目次
戸籍謄本による関係の証明も必要
 ・親子間における相続放棄の場合
 ・役所やコンビニなどで取得
申述後に必要な書類
 ・相続放棄の照会書が届いた場合
 ・債権者から証明書を求められた場合

戸籍謄本による関係の証明も必要

相続放棄の必要書類とは。親子間のケースを例に解説
(画像=『RENOSYマガジン』より引用)

相続放棄の手続きでは、「戸籍謄本」が必要です。戸籍謄本とは、戸籍に記録されている全員の内容を証明するもので、「戸籍全部事項証明書」ともよばれています。

親子間における相続放棄の場合

相続放棄の手続きでは「相続人と被相続人の関係性を証明する目的」で、戸籍謄本を提出します。申述人が「被相続人の子」であれば、用意する戸籍謄本は以下の2つです。

  • 被相続人の死亡が記載された戸籍謄本
  • 申述人(子)の戸籍謄本

「被相続人の死亡が記載された戸籍謄本」に、申述人の名前が記載されている場合は、「申述人(子)の戸籍謄本」を取得する必要はありません。

配偶者以外の相続人には「相続の順位」があります。被相続人の子が第1順位、父母・祖父母が第2順位、兄弟姉妹が第3順位となり、上位順位がいない場合に下位順位に相続権が移行するルールです。

被相続人の父母・祖父母・兄弟姉妹が申述する場合は、上の順位の相続人がいないことを証明しなければなりません。例えば、被相続人の子が他界しており父母に相続権が移る場合、被相続人と他界した子の出生時から死亡時までの戸籍謄本が必要です。

誰が申述人になるかによって、取得すべき戸籍謄本の数や範囲が異なる点に注意しましょう。

役所やコンビニなどで取得

戸籍謄本は、本籍地の役場(市役所・区役所・町役場など)で取得できます。本籍地と居住地が離れている際は、郵送による取得も可能です。

被相続人の本籍地がわからない場合は、「住民票の除票」を確認しましょう。最後の住所地のほかに、前住所や本籍地も記載されています。

なお、エリアによっては「コンビニ交付」が活用できます。市区町村が発行する各種証明書を全国のキオスク端末(マルチコピー機など)で取得できるサービスで、利用には「マイナンバーカード」が必要です。

現住所と本籍地が異なる場合、キオスク端末またはICカードリーダーを装備したパソコンで事前申請を行います。申し込みから取得までは5日ほどかかるため、余裕を持って申し込みをしましょう。

参考:コンビニエンスストア等における証明書等の自動交付【コンビニ交付】 | 本籍地の戸籍証明書取得方法

申述後に必要な書類

相続放棄の必要書類とは。親子間のケースを例に解説
(画像=『RENOSYマガジン』より引用)

相続放棄は、相続放棄申述書を提出すれば終わりではありません。相続放棄の照会書が届いた場合は回答をし、相続放棄申述受理通知書を受け取って初めて相続放棄が成立します。

相続放棄の照会書が届いた場合

相続放棄申述書と必要書類を提出すると、約1~2週間後に「相続放棄の照会書(回答書)」が送付されるケースがあります。内容は、相続放棄する意思や被相続人の死亡を知った日、相続放棄の理由の確認など、基本的な事項が中心です。

事実の通りに回答をし、家庭裁判所に返送しましょう。内容が長くなりそうな場合は、別紙を添付することも可能です。不備や誤りがないように記入し、速やかに返送しましょう。

内容に問題がなければ、数週間後に「相続放棄申述受理通知書」が郵送され、相続放棄の手続きは完了です。

債権者から証明書を求められた場合

相続放棄を行うのは、被相続人に借金や債務があったケースが大半です。相続放棄が受理されると、被相続人の一切の財産を放棄したことになり、仮に借金があっても支払いの義務は生じません。

ただ、債権者には相続放棄をした事実が通知されないため、自分宛に督促状が届くケースがあります。債権者に相続放棄の事実を証明するよう求められた際は、「相続放棄申述受理通知書のコピー」を送付しましょう。

相続放棄申述受理通知書の再発行はできません。原本を渡したり、紛失したりしないように注意が必要です。