目次
3C分析との違い
SWOT分析のやり方
 ・外部環境の分析を行う
 ・PEST分析
 ・ファイブフォース分析(5フォース分析)
 ・内部環境の分析を行う
クロスSWOT分析を行う
 ・「Strength:強み」×「Opportunity:機会」
 ・「Strength:強み」×「Threat:脅威」
 ・「Weakness:弱み」×「Opportunity:機会」
 ・「Weakness:弱み」×「Threat:脅威」

3C分析との違い

SWOT分析と同じく自社の現状を分析するフレームワークとして3C分析があります。

大きな違いとして挙げられるのは、SWOT分析が自社目線からマーケティング戦略を立案していくのに対し、3C分析は顧客目線からマーケティング戦略を立案していくことです。

自社目線からマーケティング戦略を立案していく場合、自社の利益優先で戦略立案が進行するため、顧客の利益は考慮されません。

そのため顧客のニーズとかけ離れたマーケティング戦略が自社内で次々と進行し、そのまま確立してしまう可能性が高まります。

逆に顧客目線からマーケティング戦略を立案していく場合、自社の利益は後回しとなりがちです。

そのためしっかりと利益率を確保したマーケティング戦略を立案しないと、仮にヒット商品を生み出しても大して利益に結びつかないばかりか、中長期的には赤字になる可能性も出てきます。

どちらも一長一短があり、どちらがよいというわけではなく両視点からバランスの取れたマーケティング戦略を考えていくことが重要なのです。

SWOT分析のやり方

SWOT分析を効率的かつ効果的に行うには、以下の手順で行っていきます。

・ 外部環境の分析を行う
・ 内部環境の分析を行う
・ クロスSWOT分析を行う

外部環境の分析を行う

はじめに外部環境「Opportunity:機会」「Threat:脅威」の分析から行い、市場動向や経済情勢、競合他社の動きなどを把握していきます。

マーケティング戦略を行う上で、どのような企業も外部環境の影響を少なからず受けることは不可避であり、内部環境の分析を行う前に自社が外部環境から受ける包括的な影響をある程度把握しておく必要があります。

「Opportunity:機会」の分析においては、ビジネスフレームワークのひとつである「PEST分析」を用いて行います。PEST分析は自社に影響を与えるマクロ環境を分析する際によく活用されるフレームワークです。

一方で「Threat:脅威」の分析においては、同じくビジネスフレームワークのひとつである「ファイブフォース分析(5フォース分析)」を用いて行います。ファイブフォースは「5つの脅威」を指し示し、これらミクロ環境が自社にどのような影響を与えるのかを分析していきます。

・ PEST分析
・ ファイブフォース分析(5フォース分析)

PEST分析

PEST分析は以下4つの頭文字を取った略語で、自社に影響を及ぼすマクロ環境を分析していきます。

・ Politics  :政治
・ Economy :経済
・ Society  :社会
・ Technology:技術

自社でコントロールできないマクロ要因を把握することができます。

ファイブフォース分析(5フォース分析)

一方、ファイブフォース分析(5フォース分析)では、自社に直接的に影響を及ぼすミクロ環境(5つの脅威)に対する分析を行っていきます。

5つの脅威とは以下5項目のことを指します。

・ 新規参入の存在
・ 売り手(サプライヤー)の交渉力
・ 買い手(顧客)の交渉力
・ 代替品の存在
・ 競合他社の存在

ファイブフォース分析を行うことで、自社を取り巻く脅威を客観的に把握できます。

内部環境の分析を行う

次に内部環境「Strength:強み」「Weakness:弱み」の分析を行っていきます。自社における強みや弱みを分析し、余すことなく挙げていきます。

内部環境はその企業の経営資源をはじめ、マネジメント力、ブランド力など総合的な企業力に依存する要因が多いため、簡単に改善することは困難なものの、自社内である程度コントロールが効く領域でもあります。

そこで重要なのが自助努力により自社の「強み」を伸ばし「弱み」を改善していくことです。自社における強みと弱みの見つけ方のポイントとしては以下のようになります。

■強みの見つけ方とは
常に顧客目線から客観的に自社を評価する癖をつけると、自ずと自社が顧客に喜ばれている理由が把握できるようになってきます。

「顧客はなぜうちの商品を購入してくれるのか」「先方はなぜうちの会社と取引を続けてくれるのか」といった顧客目線から、常に判断を行うのがポイントです。

■弱みの見つけ方とは
「弱みは強みの裏返し」とよく言われるように「強みの見つけ方」同様、顧客目線から判断していくことにより、自社に足りない部分や欠落している要素が浮き彫りとなってきます。

また、自社商品やサービスに対する否定的な意見や自社に届いたクレームなどを読み返し、原因を追求することも効果的です。

このような声を受け入れず、聞き流してしまう企業も多い中、お叱りの言葉と捉え改善していくことにより、業績が伸びていった企業も多くあるのです。

クロスSWOT分析を行う

SWOT分析により自社の強みと弱み、機会や脅威が分析できたら、最後に「クロスSWOT分析」を行っていきます。

SWOT分析では上図SWOT分析の図において、縦軸と横軸で分析しますが、クロスSWOT分析では項目をクロスして掛け合わせることにより、自社が選択すべき戦略を見出すことができます。

SWOT分析とは?やり方や分析例を図とテンプレート付きで簡単に
(画像=『MarkeTRUNK』より引用)

クロスSWOT分析では新たに4つのパターンに分けられます。

・ 「Strength:強み」×「Opportunity:機会」=SO「++:積極的戦略」
・ 「Strength:強み」×「Threat:脅威」=ST「+-:差別化戦略」
・ 「Weakness:弱み」×「Opportunity:機会」=WO「-+:改善戦略」
・ 「Weakness:弱み」×「Threat:脅威」=WT「--:防衛戦略」

「Strength:強み」×「Opportunity:機会」

「Strength:強み」×「Opportunity:機会」に自社の現状が当てはまる場合は「++」の要素となり、自社が取るべき戦略としては「積極的戦略」となります。

内部環境と外部環境の両環境がプラスという非常に恵まれた局面において、自社は強気な戦略が取れるという判断が下せます。

こういったケースでは、自社の持つ強みや長所を更に伸ばせるような戦略を立案していきます。

「Strength:強み」×「Threat:脅威」

「Strength:強み」×「Threat:脅威」に自社の現状が当てはまる場合は「+-」の要素となり、自社が取るべき戦略としては「差別化戦略」となります。

内部環境がプラスで外部環境がマイナスという局面において、自社の持つ強みや長所でいかにコントロール不可能な領域を切り抜けていくかを考察します。

例えば、自社に優位性のある技術開発を行ったり、他社には真似のできない自社だけの流通チャネルを確保したりするなど、他社との差別化を図るような戦略を立案していきます。

「Weakness:弱み」×「Opportunity:機会」

「Weakness:弱み」×「Opportunity:機会」に自社の現状が当てはまる場合は「-+」の要素となり、自社が取るべき戦略としては「改善戦略」となります。

内部環境がマイナスで外部環境がプラスの場合、市場は良好であると予想できるため、自社がその市場において、いかに影響力を発揮できるか否かが焦点となります。

内部環境がマイナスの場合、自助努力によりある程度改善が見込めるため、「社内体制を立て直す」「マーケティング戦略を見直す」などの「改善戦略」を選択します。

「Weakness:弱み」×「Threat:脅威」

「Weakness:弱み」×「Threat:脅威」に自社の現状が当てはまる場合は「--」の要素となり、自社が取るべき戦略としては「防衛戦略」となります。

内部環境も外部環境もマイナスである場合、その市場における自社の立ち位置としては、非常に厳しいと判断せざるを得ません。

自社に弱みがあるうえ、外部環境をも味方につけることができないのであれば、無理をせず守りに徹する「防衛戦略」を選択するか、もしくは事業撤退を考えるのもひとつの手です。