目次
株式のおもな投資先
副業投資家も使える投資用制度3選

株式のおもな投資先

株式の種類は整理できたと思いますが、種類が同じでもどういった投資先を選ぶかで期待できる利益や見込まれる損失は変わってきます。ここでは、株式の投資先を整理しておきます。

投資先1. 国内

私たちが慣れ親しむ、日本国内の株式に投資する方法です。日本国内の株式への投資は、私たちがよく知っている会社に投資することになるため、投資先や投資関連のニュース・情報を手にしやすいのがメリット。また、株を売り買いできる時間も日本時間の日中であるため、カレンダーを把握しやすいです。

一方、日本株の弱点はパフォーマンスの低さでしょう。じつは、日経平均株価は30年前からほとんど変化していません。逆に、アメリカを代表する株価指数の「ダウ平均株価」は、過去30年で10倍以上に成長。その差は歴然で、今後も逆転するのは難しいといわれています。

株式投資は副業扱いになる? 初心者向け資産運用はじめの一歩
(画像=▲過去30年の日経平均株価とダウ平均株価の推移(出典:auカブコム証券)、『Workship MAGAZINE』より引用)

投資先2. 先進国(おもにアメリカ)

先進国とは、日本を含む欧米諸国を指します。

ただ、投資の世界では上でも見たように圧倒的なパフォーマンスを発揮しているのがアメリカで、先進国の投資先としてはまず第一にアメリカが挙げられるでしょう。

マクドナルドやエクソンといった歴史のある優良企業から、GAFAのような急成長企業まで抱えているのがアメリカ。魅力的な投資先と考えられるのも納得です。ただし、市場がアメリカ時間(日本だと深夜)の開場で、そのうえ投資情報なども英語が中心のため、とっつきづらさがあるのも事実です。

投資先3. 新興国(おもに中国)

新興国とは、アジアやアフリカの成長を続ける国家を指します。

なかでも注目される機会が多いのは中国で、中国発のアリババやテンセントといったIT企業がおもな投資先となります。新興国の魅力は増加する人口や経済規模の拡大で、将来的に大きな利益をもたらしてくれる可能性があることでしょう。

一方、じつは新興国株のパフォーマンスはそれほど良くありません。新興国は政治や経済情勢が不安定で、株価も上下が激しい傾向にあります。また、新興国の成長に期待する人は多く、株価が実績に対して割高になってしまうこともあります。

副業投資家も使える投資用制度3選

以上の情報を頭に入れられたら、次に投資を有利に進められる制度について考えていきましょう。

日本ではアメリカなどに比べて国民の投資意欲が低いといわれており、投資意欲をかきたてるために多くの「投資用制度」が整備されています。副業で投資をする場合もこうした制度を利用できるので、まずは制度の概要を抑えてください。

制度1. つみたてNISA

聞いたことのある方もいるかもしれませんが、つみたてNISAとは少額からの長期・分散・積立投資を行うための制度です。先ほどの説明を踏まえるとご理解いただけると思いますが、実質的に「投資信託」の運用を行うことになります。

特徴はとにかくローリスクで手間がかからず、しかも運用で得た利益が20年間非課税になること。投資上限は年間40万円までですが、税金のことを一切気にせず、ほったらかし投資ができます。

株式投資は副業扱いになる? 初心者向け資産運用はじめの一歩
(画像=▲つみたてNISAの特徴(出典:金融庁)、『Workship MAGAZINE』より引用)

「投資のことはあまり考えたくないけど、資産運用はしたい!」という方におすすめです。

対象者日本在住の20歳以上の人
投資額年間40万円まで
非課税期間20年
投資対象商品一定の基準を満たす投資信託など(個別株はなし)
一般NISAとの併用×
iDeCoとの併用

制度2. 一般NISA

こちらは、つみたてNISAのすこし上位版。つみたてNISAは「毎年40万円まで」「投資信託」に「20年」非課税で投資できる制度だったのに対し、一般NISAは「毎年120万円まで」「投資信託や個別株」に「5年」非課税で投資できる制度です。

非課税期間が短縮された代わりに、個別株にも投資できるようになった制度といえます。「個別株も買ってみたい!」「年間40万円が上限では少なすぎる……」という方はこちらがおすすめです。ただし、つみたてNISAとの併用はできません。

対象者日本在住の20歳以上の人
投資額年間120万円まで
非課税期間5年
投資対象商品投資信託、個別株など
つみたてNISAとの併用×
iDeCoとの併用

制度3. iDeCo

iDeCo(個人型確定拠出年金)は上2つの制度とは少し異なり、簡単に言えば「年金を自分で運用する制度」です。

iDeCoを利用すれば、会社員でも一定の掛け金を投資信託などに投資し、運用して年金額を実質的に増やせます。運用益は非課税で、受け取り時も税制の優遇を受けられます。

株式投資は副業扱いになる? 初心者向け資産運用はじめの一歩
(画像=▲iDeCoの仕組み(出典:iDeCo公式サイト)、『Workship MAGAZINE』より引用)

ただし、同じ会社員でも「会社で企業型確定拠出年金に加入しているか否か」などで掛け金の上限が変わるほか、掛け金は原則60歳になるまで引き出せないのがデメリット。「60歳まで毎月一定額が使えなくなる」とも言い換えられるので、利用前には自分の価値観とよく相談してみましょう。

対象者日本在住の20歳以上65歳未満の人
投資額年間27万6000円まで(企業年金がない会社員の場合)
非課税期間引き出すまで
投資対象商品運営管理機関(金融機関、証券会社など)が設定する投資信託など
NISAとの併用