子どもの興味や可能性の幅を広げる習い事には、さまざまな種類がある。時間や費用に限りのある中で、どのような習い事をさせるべきか、親であれば悩みは尽きない。子育て世代は何を習わせているのだろうか。時代によるトレンドの変化はあるのだろうか。
何を習わせている?ランキングを発表
国内最大級の習い事メディア「SUKU×SUKU(スクスク)」は、子どもが現在通っている習い事とその理由についてのアンケートを実施した。対象は0〜12歳の子どもを持ち、習い事をさせたことのあるのべ1,027人の保護者で、複数回答が可能だ。調査期間は2022年3月18〜22日。
トップ3は不動の人気
ランキングは以下のようになった。
順位 | 習い事 |
---|---|
1位 | スイミング |
2位 | 英語教室 |
3位 | ピアノ |
4位 | 通信教材 |
5位 | 学習塾 |
6位 | 書道・習字 |
7位 | サッカー |
8位 | 珠算・そろばん |
9位 | 運動教室 |
10位 | ダンス |
1位は水泳、メリットは?
トップのスイミングは、20%以上の243人が習わせていた。習い事に選んだ理由としては「体力づくりのため」「最低限は泳げるように」などの声があがっている。トップ10にサッカーや運動教室、ダンスもランクインしていることから、子どもの頃からスポーツに慣れ親しんで体力をつけてほしい思いがあるのかもしれない。
中でも水泳は不動の人気で、習い事に関するさまざまな調査で30年以上、上位だ。水泳を習わせるメリットは、
・効率よく全身運動ができる
・水中ではけがをしにくい
・心肺機能が強くなる
・赤ちゃんからお年寄りまで、一生できる
などの点があげられる。
最近では、生後6ヵ月ごろからを対象とした「ベビースイミング」も流行だ。歩き出す前の赤ちゃんでも参加でき、幼いうちから始められる習い事としても魅力を集めている。
小学校で教科化の英語や、ピアノも人気
2020年度から、小学校5・6年生で英語が教科として導入された。中学受験でも英語を導入する私立中学が増えている。ランキング2位の英語教室に通わせる理由として「小さい頃から英語に慣れてほしい」という声があった。小中学校でスムーズに英語学習を始められるよう、英語教室の需要はこれからますます増えるだろう。
3位にランクインしたピアノを習わせている保護者からは、集中力や感性を伸ばしたいという理由があがっていた。1対1で指導してもらうケースが多いことや、発表会など努力を披露する場がある点も魅力的だ。音楽の感覚だけでなく、脳の発達にメリットがあるともいわれている。
習い事のトレンドは変化している?していない?
時代とともに人気の習い事も変化しているのだろうか。調査主体は異なるが、2011年のランキングを比較してみた。
2011年のランキングと比較
玩具メーカーの株式会社バンダイが2011年に行ったアンケートの「お子様がしている習い事」(3〜12歳の子どもの保護者1,500人が対象)では、習い事をさせている人のうち最も多いのが水泳、2位がピアノ、3位が英会話だった。1999年の同社のアンケートでも水泳、ピアノ、英会話は上位にランクインしており、これらは変わらない人気があると分かる。
2011年のその他の順位は以下だ。
順位 | 習い事 |
---|---|
1位 | 水泳 |
2位 | ピアノ |
3位 | 英会話 |
4位 | 書道 |
5位 | 学習塾 |
6位 | 体操 |
7位 | サッカー |
8位 | そろばん |
9位 | 空手 |
コロナ禍の影響?時代を表す4位
2022年のランキングで目を引くのは4位の「通信教材」とその理由だ。アンケートでは
・オンラインでできるから
・塾への送り迎えはできないが、学習習慣をつけてほしいから
・部活の合間に勉強ができる
・出かけられないが、月齢に合ったものが届く
などの声がある。
コロナ禍により、出かけたり対面指導の習い事に通ったりすることに不安を感じる人もいる。夫婦共働きの世帯が増える中で、習い事への送迎は親の負担が大きい。部活動や他の習い事が忙しいと、移動時間の確保が難しいこともある。通信教材は自宅で取り組める点がメリットだ。
小学校などでもタブレット端末の導入が進み、オンラインやタブレットでの学習が主流になりつつある。通信教材では紙だけでなくタブレットの教材も人気を集めている。
今後はどんな習い事が人気になる?
不動の人気を誇るスイミングや英語、ピアノの他、これからはどのような習い事が注目されるのだろうか。
必修化した「プログラミング」、大学受験対策も?
近年は、子ども向けのプログラミング教室などが多く開かれている。2020年度に小学校でプログラミングが必修化し、2025年からは大学入学共通テストで「情報」が試験科目に導入される予定だ。子どもの頃から興味を持ったり基礎を学んだりさせたいと考える人も多いのではないか。
運動、音楽どちらも経験できる「ダンス」
2022年の調査で10位に入ったダンスはバランスのよい全身運動で、リズム感や運動の基礎を身に付けさせたいという理由があがった。ダンスは2012年から中学の体育で必修化されている。以前に比べて習い事としても、メジャーになってきているようだ。
将来をイメージし、バランスよく
水泳やピアノなど、保護者自身も子どもの頃から慣れ親しんだ習い事と、通信教材やプログラミング、そしてますます重視される英語のように、社会環境や教育の変化によって注目されているものもある。ランキングから見えてきたのは、子どもの将来をイメージし、現在できることや興味に合わせた習い事を選ぶ傾向だ。
習い事を決めるポイントとしては、「通いやすい」「費用が安い」「教室の雰囲気がよい」などがあった。何を習わせるかも重要だが、送迎や価格、子どもが楽しめるかどうかのバランスも重視したい。
文・MONEY TIMES編集部
【関連記事】
・サラリーマンができる9つの節税対策 医療費控除、住宅ローン控除、扶養控除……
・退職金の相場は?会社員は平均いくらもらえるのか
・後悔必至...株価「爆上げ」銘柄3選コロナが追い風で15倍に...!?
・【初心者向け】ネット証券おすすめランキング|手数料やツールを徹底比較
・1万円以下で買える!米国株(アメリカ株)おすすめの高配当利回りランキングTOP10!