公共料金など毎月支払う固定費について、ポイントを獲得できる支払い方法を選ぶことはポイ活手法として広く知られている。では、クレジットカードとQRコード決済ではどちらがお得なのか?ここでは、一部決済方法におけるポイント還元率の改悪についても触れる。

税金や社会保険料もクレジットカード払いできる

電気代・ガス代など、毎月支払う固定費の多くはクレジットカード払いに対応している。水道代も一部自治体では、クレジットカード払いに対応。例えば、東京都水道局では上・下水道料金のクレジットカード払いが可能だ。Yahoo!公金支払い経由でも、水道料金の支払いができることがある。

電話料金やインターネットのプロバイダー料金もクレジットカード払いが可能で、毎月ポイントを獲得できる。所得税や法人税、自動車税などの各種税金や、社会保険料、生命保険料、損害保険料などの各種保険料もクレジットカード払いが可能だ。

ただし、税金や社会保険料は、納付時に手数料がかかったり、領収証が発行されなかったりするので注意したい。事前に納付専用サイトで確認したほうがいいだろう。

公共料金支払いにおすすめのクレジットカードは?

クレジットカードによる固定費支払いには、ポイント還元率の高いカードを選びたい。ポイント還元率は、0.5%が一般的、1%なら高いほうだと考えればよい。ただし、カードによっては、公共料金などの支払い分のみポイント付与率が低く設定されているものもあるので注意したい。

ポイント還元率の変更にも、注意が必要である。「楽天カード」では以前、1%のポイント還元率が公共料金の支払いにも適用されていた。しかし、2021年6月からは、公共料金(電気・ガス・水道)、税金(国税・都道府県税など)、国民年金保険料、Yahoo!公金支払いなどの支払いについて、500円につき1ポイントの付与(0.2%還元)に変更された。実に5分の1に減らされてしまったのだ。

そうしたことを踏まえた上で、固定費の支払いにおすすめのクレジットカードをいくつか紹介しよう。

リクルートカード

年会費無料の「リクルートカード」は、1.2%という屈指の高還元率を誇るクレジットカードだ。公共料金の支払いにも同じ還元率が適用されるので、広くおすすめできる1枚である。

dカード

年会費無料の「dカード」はポイント還元率1%で、公共料金の支払いにも同じ還元率が適用される。一方、年会費1万1,000円(税込)の「dカードGOLD」では、ドコモの携帯料金やドコモ光の料金が10%還元となる。ゴールドカードの取得を検討しているドコモユーザーは、まず検討すべきカードといっていいだろう。

Orico Card THE POINT

年会費無料の「Orico Card THE POINT(オリコカード ザ ポイント)」のポイント還元率は1%。公共料金の支払いにも同じ還元率が適用される。

QRコード決済はお得なのか?

QRコード決済の中には、振込用紙をスマホで読み取って支払う「請求書払い」ができるものがある。請求書払いが可能な主要QRコード決済について、クレジットカード払いと比べてお得なのかどうか見てみよう。

PayPay請求書払い

以前はポイント付与対象だったが、2022年4月以降は付与対象外となった。つまり、請求書払いはできるもののポイント還元は一切得られない。

d払い請求書払い

「d払い」の請求書払いは、ポイント付与対象外となっている。

LINE Pay請求書払い

ひもづけた「Visa LINE Payクレジットカード」(年会費無料)によるチャージ&ペイ(後払い)のみ0.5%のポイント還元が適用される。ただし、「Visa LINE Payクレジットカード」からの公共料金支払いは1%還元となるため、「LINE Pay」で支払うメリットはあまりない。

au PAY請求書払い

「au PAY」の請求書払いは0.5%還元となる。

ファミペイ請求書払い

「ファミペイ」の請求書払いでは、1件につき10円相当ポイントが付与される。

以上の内容から、QRコード決済よりも公共料金の支払いで1%還元となるクレジットカードを利用したほうがお得なことが分かる。

口座振替のほうがお得なことも

電気・ガス・水道などの料金は、口座振替により割引が適用されるケースがある。例えば、東京都水道局では口座振替により毎月50円が割り引かれる。そこで、1%還元のクレジットカードで支払う場合、月5,000円未満の料金であれば口座振替のほうがお得になる。

自分が利用している電力会社・ガス会社、水道局などの割引制度を調べ、どの支払い方法がお得なのか一度シミュレーションをしてみるといいだろう。

文・モリソウイチロウ(ライター)
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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