目次
フィードバックの手法
効果的なフィードバックを行う7つのポイント
フィードバックの手法
フィードバックにはいくつかの手法、フレームワークがあります。それぞれ適した状況や使い方が異なるため、一人ひとりに合ったもの、状況に合ったものを選びましょう。
【フィードバックの手法】
- SBI型
- サンドイッチ型
- ペンドルトンルール
- FEED型
- KPT型
SBI型
SBI型は、ポジティブフィードバックにもネガティブフィードバックにも使える手法です。SBIとは次の頭文字を取ったもので、これらを軸に、具体的な指摘をしたいときに適しています。
SBIとは?
- Situation(状況):その行動や言動をしたとき、どんな状況だったか?
- Behavior(行動):どんな行動や言動をしたのか?
- Impact(結果):その行動や言動によりどんな影響があったか?
「状況→行動→結果」と順序立ててフィードバックをするため、相手にとって納得しやすく、何が良くて何が悪かったのかも理解しやすいです。
サンドイッチ型
サンドイッチ型は、「褒める→指摘→褒める」の流れで行うフィードバックです。パンとパンで具を挟むサンドイッチのように、ポジティブなフィードバック(褒め)でネガティブなフィードバック(指摘)を挟むことから、サンドイッチ型と呼ばれます。
ポジティブなフィードバックで挟むことで、ネガティブな指摘も受け入れやすくなります。モチベーションダウンを抑えながら、具体的な指摘ができる手法です。
ペンドルトンルール
ペンドルトンルールは、次の流れに沿って、対話形式で進めるフィードバックです。
ペンドルトンルールの流れ
- 話す内容について確認する
- それについて、良かった点を伝え合う
- どうすればもっと良くなるか、改善点を出し合う
- 改善のために取るべき行動を決め、承認してもらう
- フィードバックの内容について振り返る
流れが決まっているため取り組みやすく、お互いにアイデアを出したり承認を受けたりしながら進めるため、納得感も得られます。
FEED型
FEED型は、相手の行動をベースにフィードバックを進める手法です。特定の行動に注目してフィードバックできるため、ピンポイントで改善したいことがあるときに適しています。
FEEDは次の単語の頭文字を取ったもので、上から順に確認や指摘をしていきます。
FEEDとは?
- Fact(行動):フィードバックの対象となる行動の確認
- Example(理由):なぜフィードバックするのかの理由
- Effect(影響):その行動によってどんな影響があるか
- Different(別の案):改善するために何ができるのか、代替案を提示
KPT型
KPT型は、続けるべきことと改善すべきことを同時にチェックできる手法です。KPTは次の頭文字を取ったもので、週単位のような、短期的な振り返りに適しています。
KPTとは?
- Keep(継続):やって良かった、続けるべきこと
- Problem(問題):現状の問題点や課題
- Try(試み):問題解決のためにすべき試み
効果的なフィードバックを行う7つのポイント
効果的なフィードバックを行うには、相手にとってのわかりやすさ、納得感が大切です。そのために重要なのが、次の7つのポイントです。
効果的なフィードバックを行うポイント
- 未来や目標と関連付けて話す
- タイムリーに行う
- 実現可能で具体的な内容をフィードバックする
- 客観的な事実に基づいて行う
- 信頼関係を築く
- ネクストアクションを明確にする
- 継続的に行う
ポイント1.未来や目標と関連付けて話す
効果的なフィードバックを行う1つ目のポイントは、「未来や目標と関連付けて話す」ことです。何のためにフィードバックをしているのか、フィードバックで決めたことに取り組むと何が得られるのか、未来と紐付けることで、相手がイメージしやすくなります。
ポイント2.タイムリーに行う
効果的なフィードバックを行う2つ目のポイントは、「タイムリーに行う」ことです。相手の行動や言動について、なるべく早めにフィードバックしましょう。時間が経つと自分が何を、どんな意図だったのかを忘れてしまいます。
相手の意図を正しく把握できないと、ズレた内容のフィードバックになってしまうでしょう。
ポイント3.実現可能で具体的な内容をフィードバックする
効果的なフィードバックを行う3つ目のポイントは、「実現可能で具体的な内容をフィードバックする」ことです。
フィードバックで提示した改善策や代替案がとても実現できないようなものでは、取り組む意欲が起こらないでしょう。抽象的なフィードバックでは、次に何をしたらいいのかがわかりません。
ポイント4.客観的な事実に基づいて行う
効果的なフィードバックを行う4つ目のポイントは、「客観的な事実に基づいて行う」ことです。フィードバックは実際の行動や言動、成果などを振り返りながら行います。起こったことを客観的に捉えられないと、本質的な問題は見えてこないでしょう。
ポイント5.信頼関係を築く
効果的なフィードバックを行う5つ目のポイントは、「信頼関係を築く」ことです。相手との信頼関係がなければ、その行動にどんな意図があったのか、本音で話してもらえないかもしれません。本当の意図がわからなければ、正しい振り返りも改善策の提示もできないでしょう。
フィードバックで決めた「次にやること」を実行してもらうときにも、信頼関係は重要です。「期待に応えたい」「次のフィードバックを有意義にしたい」と思ってもらえるよう、普段のコミュニケーションも大切にしましょう。
ポイント6.ネクストアクションを明確にする
効果的なフィードバックを行う6つ目のポイントは、「ネクストアクションを明確にする」ことです。
「積極的に取り組む」「主体性を持って取り組む」などは重要なフィードバックのようにも思えますが、何を持って主体性を持って取り組めたのかを判断しにくくなります。
「アポイントを前週比120%行う」など、結果が事実として判断しやすいものをネクストアクションとして指定しましょう。
また、「AをしたらBをする」「Bの次はCをする」のように、何を、どんな順番で進めればいいのか具体的に示すことも重要です。何をするのか明確だと、一つひとつの取り組みの「間」が短くなります。
ポイント7.継続的に行う
効果的なフィードバックを行う7つ目のポイントは、「継続的に行う」ことです。フィードバックは1回で終わらせず、継続的に取り組みましょう。一度にたくさんのことを改善しようとするのではなく、ひとつずつ、確実に改善していく意識が大切です。