MINIコンパニオンを用いたウェルカム・シナリオ
新たに開発されたMINI Concept Acemanのユーザー・エクスペリエンスは、デジタル技術によって可能になったもので、走り出す前からエクステリアとインテリアを流れるように移行する光と音の総合的な体験が得られる。こうして、クルマのさまざまな状態や、乗員とのインタラクションを、強く体感することができる。ヘッドライトとラジエター・グリル・エレメント、セントラル・インターフェースと投影内容が、見事な調和を示しながら連動する。

MINI初クロスオーバータイプの電気自動車「MINI Concept Aceman」発表
(画像=『Moto Megane』より引用)

エクステリアのライト・ショーには、センサーを用いたアニメーションであるMINIコンパニオンも含まれている。MINI Concept Acemanに人が近づくと、車両前方の光の雲によって追跡され、近づくにつれて光が明るくなる。同時に、車外のスピーカーからは、音量がクルマとユーザーとの距離に連動したインタラクティブなサウンドが流れる。クルマをロック解除すると、グリル表面のマトリクスLEDユニットによってユニオン・ジャックの図柄が表示される。同時に、グリル・エレメントの周囲が光り、右ヘッドランプのLEDマトリクスが親しみをこめてウィンクする。

MINI初クロスオーバータイプの電気自動車「MINI Concept Aceman」発表
(画像=『Moto Megane』より引用)

光のアニメーションに伴って、明快なサウンド・シーケンスが奏でられる。これは4つの音色で構成され、各音色がMINIというブランド名のアルファベット1文字を表現している。このシーケンスは、視覚的な「アイコン」と同じように、一定の事象や情報を表す固定的なシンボルとして機能することから、「イヤコン」と呼ばれる。

ドアを開けると、入口付近のフロアにカラフルなグラフィック画像が投影される。同時に、セントラル・インターフェースの丸型ディスプレイには、これに対応する最大画素での放射状の「カラー・バースト」が表示され、さらにルーフ・ライニングからダッシュボードとドア・パネルに向けても同様の多色投影が行われる。このウェルカム・シナリオを完全なものにするために、ディスプレイには「Hey Friend」という文字が表示され、スフェリカル・サウンドが展開される。このサウンドでは、おしゃべりの声と音楽シーケンスが重なりあって、なごやかな出会いの雰囲気がつくり出され、これから始まる走りでは、これがさらに発展される。

先進的なカラーと素材を用いたインテリアのデザイン
MINI Concept Acemanでは、すっきりとしたインテリア・デザインに、特別に開発されたカラー・スキームと素材スキームが組み合わされている。この雰囲気は、サステイナビリティを意識して選ばれた、革新的で高品質な素材によって高められている。最小限に切り詰められたドア・パネルとダッシュボードでは、魅力的なカラー・コントラストが目を惹く。ここでは、カーキ・グリーンをベース・カラーとして、周囲には少し青みがかったライト・グレーの再生ポリエステル製ニット織物を配し、精密に装飾シームが施されている。

MINI初クロスオーバータイプの電気自動車「MINI Concept Aceman」発表
(画像=『Moto Megane』より引用)

シートは、ヘッドレストを一体化した、控えめな形状となっている。素材だけでなく、カラーリングやグラフィック・パターンにも細心の注意が払われている。シートの座面は、フラット・ニット、ベルベット・ベロア、ワッフル織りの布地と、凹凸感のある千鳥格子柄、それに刺繍によるXとOのグラフィックが特徴で、生き生きとした立体的な表情を見せている。現代デザインの表現に関する、織物に秘められた大きな可能性を示しているという点でも、MINI Concept Acemanは革新的となっている。

ギア・セレクターやパーキング・ブレーキのスイッチ類を移動したことで、運転席と助手席の間のスペースが増大している。このスペースを活用したフレキシブルなセンター・コンソールは、透明でまるで空中に浮いているよう見え、リヤ・エリアまで伸びている。センター・コンソールの表面には、収納スペース、スマートフォンのワイヤレス充電ステーション、カップホルダーを自由に配置するなど、多くの用途に使うことができる。