格安ゴールドカードのオリコi Goldは、年会費3,300円でポイント還元率最高1.1%、ロードサービスが無料になるほか、MasterCardのゴールド優待とオリコの優待がダブルで利用できるリーズナブルな1枚。メリットや特徴、格安ゴールドのデメリットも含め、詳細を解説していこう。

目次
1,カードの基本スペックと審査基準
2,i Goldの3つのメリット
3,i Goldのポイント還元率は?ポイント最大2.2倍も可能
4,i Goldの3つのデメリット
5,i Goldがおすすめなのはどんな人?空港ラウンジサービスよりもロードサービスという人に

1,カードの基本スペックと審査基準――年会費3,300円のゴールドカード

オリコは年会費やサービス内容の異なる6種のゴールドカード(ビジネスカードを除く)を発行しており、その一つが「i Gold」。このカードの主な特徴は、安い年会費とロードサービスが無料で付帯することだ。まずは基本スペックから見ていこう。

基本スペック 電子マネーダブル搭載に付属カードが無料!

国際ブランド Mastercard
年会費 3,300円(税込)
※初年度無料
家族会員無料
ポイントサービス 暮らスマイル
通常ポイント還元率 0.6%
ポイント交換対象 オリコポイント
UCギフトカード
マックカード など
空港ラウンジサービス なし
付帯保険 海外旅行傷害保険(自動付帯)
国内旅行傷害保険(利用付帯)
ショッピング保険(利用付帯)
追加カード ETCカード
家族カード
電子マネー 【カード搭載】
iD
QUICPay
【Apple Pay経由】
QUICPay

特徴的なのは、カード本体に後払い式電子マネー「iD」と「QUICPay」の機能がダブルで標準搭載されていること。コンビニなどでの少額決済で便利に使える。その利用分にもポイントが付与される。

このカードに限った特徴ではないが、オリコ発行のクレジットカードでは、家族カードとETCカードを年会費無料で作ることができる。家族カードは3枚まで申し込むことができ、ETCカード利用分にもポイントが付与されるので、有料道路を使う機会の多い人にとってはメリットが大きいはずだ。

審査基準・審査難易度は年収300万円が目安

申し込み資格として「原則として年齢20歳以上 安定した収入がある方」と記されているため、学生や専業主婦は申し込むことができない。勤続年数が短い場合(3年未満など)も、審査が厳しくなりそうだ。口コミ情報から、年収は300万円以上であれば審査に通る可能性があると考えていいだろう。

信販系・格安ゴールドのためステータス性はあまり高くない

オリコは信販系カード会社であるため、ゴールドカードとはいえそこまで高いステータス性はない。オリコのゴールドカードの中では年会費が安いことも、ステータス性につながらない理由の一つだ。参考までに、一般カードの「オリコカード」とスペックを比較しておこう。

i Gold オリコカード
年会費(税込) 3,300円
※初年度無料
1,375円
※初年度無料
家族カード年会費 無料
申し込み資格 原則として年齢20歳以上
安定した収入がある方
原則として年齢18歳以上の方
(高校生は除く)
ロードサービス
ゴールドカード優待特典
旅行傷害保険 海外最高2,000万円
国内最高1,000万円
海外最高2,000万円
国内最高1,000万円
ショッピング保険 最高100万円

しかし、ロードサービスやゴールドカードの優待特典などが付帯していることを考えると、オリコの一般カードよりは多少ステータス性があることは確かだ。

2,i Goldの3つのメリット――ロードサービス無料、トラベル優待、旅行傷害保険

次に、このカードの主なメリットを紹介しよう。1つ目は、年会費3,300円でロードサービス特典があることだ。

メリット1,ロードサービスが無料

24時間365日対応の「ゴールドカードロードサービス」が、会員本人の車だけでなく同居の家族の車にも付帯する。ロードサービスの内容は、以下のとおり。

・無料緊急処置サービス

車が故障・事故により自力で走行できなくなった場合、以下のトラブルについて無料の緊急処置が提供される。

  • バッテリー上がり
  • 鍵閉じ込み
  • パンク
  • ガス欠
  • ボルト締め付け
  • 各種バルブ・ヒューズの交換
  • サイドブレーキの固着
  • 各種オイル漏れ 点検・補充
  • 冷却水補充

※30分程度の緊急処置作業につき無料、部品代・ガソリン代・オイル代等は無料サービスの対象外

・レッカー無料サービス

車が故障・事故により自力で走行できなくなった場合、レッカー車が手配され、最寄りの修理工場までけん引してもらえる。こちらは距離制限があり、10kmまでが無料だ。

・遠隔地トラブルサポートサービス

自宅(車の通常保管場所)から直線距離で100km以上離れた遠隔地で、車が故障などのトラブルにより自力で走行できなくなった場合に、以下のサービスについて料金が支払われる。

サービス名 サービス内容 支払い金額
帰宅費用
サービス
24時間以内に帰宅しなければならない
場合に代替交通手段の手配を行い、
同乗者全員分の帰宅費用が支払われる
1名につき2万円限度
宿泊費用
サービス
帰宅の手段がなく宿泊を必要とする場合、
宿泊の手配を行い、同乗者全員分の
宿泊費用(1泊分)が支払われる
1名につき
1万5,000円限度
車両搬送費用
サービス
修理後の車について、自宅までの
搬送費用が支払われる。
自分で引き取る場合は、引き取り時の
片道分の交通費(本人分のみ)が支払われる。
5万円限度

なお、事故の場合は対象外となるので注意したい。

メリット2,オリコ・Mastercard提供のトラベルサービスをダブルで利用できる

このカードでは、オリコ提供の各種のトラベルサービスに加えてMastercardのサービスも受けられる。

・オリコトラベルデスク

海外旅行の際、世界51都市に設置されたJTBグローバルアシスタンスの海外デスクで、日本語による対応を受けられる。サービス内容の例は、以下のとおり。

  • 観光・ショッピング情報の提供
  • ホテルやレストランの案内と予約
  • オプショナルツアーの案内と予約
  • スポーツ観戦情報提供とチケット予約
  • 各種イベントの情報提供と予約
  • フライトスケジュール情報の提供と航空券予約
  • レンタカー・リムジン送迎・観光ガイドなどの予約・手配
  • エステ、マッサージなどの予約
  • 緊急時の現地病院などの案内
  • パスポートの紛失・盗難時の手続き案内

・トラベルデスクラウンジ

このカードを含め、オリコのゴールドカード会員はハワイにある「トラベルデスク ホノルルラウンジ」と、シンガポールにある「トラベルデスク シンガポールラウンジ」を同伴者4名まで無料で利用できる。ラウンジでは、ソフトドリンクの無料サービスが提供される。

・オリコカード共通のトラベル優待

その他、以下のオリコカード共通の優待を利用できる。

サービス名 内容
海外オリコパッケージツアー
割引サービス
各旅行会社のパッケージツアーが同行者も含めて
3%~最大8%オフ
国内オリコパッケージツアー
割引サービス
各旅行会社のパッケージツアーが同行者も含めて
3%~最大5%オフ
海外レンタカー予約サービス ハーツレンタカーが5%オフ、
ダラーレンタカーが15%オフ
国内レンタカー予約サービス ニッポンレンタカーが約5%オフ
日産レンタカー、オリックスレンタカー、
タイムズカーレンタルが5%オフ
三菱レンタカーが20%オフ
手荷物宅配サービス 空港-指定場所間の手荷物宅配が
成田空港で10%オフ、
関西空港で100円引きになる
トラベラーズWiFi 海外用WiFiレンタルが5%オフ
海外お土産宅配サービス 海外旅行のお土産を事前に注文し、
帰宅に合わせて届けてくれるサービスで全品15%オフ

・Mastercardのゴールドカード会員向け優待

上記の2点に加えて、国際ブランドMastercardがゴールドカード会員向けに提供する優待として、

  • 海外用携帯電話
  • WiFiレンタルサービスの優待価格
  • 空港クローク(防寒具等一時預かり)優待価格
  • 国際線手荷物宅配優待サービス

などを利用できる。

メリット3,海外・国内旅行傷害保険とショッピング保険が付帯

付帯する保険について、詳細を解説していこう。

・旅行傷害保険は海外最高2,000万円、国内最高1,000万円

海外旅行傷害保険は、旅行代金をカードで支払ったかどうかにかかわらず適用される(自動付帯)。国内旅行傷害保険は、旅行代金をカードで支払った場合にのみ適用される(利用付帯)。補償金額などの詳細は、以下のとおり。

海外旅行傷害保険(自動付帯)

保険項目 補償金額
死亡・後遺障害 2,000万円
傷害治療費用 200万円
疾病治療費用 200万円
携行品損害 20万円
(免責:1事故3,000円)
賠償責任 2,000万円
救援者費用等 200万円

国内旅行傷害保険(利用付帯)

保険項目 補償金額
死亡 1,000万円
後遺障害 1,000万円

・ショッピングガード(ショッピング保険)

カードを使って購入した商品が、購入日より90日以内に偶然の事故で損害を受けた場合の保険。年間最高100万円まで補償される(免責金額:1品につき1万円)。

3,i Goldのポイント還元率は?実質0.6%、最大2.2倍も実現できる 

オリコ発行のクレジットカードのポイントサービスには「暮らスマイル」と「オリコポイント」があり、「i Gold」では前者が貯まる。その概要を見てみよう。

貯まるポイントと還元率は通常0.5%、実質0.6%

貯まるポイントは「暮らスマイル」で、クレジット支払い1,000円ごとに1ポイント(5円相当)が貯まる。ポイント還元率は0.5%。ただし、後述する「クラステージ」の特別加算により自動的に0.6%になるので、これが実質的なポイント還元率となる。ポイントの有効期限は獲得時期によって変わり、13ヵ月~最長24ヵ月だ。

なお、「暮らスマイル」は「オリコポイント」へ移行できる。「オリコポイント」の有効期限は12ヵ月なので、「オリコポイント」へ移行すると有効期限は最長で3年になる。

ポイントの使い道 オリコポイント経由で交換対象がさらに広がる

「暮らスマイル」1ポイント(5円相当)→「オリコポイント」5ポイント(5円相当)のレートで交換できるほか、各種賞品、ホテル宿泊プラン、ディナープラン、各種ギフト券なども交換できる。

「暮らスマイル」の交換対象(一部抜粋)

ポイント交換対象 必要ポイント数 交換対象単位
オリコポイント 1P 5P
聘珍楼 横濱本店 3,600P ペアディナー2名分
京料理 古都梅/祇園美登幸 2,200P ペアランチ2名分
中禅寺 金谷ホテル 1万1,000P 平休日ペア宿泊プラン(1泊2食付)
伊豆長岡ホテル天坊 6,400P
ナガシマスパーランド 3.100P 1日フリーパス+湯あみの島ペア入場券
TOHOシネマズ 400P 映画鑑賞券1枚
マックカード 450P 2,000円分
UCギフトカード 1,100P 5,000円分
図書カードNEXT

なお、他社ポイント(Tポイント、楽天ポイント、Pontaポイント、WAONポイント、dポイントなど)、オンラインクーポン(Amazonギフト券、App Store & iTunes ギフトカード、Google Play ギフトコードなど)、航空マイル(JAL、ANA)などへは、「オリコポイント」を経由すれば交換できる。

ポイント還元率をアップの2つの方法 年間200万円以上の利用で1.1%還元に

2つのポイント還元率アップ方法(利用額ボーナスとポイントサイト経由)は、ぜひ活用したい。

・方法1,「クラステージ」の適用で最大還元率1.1%に!

「クラステージ」とは、年間のショッピング利用累計金額に応じてステージが決まり、ポイント付与率が最大2倍までアップする仕組み。さらに、「i Gold」では特別加算として0.2倍分が加算されるため、最大で2.2倍になる。

ステージ決定条件とそれぞれのポイントアップ倍率は、以下のとおり。なお、「暮らスマイル」が貯まるカードが複数ある場合は、その利用額の合計でステージが決定される。

クラステージのステージ別ポイントアップ倍率

年間利用累計金額 ステージ名 ポイントアップ倍率
(還元率)
200万円以上 ステージ200 2.2倍(1.1%)
100万円以上 ステージ100 1.9倍(0.95%)
50万円以上 ステージ50 1.7倍(0.85%)
50万円未満 ノーマル 1.2倍(0.6%)

利用金額の集計期間は誕生月の翌月から翌誕生月の1年間で、その後1年間のステージが決定される。ただし、集計期間の途中でもステージ条件を満たした時点で「クラステージ」のポイントアップが適用される仕組みなので、効率的にポイントを貯められるはずだ。

・方法2,ネットショップは「オリコモール」経由すると最低0.5%加算

ネットショッピングの際は、ポイントサイト「オリコモール」を経由することでポイント還元率を上げられる。クレジット利用ポイントのほか、ショップごとに設定されたポイント(0.5%~)を獲得できる。ただし、ショップごとの特別加算ポイントは「暮らスマイル」ではなく「オリコポイント」だ。

Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング、じゃらん、Apple公式サイト、ビックカメラ.comなど主要なショップが登録されているので、ネットショッピングの際は経由することを忘れないようにしたい。

4,「i Gold」の3つのデメリット――空港ラウンジなし、MasterCard一択、通常還元率の低さ

年会費が格安なだけあって、他のゴールドカードと比較すると物足りない点もいくつかある。

デメリット1,空港ラウンジサービスが付帯しない

一般的なゴールドカードに付帯していることの多い空港ラウンジサービスは、このカードには付帯していない。航空機の利用が多く空港ラウンジを使いたい人にとっては、物足りない印象のカードといえるだろう。

デメリット2,国際ブランドをMasterCardしか選べない

MasterCardは加盟店が多いので、国内であっても海外であっても、使えなくて困るというケースは少ない。しかし、すでにMasterCardブランドのカードを持っている場合、国際ブランドがかぶってしまう。

デメリット3,基本の還元率が低い

「i Gold」の基本のポイント還元率は0.5%(実質0.6%)とあまり高いほうではない。同じオリコ発行の年会費無料カード「Orico Card THE POINT(オリコカード ザ ポイント)」が通常1%還元であることと比べると、ポイント還元によるお得を第一に考える人には向かないだろう。

5,「i Gold」はどんな人におすすめ?空港ラウンジサービスよりもロードサービスという人に

デメリットを逆に考えると、空港ラウンジサービスよりもロードサービスのほうを必要とする人にはおすすめできる。また年会費が初年度無料ということを考慮すると「初めてのゴールドなので、トライアルで持ちたい」という人にも適している。

なるべく多くポイント還元を得たいと思うなら、サブカードではなくあくまでもメインカードとして利用する必要がある点には注意したい。

ロードサービス、初のゴールド、メインカード使用といって3点に合致する人であれば、税込3,300円という年会費は十二分にリーズナブルなものとして感じられるはずだ。

 

モリソウイチロウ
執筆・モリソウイチロウ
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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