最近、飲食店の倒産を伝えるニュースが多く報じられている。昔はよく名前を聞いたが、いつのまにか聞かなくなった飲食店は多い。ここでは、飲食チェーンや老舗飲食店など、いつの間にか日本から消えた飲食店を5つ紹介する。

飲食店の倒産は多い?その実態とは

まずは、飲食店の倒産について、その実態から見ていこう。

帝国データバンクでは、2021年度(4-3月)における「飲食業」の倒産実態を公表している。2021年度の「飲食業」の倒産は、負債1,000万円以上のもので612件にのぼる。単純に平均すると、1ヵ月で50件。また、倒産件数は、前年度の飲食店倒産件数と比較して、21.9%減となっている。そのため、一見すると、飲食店を取り巻く状況はよくなってきていると思える。

2021年度における「飲食業」の倒産が減少したのは、補助金や給付金などの政府の新型コロナ対策が、下支えとなっていることが要因だ。それでも、2021年度の飲食業倒産612件のうち、新型コロナウイルスの影響で倒産した店舗は半数を超えている。そのため、補助金や給付金などの政府の新型コロナ対策が打ち切られた場合、何とか持ちこたえている飲食店の倒産が増える可能性はある。

2021年度の「飲食業」の倒産のうち、残り半分の倒産は新型コロナ以外の要因によるものだ。最近は有名店や老舗の倒産も多い。

いつの間にか日本から消えた飲食チェーン店3選

飲食店の倒産には、新型コロナ以外の要因によるものも多い。ここからは、さまざまな原因でいつの間にか日本から消えた代表的な飲食チェーン店を3つ見ていこう。

ダンキンドーナツ

ダンキンドーナツは、1970年に日本にオープンした、アメリカ発の大手ドーナツチェーン。日本では、セゾングループなどが主体となり店舗展開していたが、ミスタードーナツに市場を奪われ、1998年に日本から事業を撤退している。

ハーゲンダッツ

高級アイスクリームとして有名なハーゲンダッツは1984年に青山に1号店をオープンした。1990年代後半まで全国に単独の店舗を持ち、アイスクリームを提供。その後、2000年代に入って売り上げが減少し2013年に最後の店舗の閉鎖に至った。

今でも、スーパーやコンビニなどでハーゲンダッツのアイスクリームを購入できるが、店舗再開の予定はない。

ネイサンズ

ネイサンズは、アメリカ発祥のホットドッグチェーン店。日本人が、ネイサンズ主催のホットドッグ早食い大会で優勝したことでも有名になった。日本では、2003年に原宿に1号店をオープン。その後数店舗を展開していたが、ブログの炎上や売り上げの低迷などの要因で、数年で日本から撤退した。

海外チェーン店だけじゃない。日本の老舗飲食店の倒産2選

飲食店の倒産や撤退はチェーン店だけではない。日本でも老舗飲食店が倒産している。代表的なものが次の2つだ。

割烹 武蔵家

割烹 武蔵屋は、江戸時代に創業した料理店。西新井大師の参拝客などに愛された老舗の割烹料理店だ。新型コロナウイルスの影響拡大により、参拝客などの減少が続き、2020年に閉店した。

づぼらや

大阪名物といえば、づぼらやを思い浮かべる人も多いだろう。づぼらやは、大阪の道頓堀にある老舗のフグ料理店。新型コロナウイルスの影響拡大で4ヵ月の休業を実施し、何とか再開しようとがんばっていたが、営業の再開はかなわず、2020年9月に閉店した。

今後もいつの間にか消える飲食店が増える可能性も

日本の飲食店を取り巻く環境は、悪くなっている。補助金や給付金などの政府の新型コロナ対策により、倒産件数自体は前年度より減少しているが、潜在的に倒産の危機にある飲食店も多いことが予想される。今後も、いつの間にか消える飲食店が増える可能性は大いにあるだろう。

文・はせがわあきこ

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