セントラル・インターフェースとトグル・スイッチ: デジタルとアナログのMINIらしい調和
ダッシュボードは、特に中央では車内に張り出しており、インストルメント・クラスターと車載モニターの全機能を1つの丸型有機ELディスプレイに集約したセントラル・インターフェースとして、完璧な形状となっている。大型スクリーンの下には、伝統を踏まえてトグル・スイッチ・バーが備わっている。最先端のデジタル化を用いたタッチ・コントロールと、物理的スイッチを用いたアナログ機能が、見違えることのないMINI特有のユニークな方法で組み合わされている。

設計し直されたトグル・スイッチでは、パーキング・ブレーキの操作、ギアの選択、ドライブの作動と停止、エクスペリエンス・モードの選択、オーディオ・システムの音量調整を行うことができる。それぞれのトグルは、ロータリー・ノブまたはトグル・スイッチとして個別に設計されており、きわめて直感的に操作可能となっている。

丸型の有機ELディスプレイを用いた革新的なユーザー・インターフェース
MINI独特のディスプレイは、従来のセントラル・インターフェースに新しい解釈を加えたもので、操作性が新たな高みに達している。セントラル・インターフェースの全面を占める丸型の有機ELディスプレイは、自動車メーカーとしてはMINIが世界で初めて発表したものである。有機ELディスプレイは特に高画質で、鮮明なコントラストと深みのある黒を表現することができる。また、このユーザー・インターフェースには、まったく新しいグラフィック表示、現代的なレイアウト、魅力的なデザインのウィジェットが採用されている。量産仕様車に搭載されるディスプレイと制御システムのベースとなるのは、最新世代のMINIオペレーティング・システムで、これは初めてAndroidオープン・ソース・プロジェクト(AOSP)ソフトウェア・スタックに構築される。これにより、かつてないほど充実したデジタル機能が車内で可能となっている。

MINI初クロスオーバータイプの電気自動車「MINI Concept Aceman」発表
(画像=『Moto Megane』より引用)

セントラル・インターフェースを超えて広がる表示領域も、見どころのひとつである。動画投影により、制御システムのコンテンツをダッシュボード全体に転送し、ドア・パネルにまで及ぶユニークなデジタル体験が得られる。輪郭のはっきりした地図から、雲の散乱したイメージまで、投影によって無限の表現が可能である。投影のカラー・スキームと照明の雰囲気に伴って、適切なサウンド・シーケンスが奏でられる。

3つの新しいエクスペリエンス・モードによる充実した車両体験
革新的なエクスペリエンス・モードは、MINI Concept Acemanの車内でのドライビング体験を個別化・個性化する新たな可能性を生み出している。エクスペリエンス・モードは、セントラル・インターフェース・パネルと車内投影を通じた特定の表示と色の世界、およびこれと調和したサウンド・ステージを組み合わせたものである。

「パーソナル・モード」を使うと、自分の好みで選んだ画像モチーフを有機ELディスプレイに転送することができる。この斬新な形のパーソナライゼーションをさらに完全なものにするために、ダッシュボードに、たとえば雲の形、海の波、水泳プールのきらめく水面などの動画を投影することができる。選択された投影にあわせ、適切なバックグラウンド・サウンドが流れる。

「ポップアップ・モード」では、イベント性の高いナビゲーションと嬉しい驚きが得られる。ユーザーが選択したカテゴリーに基づき、適切なナビゲーションの目的地が提案され、そこまでのルートが有機ELディスプレイとダッシュボードへの投影によって表示される。たとえば「アドベンチャー」カテゴリーでは魅力的なレジャー活動、「おいしい」では人気のレストラン、「トレンド」目的地では現在開催中のイベント会場を選ぶことができる。体験への期待をいっそう高めるために、各カテゴリーにふさわしいサウンドが奏でられる。

「ビビッド・モード」では、有機ELディスプレイでの表示範囲と隣接する表面をインタラクティブにデザインすることができる。この画期的なエンターテインメント機能は、信号待ちなどの短い空き時間や、高電圧バッテリーの充電中にも利用することができる。セントラル・インターフェースのタッチ・ディスプレイにタッチするだけで、「Aceman」のロゴマークからカラーの「アルファベットの泡」をつくり、ダッシュボード上で左右に移動させることができる。このアルファベットは独自の運動アルゴリズムを持ち、投影の中で互いに作用しながら、重なりあったり、流動的な図形や図柄を形成したりする。ユーザーとクルマの相互作用によって、実験的なサウンドのリズムがたえず変化し、このビビッド・モードの娯楽的な側面が強調されている。