目次
副業投資における税金の扱い
株式投資以外のおもな投資先
副業投資における税金の扱い
副業投資を進めていくうえで、税金のことはどうしても気になりますよね。ただ、少額で投資を行う場合、税金のことはほとんど考えなくて大丈夫です。
そもそもつみたてNISAと一般NISAは、年間の限度額まで運用益が非課税です。非課税枠を超えて株に投資した場合も、証券会社に株式保有用の口座を開設するときに「特定口座(源泉徴収あり)」という口座を選べば、株の利益から自動で税金を引いてくれるので、基本的に確定申告の必要はありません。
課税される場合は利益に対して20.135%の税金がかかるとはいえ、数ある副業のなかでも利益にかかわらず確定申告が不要な株式投資は、経理作業が苦手な人にとってもありがたい存在です。
株式投資以外のおもな投資先
ここまで、株を中心に副業投資について考えてきました。
ただ、投資先はなにも株だけではありません。世の中にはさまざまな投資先があり、株以外の資産にも投資することで「世界的に株価がめっちゃ下がった……」という場合にも、資産の急減を食い止めることができます。
個人的には、株以外にもいくつかの資産に分散して投資することをおすすめします。
投資先1. 債券
債券は、株以外だと最もメジャーな投資先でしょう。そもそも債券とは、かんたんに言うと「国や企業がお金を貸してもらうために発行する」ものです。私たちは債券を買うことで国や企業にお金を貸し、貸している間や返してもらうときに利子をつけてもらえます。
債券は市場で売買できるものもあり、株と同じく売り買いで利益を出すことも可能。誰が発行した債券を買うかによりますが、一般的に株よりもリスクとリターンは低いです。株より安全に資産を増やしたい場合におすすめで、初心者向けの投資先です。
投資先2. 不動産(REIT)
不動産、つまり住宅への投資も副業投資の世界では主流です。分かりやすく言えば、賃貸物件の大家さんのこと。持っている土地にアパートを建てて入居者を募って家賃収入を得たり、安い物件を購入したうえでリフォームし、転売して利益を上げたりといった稼ぎ方があります。
ただ、実際に不動産を購入したうえで管理するのは、お金も手間もかかります。そこで、投資家からお金を集め、不動産運用を行う「REIT」という投資信託を利用すると、直に不動産運用をしなくても不動産運用で得た利益を手にできます。
副業の場合は充てられる時間に制限もあるので、副業投資の投資先としては、不動産を直接運用するよりもREITのほうがおすすめです。
投資先3. 外貨(FX)
ニュースなどで、「1ドル=○○円」という情報を見たことはありませんか? ドルと円のような「通貨」には両替をする際のレートがあるのですが、このレート差を利用して利益を上げる方法があります。たとえば、1ドル100円の際に円をドルに変えておき、1ドルが130円になった際にドルを円に戻せば、100円が130円に増えます。
外貨投資の一般的な手法は「外貨預金」で、普通の預金のように外貨を貯めて通貨間のレート差を利益につなげます。ただ、通貨のレート差は平常時であれば大きく動きません。そこで、少ない手持ち資金にレバレッジをかけ、より大きな利益を得る「FX」とよばれる取引があります。
レバレッジをかけると大きな利益も見込めますが、同時に損失も大きくなるため、個人的には高倍率でのFXはおすすめできません。ただし、一定の外貨を保有することで「めちゃくちゃ円安(=貯金の価値が下がると思ってください)になってしまった……」というときの為替リスクには備えられます。
投資先4. 現物資産(金、銀など)
金や銀、プラチナといった現物商品への投資も有効です。こうした貴金属の価値は時代を経ても大きくは変わらないため、ある意味でお金以上に安全な資産ともいえます。ただ、価値が定まり過ぎているがゆえに、値動きの幅も極めて小さいのが特徴です。
一方、古くから金融商品として知られてきた貴金属以外にも、近年は美術品やスニーカー、トレーディングカードなど、多くのものにプレミアがつき、投資商品と化している現状があります。こうした現物資産への投資は、その分野に詳しく、かつ半ば趣味として楽しめる場合は効果的でしょう。
投資先5. 仮想通貨
ビットコインなどの仮想通貨への投資は、近年非常に加熱しています。仮想通貨の将来性は高く評価され、価値の急上昇が続いていたからです。いわゆる「億り人」と呼ばれる人たちの出現もニュースになりました。
ただ、仮想通貨は投資先としてはやや心もとないと思います。じつは、2022年に入ってからは有名どころの仮想通貨(ビットコインなど)の値動きは落ち着き、これまでのような暴騰はあまり見られなくなりました。また、法整備が追いついていないことによるトラブルや、高額な税金なども気になるところ。
投資をする場合も、最低限の金額にとどめておくのがいいでしょう。
投資先6. 預貯金
みなさんが当たり前のように行っている「預貯金」も、じつは一種の投資です。
私たちは銀行にお金を預け、その代わりにほんの少しの利息をもらっています。形式的には投資と変わりません。ただ、1000万円までの預貯金は元本が保証されており、利息も微々たる額のため、投資と感じづらいのです。なお、私たちが行っている「普通預金」よりも少しだけ利息が多くなる「定期預金」などの制度もあります。
もっとも、預貯金ではお金が増えることはほとんどなく、さらにインフレが進む(=物価が高くなる)と現金の実質的な価値は目減りします。預貯金「だけ」に投資するのも、リスクがないとはいえません。
株以外の投資先の特徴一覧表
株(基準) | 債券 | 不動産(REITの場合) | 外貨 | 現物資産(金の場合) | 仮想通貨(ビットコインの場合) | 預貯金 | |
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リスク | 中 | 低 | 中 | 極低 | 極低 | 高 | 極低 |
リターン | 中 | 低 | 中 | 極低 | 極低 | 高 | 極低 |
元本保証 | なし | なし | なし | なし | なし | なし | あり(原則1000万円+利息分まで) |
税率(利益が出た場合) | 20.315% | 20.315% | 20.315% | ・利息:20.315% ・為替差益:総所得により変動 | 総所得により変動 | 総所得により変動 | 20.315% |
最低投資価格 | 100円~ | 100円~ | 100円~ | 0.01ドル~ | 1000円~ | 0.00001BTC~ | 1円~ |
※投資先ごとに、一般的な商品を選んだ場合を想定。なお、各商品には「各商品の価格に連動する投資信託」もあるため、最低投資金額は投資信託も含めて計算