トレーニングジムに行けば、必ずと言っていいほどに用意されているラットプルダウン用マシン。体の中でも面積の広い背筋を重点的に鍛えられますが、効果を得るためにはコツをしっかりと押さえて取り組みましょう。今回は、ラットプルダウンの効果や正しいやり方を解説しますので、理想的な男らしい背筋を目指しましょう。
目次
ラットプルダウンとは
ラットプルダウンで鍛えられる部位
ラットプルダウンとは
「男らしく、たくましい背筋を手に入れたい」と思うのなら、ラットプルダウントレーニングは欠かせません。背中にある大きな背筋を鍛えられるトレーニングですが、まずはどんなメニューなのかを解説します。
背筋に効果大なマシントレーニング
ラットプルダウンは、マシンを使って行う背筋を中心として鍛えるトレーニングになります。プルダウン用のマシンは上部からバーが吊り下げられており、これを握って下に引くことで、反対側にある重りを負荷として持ち上げます。
トレーニングとしても定番ですので、フィットネスジムなどでもどこに置いてあってもおかしくないほど、ラットプルダウン用マシンは採用されていますし、簡単に取り組み始められます。
パンプアップ、ひいてはバルクアップを目指している方にとって、逆三角形の体型は憧れるものであり、それには育った背筋が欠かせません。背中をまんべんなく鍛えられるので、理想のボディの為には欠かせないトレーニングとも言えます。
ラットプルダウンと懸垂(チンニング)の違い
背中の筋肉を鍛えられるトレーニングと言えば、別のメニューもあります。チンニングとも言われている、懸垂が該当します。懸垂は自分をバーの上に持ち上げ、ラットプルダウンはバーを下げて重りを上げるという逆の動作をしています。
背筋を鍛えているのは一緒ですが、どんな違いがあるのかと言えば、トレーニングとしてのジャンルがまず異なっています。懸垂は自分の体の体重、すなわち自重を負荷として取り組むものであるのに対し、ラットプルダウンではマシンで負荷を設定して行います。
この負荷の設定というのが最も大きな違いであり、トレーニングジャンルで言えばラットプルダウンはウェイトトレーニング、懸垂、チンニングは自重トレーニングに該当しています。
懸垂は自分の体重を負荷として取り組むもので、器具などは使わずぶら下がれればどこでも取り組める反面、自分の体重以上、以下の付加調節が出来ないので、筋力不足や体重が重めの人にとっては比較的難易度が高くなります。
これに対して、ウェイトトレーニングであるラットプルダウンでは、マシンを用いて行います。用意する必要がある分、負荷は軽いところから重いところまで自由に設定させられるのです。
この内、初心者が取り組む場合に推奨されているのは、負荷調節が簡単にできるラットプルダウンです。また、正しいフォームで取り組めているかも確認しつつ行えるのも利点です。
ラットプルダウンで鍛えられる部位
ラットプルダウンがどんなトレーニングなのかを、簡単にではありますが解説しました。基本的には背中を鍛えるトレーニングであるという解釈で合っていますが、具体的にどんな部位が鍛えられるのでしょうか?
鍛えられる部位①広背筋
まずは、広背筋が鍛えられます。主に脇の下から脇腹までを覆っている筋肉で、逆三角形の形状をしています。その形状通り、逆三角体型やくびれのあるボディを目指したい場合、非常に重要な筋肉になります。
広さで言えば、様々な筋肉が無数に集まっている人体の中でも最大面積を誇り、小さな筋肉を鍛えるよりも広背筋をしっかりと鍛えたほうが、体の見た目に大きな変化が出やすいのです。
そんな広背筋は、体を動かす中でも特に肩関節全体の動きを担っています。手を外に広げる肩関節の内転、体の後ろに持って行く伸展、内側に曲げる内旋と、肩関節部分の動きに作用しています。
肩の関節の動きにおいて大きく関係している広背筋ですが、基本的に肩甲骨の動きと連動しています。それゆえに、ラットプルダウン時には肩甲骨を使って、動いているのを意識しながら取り組むのが効果的とされています。
鍛えられる部位②僧帽筋
続いては、僧帽筋です。こちらは背中の特に上部に位置している筋肉になり、首から肩甲骨、そして背骨の中ほどまでを覆っています。こちらは首周りや肩甲骨の動きを担っていて、頭を後ろに下げる頸部伸展がその1つです。
更に、肩甲骨を上下させ、同じく肩甲骨を内側に寄せたり、外に開く内転の動作を行います。総じて肩をすくめたり、首を後ろに倒すとき、また背伸びなど胸を張る動作で使われています。
上部と中部、そして下部の3部分のパートに分けられていて、鎖骨を狙い目にしてバーを引くトレーニングであるラットプルダウンにおいては僧帽筋下部を、頭の後ろ側に引くビハインドラットプルダウンでは、上部が鍛えられます。
僧帽筋全体が衰えると、肩こりや猫背の原因になるとも言われています。単に背筋が強化されるだけではなく、姿勢を良くしたり肩こりなどの防止にも繋げられるという訳です。
鍛えられる部位③大円筋
大円筋、という筋肉もラットプルダウンで鍛えられます。聞き馴染みが無いかもしれませんが、肩甲骨と上腕骨を結んだ肩甲骨下あたりに位置している筋肉で、広背筋と同じく肩関節の内転や伸展、内旋に関与しています。
中でも特に、腕を体側や内側に引き寄せる動作の際に用いられていて、ラットプルダウンをする中では同じ肩関節を動かすのに関係している広背筋をサポートする筋肉として使われます。
この大円筋を鍛えると、腕を用いるスポーツにおいてのパフォーマンス力向上、そして生活をしている中での腕への負担減少といった効果が得られますし、他のトレーニングに取り組む際もサポートをしてもらえます。
比較的小さめの筋肉であるために意図せずダメージを負わせてしまいやすい部位でもあります。それゆえに、余計な傷をつけない様、正確なフォームでトレーニングをするべきです。
鍛えられる部位④上腕三頭筋
そしてもう1つ、上腕三頭筋も鍛えられます。広背筋や僧帽筋など、上3つとは違って背筋に数えられる筋肉ではなく、二の腕に位置していて上半身の筋肉の中でもかなり大きめな部類に入ります。
こちらも肩の関節に作用している他、肘関節の伸展、すなわち腕を伸ばしたり、押す動作の際に使われます。ラットプルダウンでは腕でバーを使って上下する動作があるので、背筋と同じく鍛えられるのです。
特に、プルダウンバーを握る際の手の間の幅を広くすればするほど、より上腕三頭筋にかかる負荷が高まりますので、背筋と併せて効率的に鍛えられます。上腕を鍛えられるトレーニングは他に多くある中、ラットプルダウンでも十分に刺激を与えられます。