FIFAの「D」が、ファンの「D」にならないワケ
FIFAの「Desire」は、すでにみなさんお気づきですよね。国内外のメディアで繰り返し商業主義と指摘されているように、約10億ドル(約1300億円)とも言われる経済規模の拡大が「Desire」になっていると言えるでしょう。
この「Desire」、ファンには全く歓迎されていません。実はFIFAの歴代要職者は「お金」にまつわる悪いエピソードをいくつも提供しています。
もちろん、お金にクリーンな要職者もいるのですが、目立つ方が目立つところで悪いエピソードを展開してきました。そのため、「FIFAとお金」には世界のサッカーファンは少々呆れ気味なのです。
要するに、経済規模の拡大はFIFAとビジネスチャンスとしてW杯に投資するスポンサー企業には間違いなく魅力的な「Desire」ですが、サッカーを愛するファンには魅力的な「Desire」になる要素は欠片(カケラ)もないのです。お金にまつわる悪いエピソードにガッカリしてきた世界のファンは経済規模の拡大が、自分たちが愛するサッカーの発展に結びつくようには見えないのです。FIFAに共感できないファンが増えることでしょう。
「踊る阿呆に、見る阿呆。同じ阿呆なら…。」という幸せの法則
ですが、このレギュレーションはもう変わりません。世界的に最も熱くなれるイベントに「がっかり」したまま注目するのは残念すぎます。
イベントは楽しんだものが「勝者」なのです。「踊る阿呆に、見る阿呆。同じ阿呆なら、踊らにゃ損、損!」という古い言葉ではありませんが、イベントは楽しく参加しなければ「損」なのです。これは日本人が代々受け継いできた幸せの法則とでも言うべきものです。
サッカーは本来、「誰でも参加できる、楽しめる」のが魅力です。FIFAの行き過ぎた「D」は「がっかり」をもたらしました。ただ、その是正は、然るべき権限のある方々にお任せしましょう。そして、私たちはAIDAの法則で「これまで以上に楽しむ、熱く参加する」ための私たちの「D」を見つけ出そうではありませんか。
実は、日本サッカーの発展の歴史にはそのためのヒントが隠されています。
そこで第2弾、第3弾では、私たちの日本代表の軌跡を参考に、W杯48チームという新レギュレーションが私たちのどのような「D」を刺激し得るのか、心理学でさらに詳しく検討してみたいと思います。
心理学で、みんなでもっとW杯にワクワクできますように!!そして、このシリーズの第2弾、第3弾をお楽しみに!!
文・杉山 崇/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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