10代若者の間で「お小遣い以外の収入源」が急増？一方でマネートラブル1位は「ワンクリック詐欺」

親の立場からは何かと気になる子どもたちの金銭感覚。ここでは、調査データから見えてくる10代の金銭事情を紹介。心配なマネーにまつわるトラブルも解説する。

収入月額は高校生平均1万1,813 円、大学生等平均4万3,883 円

SMBCコンシューマーファイナンスが2022年7月に、15～19歳の学生1,000名を対象に調査した「10代の金銭感覚についての意識調査2022」をもとに、10代の金銭事情を紹介しよう（以下、全ての調査データはSMBCコンシューマーファイナンス調べ）。

高校生で29％、大学生等で72％が「お小遣い以外の収入がある」

現在の収入状況は、高校生では「収入はお小遣いのみ」が52.4％、「お小遣い以外の収入がある」が28.9％となった一方、大学生・短大生・専門学校生・予備校生（以下「大学生等」）では「収入はお小遣いのみ」が12.7％、「お小遣い以外の収入がある」が72.1％となっている。ひと月当たりの収入額は、高校生は平均1万1,813 円、大学生等は平均4万3,883 円。

家族からもらっているお小遣い（月額）は、高校生が平均4,417円（前年比870円増）、大学生等が平均1万140円（前年比1,871円増）。

アルバイト代（月額）は、高校生で平均6,961円（前年比267円増）、大学生等で平均3万2,903円（前年比6,468円増）。この増額分は、コロナ禍で休業していた商業施設や飲食店の多くが通常営業を再開したことによる収入増が反映されたものと思われる。

アルバイト以外の収入源として注目されるフリマアプリ

同調査では、アルバイト以外の収入源としてフリマアプリにも注目。フリマアプリでの不用品売却による収入について、「得ている」が18.9％、「得ていないが、得たいと思う」が46.4％となった。半数以上の人がフリマアプリで収入を得ることに前向きといっていいだろう。

フリマアプリで収入を得ている人189名に、フリマアプリによるひと月当たりの収入金額を聞いたところ、「1,000円未満」が30.7％、「1,000～2,000円未満」が28.6％、平均は3,160円となった。約1年前の同調査と比較して収入額平均が689 円増加していることから、今後もさらに利用が増えるものと思われる。

男性は「アニメ・マンガ」、女性は「推し活」に消費

次に、10代がどうお金を使っているのかを見てみよう。まず、ひと月当たりの消費額は、高校生は平均5,831円、大学生等は平均2万3,645円。収支を考えると余剰を貯金している人が多いことがうかがえる。

お金をかけたいと思うものを聞いたところ、「ファッション」「推し活（アイドル・キャラクターのグッズなど）」がどちらも37.3％で同率。以下、「友人との交際」34.5％、「アニメ・マンガ」30.5％、「旅行・観光」30.2％と続く。

なお、男女別では、男性の上位2つが「アニメ・マンガ」「友人との交際」、女性の上位2つが「推し活」「ファッション」となっている。

ひと昔前なら、10代の趣味としてはあまり胸を張れなかったアイドルやアニメへの消費が、上位に食い込んでいるのは現代っ子らしい結果だ。特に「推し活」は約1年前の同調査の28.0％から9.3ポイントの急増となっており、今後も伸びていくものと思われる。

10人に1人がマネートラブル、最多はワンクリック詐欺

10代後半はお金を使う対象の範囲がぐっと広がる一方で、さまざまなマネートラブルにも巻き込まれやすくなってくる。

これまでに、詐欺などのトラブルの被害にあったことがあるか聞くと、「あったことがある」は11.6％、「あったことはない」は88.4％となり、男性のほうがトラブルにあいやすい傾向が見られる（男性13.0％、女性10.2％がトラブル被害あり）。

被害経験者（116名）にトラブルの内容を聞いたところ、特定のウェブサイトを開いたときに“契約成立”を一方的に宣言され、金銭を請求される「ワンクリック詐欺」25.9％が最多。次いで、偽サイトへ誘導し個人情報などを引き出し悪用する「フィッシング詐欺」20.7％、「無料商法」19.8％、「キャッチセールス」16.4％、「ネットオークション詐欺」14.7％、「マルチ商法・ねずみ講」14.7％と続く。

ネットでのマネートラブル率がそれなりに高いことから、ネットに慣れ親しんでいる“ネットネイティブ世代”であっても、十分なリテラシーを備えているわけではないことがよく分かる。

親世代はこうしたところを意識し、ネットとマネーのリテラシーを万全に伝えていくべきだろう。

文・モリソウイチロウ