広島県の神石高原町(じんせきこうげんちょう)という町をご存知ですか?
県内でも「名前は聞いたことあるけど行ったことはないな」という人も多く、あまり知られていない町なのですが、ユニークな取り組みをしていて、最近じわじわと人気が高まって、ファン・リピーターが増えつつある町です。
正直確かに田舎なのですが、単なる田舎ではない、独特の魅力を秘めた町です。
例えば、この町には紙ヒコーキを飛ばすためだけに建てられたタワーがあります。
町名の通り、標高が500~700mの高原地帯ですので、爽やかな風、澄みきった空気、山から湧き出る甘くまろやかな水、そして温泉など資源に恵まれています。
田舎だけど、ただの田舎じゃない、ポテンシャルを秘めた知られざる町、神石高原町に初めて訪れましたので、その魅力をお伝えします。
「どこか知らない町に旅してみたいなぁ」という方にぴったりかもしれませんよ。
広島県で唯一、町全体が「恋人の聖地」になった町でもあるんですよ。いったいどんな町なのでしょうか。。。
目次
神石高原町ってどんな町?
神石高原町にあるおいしい●●
神石高原町ってどんな町?
神石高原町は、広島県東部の標高500~700mの高原地帯に位置しています。平成16年11月に4つの町村(油木町、神石町、豊松村、三和町)が合併して神石高原町となりました。人口8,356人(2022年9月現在)
豊かな自然に、澄んだ空気、ミネラルたっぷりのおいしい水から生まれた野菜や果物、キノコ、あの有名な神石牛、その他こんにゃく、味噌、ジャムなど加工品の特産品も豊富です。
神石高原町にあるおいしい●●
実際に訪れた神石高原町にはおいしい●●がいっぱいありました。
どどーんとご紹介しましょう!

神石高原町の南部 国道182号線沿いにある「道の駅さんわ182ステーション」には、産直の果物、野菜、神石牛、こんにゃく、お土産などが並んでいます。ここに来れば神石高原町のほぼすべての特産品やお土産が購入できるでしょう。必須の立ち寄りスポットです。地元の人にも大人気で賑わっていました。

神 JIN premium(ジンプレミアム)は神石高原町こだわりのハイクオリティブランドです。
おいしい神石牛
神石牛といえば・・・アレで有名になりましたね。

バイデンさんも食べた神石牛。
神石牛とは、神石高原町で育てられている黒毛和種で、肉の特徴としては、筋繊維が細く余分な脂肪が少なく、甘みがあり脂身があっさりしています。柔らかな舌触りと上品な脂肪の香りが口の中に広がります。1年間にたった400頭ほどしか出荷されておらず、幻の和牛と呼ばれています。

神石高原町の中でも販売している所が限られており、ここ道の駅さんわ182ステーションでは購入することができます。
おいしいこんにゃく芋
神石高原町は、標高500~700mの山々が連なる高原地帯で、全国でも珍しい、こんにゃく芋栽培に適した地であり、西日本最大の産地です。
こんにゃく芋栽培は300年の歴史を持ち、生産高こそ関東に劣りますが、ここの風土の有利性を生かして、味の良い在来種(和玉)一本でやっておられます。

こんにゃく芋ってこんなに立派な形をしているんですね、知りませんでした。

道の駅さんわ182ステーションにも、たくさんのこんにゃくが売られていました

私は中でも刺身こんにゃくが気に入りました。
おいしいランチ
道の駅さんわ182ステーション隣接の「自然食レストラン高原の風」では地元野菜をふんだんに使ったランチバイキング(1,580円)をやっています。


美味しそうでしょう~。体に良さそうでしょう~。ザ・おふくろの味です。すべて手作り。厨房には地元のお母さんたちの姿が見えて嬉しくなります。観光客ばかりでなく、地元の人たちにも大人気らしく、12時過ぎると満席になることもしばしばあるそうですよ。

野菜を作っている農家さんたちの写真が貼ってあります。こういうの嬉しいですね、生産者さんたちがぐっと身近に感じられます。

「農業は命の生かしあい」野菜作りへの真摯な姿勢が伝わります。
おいしいお米
神石高原町はお米の産地でもあります。皇室に献上されたお米もあるんですって。

おいしいお水
父木野、県道小畠荒谷線の道路脇に「長生きの水」という湧水場があります。
弘法大師にゆかりがあり、疲れた旅人がこの水を飲んで元気になったという伝承があるそうです。遠くからわざわざ汲みにこられる方もいらっしゃるんですって。水質は硬度14度の典型的な軟水です。一年中冷たい水が湧いています。

実際に手にすくって飲んでみました。「ん!やわらかい、まろやか!」と思わず声を上げるほど、優しくて美味しい水でした。

神石高原町にはこの「長生きの水」以外にも山からの恵みの水が、あちこちから湧き出ているそうですよ。なんて羨ましい。。。
おいしい果物
私が訪れた9月上旬には、道の駅さんわ182ステーションのワゴンには、梨、ぶどうがたくさん並んでいました。


寒暖差のある高原地帯だからこそ、甘くて美味しい果物が育つのでしょう。
おいしい日本酒
神石高原町唯一の酒蔵があります。神雷(しんらい)という銘柄のお酒を醸している三輪酒造です。
江戸時代中期、享保元年(1716年)から酒造りを続けておられます。

三輪酒造の15代蔵元杜氏である三輪社長からのメッセージを一部引用させていただきます。
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酒蔵・清酒はつねに時代と共にあり、またその時代を反映するものだと思います。
私が酒蔵に帰った当時は未納税酒(大手酒蔵向けの受注生産)が弊社の製造量の多くを占めていました。しかし時代は刻々と変化するもので、蔵に帰り三年後にその取引は終了しました。経営的には厳しい局面を迎えましたが、逆に『神雷』というお酒を今一度見直しアピールしてゆくチャンスとも思いました。何が正解なのか...すぐに答えの出る事ではありませが、現在もより美味しい神雷をお届けしたいと日々の仕事に向き合う中で模索を続けています。
そんな模索の日々の中で思い至った事は「先人が築きあげてくれたお陰で現在私たちが酒造りをさせて頂いている」と言う事です。酒蔵の建物...酒造の道具や技術や心得...神雷を応援して下さるお客様や取引先の方々...多くの有形無形の貴重な財産を残して下さいました。また日々お酒造りをする中で「日本酒は私たちを取りまく自然環境の恵みが与えてくれるもの」と気付かされました。私自身、何か見えざる力により存在させて頂いている...ならば神雷酒蔵がある「広島」や「神石」という土地の恵みに感謝し表現するお酒を醸したいと思います。
15代目蔵元杜氏 三輪裕治
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三輪酒造の酒造りへのこだわりは次の4つです。
酒造米は広島県産にこだわる
広島県に伝わる軟水醸造法を基礎にした酒造り
この神石の寒冷な気候と共に醪を醸す
蔵にある硬度の違う2本の井戸水を生かした仕込み
実際に神雷を飲んでみましたが、奇をてらわず、穏やかでやわらかい、料理を引き立てる美味しいお酒でした。
>>びんごのじざけ 神雷 三輪酒造の公式サイトはこちら
おいしいなまず?
神石高原町の特産品のひとつに"なまず"があります。
「えっ、なまず?」
はい、なまずです。しかもそのなまず、町の高校生が育てているのです。

一体、どんな味なのでしょうか・・・? 詳しくは後述。
おいしい空気
広島県の東部、JR福山駅から車で約1時間。神石高原町の地に初めて降り立った私が感じたことは、「ん?空気が澄んでて、おいしいぞ!」ということです。
本当にそう感じたのです。四方を山に囲まれ、緑が豊か、大きな工場などがない、ということが理由ではないかと思います。
私も田舎育ちですが、ここまで空気がおいしいと感じたのは初めてかもしれません。思わず深呼吸したくなる町、そんな町です、神石高原町は。

話は変わりますが、神石高原町にはコンビニは1軒しかありません。道の駅さんわ182ステーション横のローソンです。そんな町って今の日本に珍しいかも。