サウナの医学的効果と健康
フィンランドの伝統的なサウナでは、健康への影響やその効果に関する論文等も発表されています。
定期的なサウナの利用は、医学的に見て、さまざまな身体への効果や効能が期待できると言われています。フィンランドの人々は健康的な体づくりにサウナが欠かせないと言えるのではないでしょうか。
サウナの医学的効果について
- 高血圧・心臓病・脳卒中のリスク軽減
- 乾癬など皮膚疾患症状の改善効果
- 風邪や感染症リスクの軽減(免疫力の向上)
- 関節症(リウマチ等)などの疾患の痛みや症状の改善
- 頭痛症状や肩こりなどの筋肉の凝りの改善
- 呼吸器疾患(喘息・慢性の肺炎など)のリスク軽減
- 生活の質の向上
高温が健康効果のカギ
サウナは、高温の室内へ入ることで身体の温度が急激に上昇。この急激な温度の上昇が、身体のさまざまな機能に変化をもたらします。
フィンランドの研究者によると、定期的なサウナへの入浴は、消化器官の機能や呼吸・心臓などの身体機能を司る自律神経を安定させてくれるそう。これらの動きが促進されることによって、健康面への効果が期待できるのです。
サウナに入ることで出る健康物質
また、サウナに入ることでヒートショックプロテイン(HSP)というタンパク質が生まれます。
HSPは、通常のタンパク質の損傷を直してくれる性質があり、身体の細胞の再生を活性化。これが、免疫力を高めてくれたりや、細胞の修復を促進してくれる仕組みです。
このHSPは健康的な体づくりに欠かせない物質とも言えるでしょう。
サウナの安全な利用法
このように、サウナにはさまざまな身体への効果や効能があり、健康へつながることがわかりました。
しかし、これは健康な状態にある人がサウナによって効果が期待できるという結果に過ぎません。サウナに入る際には、体調の良い時にするなど注意が必要です。
飲酒した後や、服用している薬による体への影響がある場合などはサウナへ入浴は避けたほうが良いでしょう。基礎疾患がある方、体調に不安のある方はサウナを控える・医師に相談するなどしてから利用してください。
サウナの健康的な入り方
サウナに健康的メリットがあるとされる理由には、サウナの「温熱効果」にあります。では、サウナの効果を最大限に引き出し、健康的に入るにはどのようなことが必要なのでしょうか。
サウナの一般的な入り方を紹介していきます。
基本の1セット
せっかくサウナに入るなら、その健康効果を最大限に引き出しましょう。サウナに入る前にはまず体の汚れを落とします。
身体の汚れを落とすことで汗をかきやすくしたり、発汗時の不快感など軽減されるからです。
サウナに入る前にはしっかり体を拭いてから入りましょう。階段になっているサウナでは、最初はサウナの下段から始めます。サウナの上段は温度が高いので自身の健康や体調を見て調整しましょう。
サウナ健康法の目安
サウナの温度によりますが1回7〜15分を目安に、じんわり汗をかいてきたら一旦外に出ましょう。水風呂や外気浴をしてクールダウンし、水分の補給などで少し休憩をはさみます。
身体が落ち着いたらまたサウナへ入って過ごします。これを2〜3回繰り返しましょう。
繰り返しサウナへ入る理由は、熱い・冷たいを繰り返すこと。これにより交感神経と副交感神経に刺激を与え、サウナの健康への効果を発揮するひとつの理由となるからです。
健康へ繋がる水風呂と外気浴
サウナに入っても水風呂は冷たく感じる方も多いでしょう。水風呂に慣れない方は四肢を冷やしたりするだけでも大丈夫。少しずつ体を水風呂に慣らしてから入りましょう。
水風呂が苦手という方は、ぬるま湯で対応したり、外気浴だけでも十分クールダウンできます。体調や自身の健康状態に合わせてサウナを繰り返す回数や、水風呂や外気浴を調整してください。
身体への負担を減らす方法
サウナは急激に温度が上昇するため、血圧などに影響することも。血圧に不安のある方などは、いきなりサウナに入るのは避けた方が良いでしょう。
お風呂で少し体を温めてからサウナに入ると血圧の急上昇を防ぎ、安全。また、サウナの後すぐ冷たい水風呂に入ると心臓に負担がかかり、血圧が上がる危険な場合も考えられます。
一気に水風呂に入ると血管も急速に収縮、それにより血流を良くする効果もありますが、健康的な入り方には十分に注意が必要です。