健康被害審査部会で認定された疾病と症状

第5回までに認定されたのは、すべて、アナフィラキシーあるいは急性アレルギー反応であったが、6回目以降からその他の疾病や症状についても認定されている。アナフィラキシー・急性アレルギー反応以外で認定された疾病や症状を下記に示す。

【アナフィラキシー・急性アレルギー反応以外で認定された疾病、症状】

血圧上昇、血管迷走反射、過換気症候群、不随意運動、脱力発作、意識消失発作、全身けいれん、顔面ミオクローヌス、急性胃腸炎・低カリウム血症・手指の硬直、全身性紅斑・発熱・体動困難、急性腹症疑い、悪心・頭痛・腕のしびれ、蕁麻疹、頭痛・悪心、洞性頻脈・手の震え、下痢・嘔吐・頭痛・脱水、多形滲出性紅斑、めまい・嘔気・頭痛・握力低下、高血圧性緊急症、肩関節周囲炎、頸部リンパ節炎、顔面神経麻痺、末梢神経障害、発熱・肝機能異常、発熱・脱力・歩行困難

疾病名ではなく、血圧上昇、悪心、頭痛、腕のしびれといった非重篤副反応で見られる症状のみでも認定されており、認定のハードルは高くはないようだ。一方、6月現在で死亡一時金は178件申請されているが、審査会で審議の対象となったのは7件のみで、これまでのところ全例保留になっている。

海外とりわけ韓国と比較すると、わが国ではコロナワクチン接種後の健康被害に対する救済制度が活用されていないことは歴然としている。問題がどこにあるかを、明らかにすることが、本制度の活用を図るにあたっての第一歩と思われる。

なお、今回の論考では、大韓民国政策ブリーフィングで韓国疾病管理庁が2022年6月9日に配信した資料と厚生労働省ホームページ、疾病・障害認定審査会資料を参照資料とした。

文・小島 勢二

文・小島 勢二/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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