これから紹介するの8つの事柄は、いずれも私たちが日常的に行うことのできるものだ。薬物などに手を出さずに、自然に体内のテストステロン値を高めたいと思うなら、以下の事柄をひとつでも多く実践してみよう。

心得1: 定期的に運動する

定期的に運動を行うことは、体内テストステロンのレベルを高める上でとても有用である。その場合の運動は種類を問わない。もちろんウエイトトレーニングもいいし、有酸素運動、あるいは特定の競技でも構わない。どんな運動であっても、定期的に行うことでテストステロンの増加につながるのだ。ただし、一点だけ注意すべきことがある。運動のやりすぎだ。どんな運動もやりすぎれば副腎への負担が大きくなり、副腎から分泌されるテストステロンの量を抑制することになるので注意したい。なぜこのような反応が起きてしまうか。それは、体が持つ防御反応のひとつだからだ。運動のしすぎは心臓へのストレスとなり、それを防ぐためにテストステロンの分泌量が抑制されると言われている。一定の時間内に過度な運動をやりすぎてしまうというのは、例えばエクストリームスポーツと言われる超過酷な競技を行うアスリートによく見られる。週に4回、1回あたり1時間程度のウエイトトレーニングを行ったり、30〜45分間の有酸素運動を週3回の頻度で行う程度なら全く問題はない。トレーニングを行っていて何だか力が出なくなってきた、体が弱くなったと感じるような場合はオーバートレーニングに陥っている可能性が高い。そのようなときはテストステロンの分泌が抑制されていると考えられるので、トレーニングスケジュールを見直し、まずは十分に疲労回復のための休養を取るようにすることが賢明だ。

心得2:ストレスを軽減する

生きていれば誰だってさまざまなストレスにさらされる。原因は仕事だったり、人間関係だったり、学校の勉強だったりするわけだが、いずれにしてもストレスのない生活などないのだ。しかし、少しでもストレスを軽減するための努力はできるはずだ。なぜストレスを軽減したいのか。それは、ストレスがテストステロンのレベルを抑制してしまうからである。実際、ストレスが溜まっていると感じるとき、私たちは何だか力が出ず、意欲が低下してしまい、先頭に立って物事に挑もうという気にはならないはずだ。これらの症状はテストステロン値が低下しているときにも見られることである。つまり、ストレス過多の状態はテストステロン値が低下した状態なのだ。テストステロン値は十分に休息が取れて、ストレスをあまり感じないときのほうが高く保たれる。朝に目覚めたとき、さわやかな気分が味わえていたり、元気いっぱいでやる気に満ちているとき、私たちの体内ではたくさんのテストステロンが分泌されている。この状態こそが筋発達に理想的な体内環境なのである。