定年後は悠々自適に暮らしたい。そうした思いは少なからぬ人が抱いていることだろう。快適なセカンドライフを送る上で、どこで暮らすかは生活の質を左右する重要な要素だ。今回は定年後に住みやすい街を紹介する。

定年後に住みやすい街の条件

定年後に住みやすい街に共通するものは何か。

物価・生活コストが安い

1つ目は物価・生活コストの安さだ。定年後に仕事をしない完全リタイアであれ、一定の仕事は続けるセミリタイアであれ、一線を退いた後の年金を含む収入は現役時代と比べると下がるのが一般的だ。

とはいえ、定年後に生活水準が下がるのは避けたい。東京をはじめとする都心部は住居費を中心に物価・生活コストが高く、都心より郊外のほうが生活コストの面からは住みやすい。

交通アクセスのよさ

2つ目は交通アクセスのよさだ。特に都心部へのアクセスのしやすさが重視されている。

都心よりも郊外のほうが生活コストはかからず、都会の騒がしさから離れて静かに暮らしたいと思う反面、都会では次々と新しい商業施設などが作られ、買い物をするにせよ、種々のイベントに参加するにせよ、何かと都会は好都合だ。

電車で都心に1本でアクセスできるなど、交通の利便性も定年後に暮らす街には欠かせない。

医療サービス

3つ目は医療サービスの充実度だ。定年後に快適な生活を送るには、健康を維持していくことが重要だ。医療機関が少なかったり高度な医療を提供できる病院が近くになかったりすると、万が一のときに不安だ。

医療サービスが充実しているかどうかも、住みやすい街の条件の1つといえるだろう。

行政サービス

医療サービスに加えて、行政サービスが充実しているかも見逃せない点だ。

例えば、定年後のいずれかの段階で、車の運転をやめることも考えられる。住んでいる街が車社会で、車なしには生活が成り立たなければ、定年後の暮らしは不便なものになるだろう。

地域によっては、運転免許返納者に移動支援サービスを提供している自治体もあり、行政サービスの充実度もチェックしたほうがよいだろう。

首都圏の定年後に住みやすい街

首都圏で、定年後に住みやすい街として人気なのはどこか。

鎌倉市(神奈川県)

神奈川県鎌倉市は鎌倉大仏をはじめとして歴史的な建造物が多く、風光明媚な街として知られる。東京都心へ約1時間でアクセスできるなど交通の利便性が高く、定年後の居住先として人気だ。

由比ヶ浜や江の島など、相模湾には美しい景観が広がっており、さまざまなレジャーを楽しめる。

武蔵小杉(神奈川県川崎市)

住みたい街ランキングで上位に位置する武蔵小杉も人気だ。東京都心に比べれば住居費など生活コストは安く、JR横須賀線や湘南新宿ライン、東急東横線など6路線が乗り入れている。

近年はタワーマンションが建ち並び、大型商業施設も整備されて住みやすさが向上している。

横浜市(神奈川県)

いわずと知れた横浜も定年後に住みやすい街に数えてよいだろう。横浜市は政令指定都市の中でも最大の人口を誇る都会だ。しかし、郊外に出ると自然豊かな公園が多く、都会と自然のバランスが取れた街として人気が高い。

都会的な生活を送りつつ、自然も満喫できる環境が整っている。

吉祥寺(東京都武蔵野市)

東京の吉祥寺は若者に人気の街というイメージがあるが、定年後に暮らしたい街としても人気だ。交通アクセスは、JR中央線と京王井の頭線が乗り入れ、駅周辺は商店街がにぎわいを見せるなど生活に便利だ。

駅の南側には井の頭公園があり、自然も広がっている。

関西圏の定年後に住みやすい街

関西圏では、以下の3市が人気だ。

芦屋市(兵庫県)

芦屋は高級住宅街のイメージがあるが、定年後に住みやすい街として定評がある。芦屋市は南北に長い形をしているのが特徴だ。北から順に阪急神戸線、JR東海道本線、阪神本線が東西に並行して走っている。

3つの路線のうち、北へ行くほど高級住宅街の印象は強まる。神戸、大阪にアクセスしやすく、医療施設も多い。

大津市(滋賀県)

関西圏では、大津市も定年後に住みやすい街の候補にあがる。京都まで電車で9分と近いだけでなく、大阪へも40分程度で出られる。

大津は琵琶湖に面し、歴史的風土を残していることから「古都」にも指定されている。琵琶湖を望む景観など、自然環境も豊かだ。

生駒市(奈良県)

最後に紹介する定年後に住みやすい街が奈良県生駒市だ。生駒市は大阪に隣接し、近鉄けいはんな線を利用すれば大阪市内へアクセスしやすい。生駒から大阪に通勤する人が多いのも特徴だ。

住居費を含め生活コストは比較的安く、住みやすい街として注目されている。

定年後に住みやすい街は現役世代にも人気

生活コストや交通アクセスの観点から定年後に住みやすい街を見ると、現役世代に人気な街とそれほど大差がないことが分かる。定年後を見据えて住みたい街を選び、今から移り住むのも賢い選択かもしれない。

文・MONEY TIMES編集部

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