま、新たに独自路線を築いている。2019年にはカニを丸ごとはさんだ「丸ごと!! カニバーガー」がSNSで「映える」と大ヒット。その後も季節限定で前例のない商品を打ち出しては、話題を呼んでいる。

新業態にも乗り出した。2021年には、高級バーガーを全面に押した「ツリーアンドツリーズ」を開始。移転に伴い「ドムドムハンバーガーPLUS(プラス)」と名称を変更し、今年銀座に開業した。

バーガーチェーンとしては珍しいアパレルブランドとのコラボも反響を集めている。

定番から変わりダネまでそろう

定番のハンバーガーやチーズバーガーもあるが、王道は「ビッグドム」と「甘辛チキンバーガー」。さらには「お好み焼きバーガー」や「手作り厚焼きたまごバーガー」など一風変わった商品も人気だという。サイドメニューにも定番が並ぶ中、「ごぼうスティック」や一部店舗で販売する「かりんとう饅頭」など、日本発のバーガーチェーンとして興味深いメニューはドムドムならではだ。

店舗数は現在、全国27店と限られている。関東地方が12店、近畿地方が9店と、都市部に集中している。

生まれ変わったドムドム、躍進なるか

経営再建で店舗を縮小し、再び立ち上がったドムドム。長年の根強いファンに支えられながらも、新たな独自路線として、これまでの業界にはないニッチで大胆な挑戦で話題を集めることに成功した。「絶滅危惧種」の呼び名を忘れさせ、どこまでの回復を見せてくれるのだろうか。底力に注目が集まっている。

文・MONEY TIMES編集部

【お詫びと訂正】
2022年11月7日に配信した本記事の一部の見出しにおきまして、「創業22年、業界最古参のドムドム」を「創業52年、業界最古参のドムドム」と誤って表記している箇所があり、当該部分を訂正いたしました。読者の皆様、ならびに関係各位に深くお詫び申し上げます。
2022年11月16日

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