現在の低金利時代にあって定期預金のメリットは非常に小さい。だが、ネット専業銀行など一部銀行ではメガバンクの100倍以上の金利が適用されるので、これを上手に利用しない手はないだろう。ここでは、定期預金におすすめの銀行をいくつか紹介する。

メガバンクの定期預金の金利はわずか年0.002%

定期預金とは、期日まで出金できない代わりに普通預金よりも高い金利が設定される預金のこと。中途で解約するとかえって金利が下がってしまう。しかし、預金残高に余裕があり途中解約の可能性がないのなら、すぐに動かさなくていい金額を定期預金に回すことで普通預金よりも多くの利息を得られる。

ただし、三井住友銀行や三菱UFJ銀行、みずほ銀行といった3大メガバンクの定期預金金利は0.002%と非常に低い。

そこで注目したいのが、ネット専業銀行や地方銀行・信用金庫のネット専用支店の定期預金だ。それらの金融機関では、メガバンクよりもはるかに高金利の定期預金を提供していることがあり、100倍以上の利息を受け取れることがある。

定期預金金利で注目すべき銀行5選

ここでは、使い勝手を考えてネット専業銀行、あるいはネットバンキング主体の銀行のうち金利が高いものを5つピックアップして紹介する(金利は2022年8月12日現在)。比較を容易にするため、1年もの定期のみ紹介。金利は税引前のものを記載した。なお、期間限定のキャンペーンなどは考慮しない。

新生銀行

インターネット専用の「パワーダイレクト円定期預金」では、30万円以上を1年預けると年0.01%の金利となる。100万円以上を預けた場合は、利用状況に応じて決まるステージによって金利が異なり、1年ものでは、無条件に適用されるステージ「新生スタンダード」で年0.01%。「新生シルバー」以上のステージで年0.15%となる。

普通預金も含む預け入れ総資産の年間判定残高(12ヵ月のうち低い2ヵ月分を除いた平均預け入れ金額)が100万円以上であれば、新生シルバーへのステージアップが確定する。そこで、100万円以上をまず1年間普通預金で預けた後に定期預金に移行すれば、確実に年0.15%の金利が適用される。これはメガバンクの75倍の金利だ。

ステージアップ条件は複数あるので、そのほかの条件クリアにより新生シルバー以上のステージに達した場合は、口座開設後すぐに定期預金を組んでもいいだろう。

・スタートアップ円定期預金

30万円以上の定期預金を、口座開設月を含む3ヵ月目までに申し込むと1年もの定期で年0.3%の高金利が適用される。これはメガバンクの実に150倍の金利だ。

3ヵ月もの定期では、年1%とさらに高い金利が適用される。これは1年預けた場合に1%分の利息がつくという意味なので、3ヵ月分では預け入れ金額の0.25%分の利息となる。期間内であれば複数回申し込めるので、3ヵ月もの定期と1年もの定期を組み合わせてもいいだろう。

オリックス銀行

オリックス銀行の「eダイレクト預金 ~インターネット取引専用預金~」では、100万円以上を1年間預けると0.15%の金利が適用される。なお、預け入れ期間が長いほど金利は上がり、2年もので0.17%、3年もので0.22%、5年もので0.27%、7年もので0.3%となる。

より手頃なものに「2週間定期預金」がある。これは2週間だけ50万円以上を預けると、その間、年0.07%の金利が適用されるというものだ。

SBJ銀行

SBJ銀行は韓国の大手銀行である新韓金融グループの日本現地法人だ。外資系銀行ではあるが、預金保険制度の対象となる。預金者1人当たり元本1,000万円まで、そしてその利息などが保護されるので安心して使えると考えていいだろう。

通常の定期預金は1年もので年0.12%の金利となるが、100万円を上限とする1年もの定期預金「ミリオくん」では年0.2%、同じく100万円上限の2年もの定期預金「ミリオくん2」では年0.25%の金利となる。いずれもメガバンクの100倍以上の高金利だ。

ソニー銀行

ソニー銀行の「円定期預金」では、1年間の預け入れで年0.13%の金利が適用される。預け入れ金額にかかわらず同じ金利が適用され、1万円以上から預けられる。使い勝手のよい定期預金といっていいだろう。

au じぶん銀行

1年もの定期預金で年0.05%の金利が適用。金利はそう高くないが、1万円以上から預け入れできるので使い勝手がよい。なお、口座開設日から翌々月末までの期間中に「3ヶ月もの円定期預金」に申し込むと、その分には特別金利として年0.5%が適用される。

出金手数料に注意

以上、5行の定期預金金利をまとめると次のようになる(1年もの定期預金に100万円を預けた場合・2022年8月12日時点)。

銀行名 金利 メガバンクとの比較
新生銀行(新生シルバー以上) 年0.15% 75倍
オリックス銀行 年0.15% 75倍
SBJ銀行 年0.2% 100倍
ソニー銀行 年0.13% 65倍
au じぶん銀行 年0.05% 25倍
出典:各社公式サイトをもとに筆者作成

金利だけを見るとSBJ銀行が突き抜けているが、普通預金金利や各種手数料もよく考慮して選ぶべきだろう。特にネット専業銀行は、ATM出金手数料などの各手数料が高く設定されていることがある。

そうした観点から、常に100万円以上の預金額を維持できるなら、新生銀行はかなりおすすめだ。年間平均して100万円以上の預金があると「新生シルバー」のステージが適用され、金利は0.15%(1年もの定期預金)に。主要コンビニやイオン銀行のATMでの出入金が何度でも手数料0円となる。出金手数料を気にしなくていいというのは、大きなメリットといっていいだろう。

文・モリソウイチロウ(ライター)
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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