投資のノウハウを簡単に学べるとして人気を集めている投資系YouTuberやインフルエンサーが増えている。無資格で「投資助言」をすることは違法ではないのか。グレーな側面も多いこの問題、一般的にはどう解釈されているのだろうか。

投資知識への関心が後押し

いまや著名人が多く参加し、数十万人ものフォロワーを抱えるインフルエンサーも多いYouTubeやSNS。株式投資や資産運用を始める人が増える昨今、インターネット上にはさまざまな種類の投資系動画やSNS投稿があふれている。

本来、投資助言とは何か

そもそも投資助言とは、金融商品取引法によると、有価証券の価値等または金融商品の価値等の分析に基づく投資判断に関し、口頭、文書その他の方法により助言を行うことを約し、相手がそれに対し報酬を支払うことを約する契約(投資顧問契約)を締結して助言を行うこと、と定義されている。

対価として報酬を得る行為は「投資助言業」に該当する。投資助言・代理業を行うには、金融商品取引法に基づき登録が必要となるのだ。

万が一、無登録で営業した場合、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはその両方を科すと定められている。

「不特定多数」で「無料」がカギ

全てがこれに該当するわけではない。金融庁が定めた監督指針によれば、「不特定多数を対象に、不特定多数が随時に購入可能な方法で投資判断を提供すること」は例外とされている。当てはまるのは以下の3つだ。

・新聞、雑誌、書籍等の販売
・投資分析ツール等のコンピュータソフトウェアの販売
・金融商品の価値等について助言する行為

つまり、インターネット上で無料公開しているホームページなどは当てはまらない場合が多い。会員登録などの必要がなくいつでも自由にアクセスでき、不特定多数が随時情報を入手できる状態の場合、投資助言業に該当しないと考えられている。

ただし、投資対象の有価証券の種類や銘柄、売買のタイミングまで踏み込んだ助言を行い、対価として報酬をもらうのであれば別だ。

YouTubeの場合は?

不特定多数に無料公開しているYouTubeはどうだろうか。広告などにより報酬を得ている場合は投資助言に該当する恐れも出てくる。投資顧問契約は契約書を交わす必要はなく、一方が対価を得ている時点で契約が成立していることになる。

会員向けでなければ、違法性は低いとされている。ただ、売買のタイミングを知らせるシグナル配信などは、有料であれば違法と解される可能性が高そうだ。登録自体が無料であっても、FX業者から報酬をもらっている個人などが自動売買システムを配布する行為も違法となりそうだ。

全て違法とはいえないが・・・

投資助言はグレーゾーンも多く、摘発が難しいケースもあるとされる。YouTubeやSNSは賢く使えば、自分のためになる。ところが、特に投資関連情報を発信する場合は違法性をはらむ恐れがあるので、注意が必要かもしれない。

文・MONEY TIMES編集部

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