有料道路の料金所をスムーズに通過できる「ETC」をそのまま利用して、車に乗ったまま店舗などの支払いができる「ETCX」というサービスが2021年4月28日からスタートしている。どのようなサービスなのかここで見ていこう。

ETCXで車が「おサイフカー」に

ETCXは国土交通省が推進する「ETC多目的利用サービス」の一環として展開される新しいキャッシュレス決済サービス。ガソリンスタンドやドライブスルーなど車に乗ったまま利用できる店舗での支払いを、ETCカードをセットした車載器で行えるものだ。

ETCXの公式サイトでは、これを「あなたの車がおサイフカーに!」と表現している。料金所のETCレーンの通過と同じように、これまで運転席から腕を伸ばしてお金をやり取りしていた手間がなくなると考えればいいだろう。特にこれまで左ハンドル車で支払いに面倒さを感じていた人には朗報だ。

5分で利用可能に

クレジットカードにひも付けられたETCカード、そして車載器を持っているなら、ETCX公式サイトから登録することでETCXのサービスがすぐに利用可能となる。

登録時に入力する情報は、登録者の氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、クレジットカード番号とその有効期限、クレジットカードにひも付けたETCカード番号とその有効期限となり、5分ほどで入力可能。登録はETCX公式サイトからのみとなっている。

登録できるクレジットカードは、主要なカードをほぼ網羅している。しかし、よく知られているカードのうち「dカード」「Yahoo!Japanカード(PayPayカード)」「エポスカード」は登録できない(2022年9月16日時点)。

なお、「楽天カード」「ジャックス」「アプラス」発行のクレジットカードは2022年9月16日から利用可能となった。

ETCX加盟店の拡大が待ち望まれる

登録したETCカードを車載器にセットすると、「ETCX」マークのあるETCX対応店舗・施設(ETCX加盟店)で、車に乗ったまま決済サービスを利用できる。決済時はETCレーンとは異なり、一時停止する必要があるのでこの点には留意したい。

登録済のETCカードであれば、レンタカーの車載器でも二輪車の車載器でも利用可能。ETC2.0ではない従来規格の車載器でも利用できる。

利用履歴はETCX公式サイトの「マイページ」で確認でき、利用証明書のプリントアウトも可能。なお、ETCマイレージポイントは付与されない。

このように便利なETCXではあるが、実は現時点では使えるところがほとんどない。ETCXの公式サイトによると、これまでETCが使えなかったいくつかの有料道路とガソリンスタンド1件のみでしか使えない状況である(2022年10月22日現在)。

ただし、今後は有料道路やガソリンスタンドのほか、駐車場、レジャー施設、ドライブスルーなどの加盟店を増やしていくとのことなので、とりあえず登録だけでもしておいてよさそうだ。

文・モリソウイチロウ

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