安い駄菓子といえば、10円や5円で買えたチロルチョコや5円チョコを思い出す人も少なくないだろう。あのチロルチョコや5円チョコは今、いくらだろうか。

3つ山だった初代チロルチョコ

チロルチョコの歴史は1962年までさかのぼる。福岡県田川市に本社を置く松尾製菓が、新設したチョコレート部門「チロル」のブランド名で販売を開始した。

実は、販売当初のチロルチョコはなじみの1つ山の正方形型ではなく、1つ山の正方形が3つ連なった3つ山だった。日本が高度経済成長期に入っていたとはいえ、チョコは子どもが日常的に口にする食べ物ではなかった。

「子どもがお小遣いで買えるチョコ」を作るというコンセプトのもと、初代チロルチョコの値段は10円に設定された。

オイルショックを契機に1つ山10円のチロルチョコ誕生

ところが、1973年のオイルショックで原材料費が高騰。チロルチョコは値上げを余儀なくされた。1976年には30円まで値上げしたが、値上げに伴い売れ行きは落ち込んだ。

「チロルチョコは10円」という原点に立ち返えるため、価格を再度10円に戻した。それとともに、原材料費が高騰する中でも値下げを実現するため、3つ山を1つ山にした。1つ山10円のチロルチョコが誕生したのは1979年のことだ。

バーコード印刷のためひと回り大きい20円チロルチョコに

こうしてオイルショックを切り抜けたチロルチョコだが、新たな課題に直面する。主な販売先だった駄菓子屋が減少し、コンビニエンスストアでの販売に転換する必要に迫られた。

コンビニでチロルチョコを販売するには、包装紙にバーコードを印刷しなければならない。しかし、従来のチロルチョコの大きさでは小さすぎてバーコードを印刷できない。そこで、チロルチョコをひと回り大きくし、バーコードを印刷できるようにしたのだ。

これに伴い、チロルチョコは1993年からコンビニで、1つ20円で販売されるようになった。そして2022年8月、原料や包装資材の価格高騰を理由に29年ぶりの値上げを発表。税抜き参考価格は、20円から23円に上がった。

5円チョコは袋売りのみ、1個当たり10.5円?

5円チョコもかつては駄菓子屋で、文字通り5円で販売されていた。しかし、チロルチョコと同様、駄菓子屋の減少で販売先をコンビニやスーパーに転換しなければならなくなった。

2007年に5円での単品売りは終了し、今は袋売りのみだ。2022年9月11日時点で、アマゾンでは10袋1,680円で販売されていた。

1袋に換算すると168円で、1袋につき16個の5円チョコが入っていると仮定すると、1個当たりの価格は10.5円となる。

今も「子どもがお小遣いで買える」が・・・

原材料費の上昇や販売形態の変化で、チロルチョコと5円チョコの値段は当初よりも高くはなった。だが、今なお10円や20円で購入できることを考えると、「子どもがお小遣いで買える」チョコレートのままと言えるだろう。

しかし、昔のような価格で販売されていないことも確かだ。

文・MONEY TIMES編集部

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