韓国で尹錫悦(ユン・ソンニョル)新政権が発足してまもない2022年7月6日、 “韓国版CIA”元トップの2人告発された。

2人は文在寅(ムン・ジェイン)前政権時代に国家情報院(韓国版CIA)のトップを務めた徐薫(ソ・フン)氏と朴智元(パク・チウォン)氏。詳しくみていこう。

徐薫(ソ・フン)氏の罪状

徐薫(ソ・フン)氏は、国家情報院法違反(職権乱用罪)と虚偽公文書作成罪など。徐氏は、2019年に北朝鮮住民の2人が乗る漁船が韓国軍に拿捕され、住民が北朝鮮に送還された事件について行われていた合同調査を、早期に強制終了させた疑いをかけられている。

事件当時、2人は漁船の乗組員16人を船内で殺害後に海上で逃走しており、「脱北者」として亡命の意思を示していた。

しかし、凶悪犯罪者は韓国の国内関連法にもとづく保護の対象にならず、かつ、国際法の「難民」として認められることもないとの理由で北朝鮮に送還されている。

朴智元(パク・チウォン)氏の罪状

朴智元(パク・チウォン)氏は、国家情報院法違反(職権乱用罪)、公用電磁記録等の損壊罪など。朴氏は、2020年9月に北朝鮮軍が黄海上で韓国の男性公務員を射殺した事件について、諜報関連の報告書などを無断で削除した疑いをかけられている。

2020年の中間捜査結果では海洋警察によって「男性公務員が自らの意志で北朝鮮に渡ろうとしていた」との判断が示された。しかし、2022年6月の最終捜査結果では「断定できる根拠が見つからなかった」として中間捜査結果の判断が否定された。

なお、朴氏は告訴の内容を「事実無根」と反論している。

“韓国版CIA“元トップが告訴された背景

2人の“韓国版CIA”(国家情報院)元トップの告訴が相次いだ背景には、5月の政権交代を機に現政権による前政権時代の不正疑惑捜査が本格化したことが挙げられる。

徐氏、朴氏、いずれも前政権時代にトップを務めていた。そこで、現政権は前政権における重要人物2人の不正疑惑に目を付け、彼らの告訴を今後の捜査の弾みにする狙いがあるとみられる。

告訴された元トップの裁判の行方はもちろん、今後の不正捜査の行方からもしばらく目が離せない状況が続くだろう。

文・大岩楓

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