目次
相続税の申告方法と期限
 ・納税手続きと申告期限
 ・相続税の申告が不要なケース
 ・相続税が無税でも申告が必要なケース
納税額は税額控除適用などによって変わる

相続税の申告方法と期限

相続税はいくらまで無税? 基礎控除の仕組みと納税額の計算方法
(画像=『RENOSYマガジン』より引用)

相続税が発生する場合、決められた申告期限までに相続税の申告書を提出し、納税をするのが原則です。申告をしなければ適用とならない特例や減税措置があるため、詳細をよく確認しておきましょう。

納税手続きと申告期限

相続税の申告および納付期限は「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10カ月以内」で、申告先は「被相続人の住所地を所轄する税務署」です。

期限までに申告・納税をしなかった場合、ペナルティーとして延滞税や無申告加算税が課せられてしまいます。

相続税は金銭による一括納付が原則ですが、納付が困難な場合は「延納」や「物納制度」が選択できます。申告書の提出期限までに税務署に申請をしましょう。

延納は担保を提供する代わりに、年賦で納付をすることです。物納制度は、相続税を一定の相続財産によって納入する制度で、物納できる財産には条件があります。

参照:No.4205 相続税の申告と納税|国税庁

相続税の申告が不要なケース

相続が発生しても、必ず相続税の申告・納税をしなければならないわけではありません。相続税の申告・納税が不要なケースは以下の通りです。

  • 相続する財産が相続税の基礎控除額を下回る場合
  • 「申請が不要な控除」が適用になり、税額が無税になった場合

申告が不要な控除には、「未成年者控除」「障害者控除」「数次相続控除」などがあります。基礎控除額を差し引いた課税遺産総額を基に算出した相続税総額を、さらに実際の取得割合で按分した各相続人の税額から各種控除を適用するため、相続税額が無税になる可能性は十分にあるでしょう。

相続税が無税でも申告が必要なケース

特例や減税措置の適用によって相続税が無税となっても、必ず申告をしなければならないケースもあります。

例えば、「配偶者の税額の軽減」は、相続税の申告をしなければ適用となりません。申告の際は、配偶者の取得した財産が分かる書類(遺言書・遺産分割協議書の写しなど)が必要です。

相続税の申告期限までに遺産分割協議が終わらない場合は、法定相続分で分割したと仮定して申告・納税します。この際に「申告期限後3年以内の分割見込書」を併せて提出する必要があります。その後、遺産分割の日の翌日から4カ月以内に「相続税の更正の請求」をして、この請求を税務署が認めた場合は配偶者の税額の軽減が適用されます。

「小規模宅地等の特例」を受ける際も、忘れずに相続税の申告をしましょう。申告書に特例を受ける旨を記載したうえで、遺産分割協議書の写しなどを提出します。

納税額は税額控除適用などによって変わる

相続税はいくらまで無税? 基礎控除の仕組みと納税額の計算方法
(画像=『RENOSYマガジン』より引用)

相続税は、基礎控除額を超えなければ、申告・納税の必要はありません。基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で算出するため、少なくとも正味の遺産額が3,600万円を超えなければ、相続税は発生しないと考えてよいでしょう。

特例や減税措置の適用によって相続税が無税になる場合は、「相続税の申告が必要かどうか」を確認しましょう。判断を間違えて申告をしないでいると、無申告加算税や延滞税が課されます。

相続税や遺産分割に関して不明点があれば、税理士に相談することをおすすめします。

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

提供元・RENOSYマガジン

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