フィードバックを行う目的・効果
フィードバックには次のような効果があります。フィードバックを適切に取り入れ、効果を高めるために、どのような目的に合った手法なのかを把握しておきましょう。
【フィードバックを行う目的・効果】
- 人材育成のため
- 目標達成のため
- 生産性、パフォーマンスの向上のため
- モチベーションの向上のため
- 自己理解を促進させるため
目的1.人材育成のため
フィードバックの1つ目の目的は「人材育成」です。従業員の行動や言動をもとに行われるフィードバックは、一人ひとりに合った指導を行えるため、効率的・効果的な育成手法として注目されています。
目的2.目標達成のため
フィードバックの2つ目の目的は「目標達成」です。従業員が実際に行ったことにスポットライトを当てるフィードバックなら、短期間での効果が期待できます。目標に向けて施策や業務に取り組む中で、都度フィードバックをすれば、達成確率は高まるでしょう。
目的3.生産性・パフォーマンスの向上のため
フィードバックの3つ目の目的は「生産性・パフォーマンスの向上」です。フィードバックでは結果だけでなく、結果にいたるまでの過程も振り返ります。どうすればより短時間で、より高い成果を出せたのか、従業員それぞれに合った改善点が見えてくるでしょう。
目的4.モチベーションの向上のため
フィードバックの4つ目の目的は「モチベーションの向上」です。1対1でのコミュニケーションを基本とするフィードバックでは、従業員に自己効力感(自分の力で目標を達成したり、状況にいい影響を与えたりできるという感覚)や、「大切にされている」という感覚を与えられます。
一人ひとりに合った方法を模索することもできるため、「これならできる」「この施策は意味がある」と思ってもらいやすいです。
目的5.自己理解を促進させるため
フィードバックの5つ目の目的は「自己理解の促進」です。1対1でコミュニケーションを取り、一人ひとりの従業員に対して振り返りやアドバイスを行う過程で、従業員は自分のことを深く理解していきます。
自分の強みや弱み、組織内でのポジションを理解したメンバーが増えれば、チームとしてのより効率的で効果的な動き方も見えてくるでしょう。
フィードバックの種類
フィードバックには「ポジティブフィードバック」と「ネガティブフィードバック」の2種類があり、それぞれ、従業員(フィードバックの受け手)に対してどのような表現を用いるかが異なります。
「どちらが優れている」「この従業員には、こちらの手法で」というものではなく、両方を組み合わせながらフィードバックをすることが大切です。
ポジティブフィードバック
ポジティブフィードバックとは、従業員に対してポジティブな表現を使う方法です。相手の承認欲求を満たしながら改善や成長を促すため、モチベーションや自己効力感の向上にもつながりやすいです。
基本的にはポジティブフィードバックを軸に、人材育成を進めていきます。従業員一人ひとりの「強み」を育てていく方法なため、効果が出るのも早いでしょう。
ただ、具体的な課題や改善点を示すのには向かず、ネガティブフィードバックを適宜織り交ぜることも必要です。
ネガティブフィードバック
ネガティブフィードバックとは、従業員に対してネガティブな表現を使う方法です。行動や言動のどこが間違っているのか、指摘され否定されなければ、問題に向き合うのは難しいでしょう。弱みや課題に具体的に触れられるため、短期間での改善が期待できます。
ただ、ネガティブフィードバックはモチベーションや自己効力感を下げることにもつながりかねません。使い方や行う対象の選び方には、慎重になるべきです。
高い主体性を持つ人材や、リーダークラスの人材を育てるのに適しています。