コロナ禍で様々な企業が業績を落としている中、イオンのGMS(総合スーパー)事業がなんと9年ぶりの黒字となっている。イオンの黒字には様々な理由があるが、そのひとつにイオンの生き残りのための戦略がある。

ここでは、イオンのGMS(総合スーパー)事業が9年ぶりの黒字になった理由について解説する。

コロナ禍なのに9年ぶりの黒字 イオンの現況とは

はじめに、コロナ禍であるにもかかわらず、黒字になっているイオンの現況について見ていこう。

イオンの2023 年2月期第1四半期の決算資料(2022 年3月1日~2022 年5月31日)によると、営業収益(収入高)が約2兆2,000億円、本業の営業利益が約438億円、経常利益が約443億円だった。

前年同期では、営業収益(収入高)が約2兆1,500億円、本業の営業利益が約391億円、経常利益が約403億円だったことを考えると、前年同期よりも上昇している。本業の営業利益では、前年比12.0%増である。

この数字は、あくまでイオンの連結決算における数字だが、イオンが好調の要因のひとつが、GMS(総合スーパー)事業の黒字化である。GMS(総合スーパー)事業は、2014年2月期以来の黒字化となっている。

イオンのGMS(総合スーパー)事業黒字化の要因とは

では、イオンのGMS(総合スーパー)事業が黒字化となった要因は何だろうか。最も大きい要因といえば、過去2年間における構造改⾰である。イオンでは、過去2年間において、徹底して「在庫削減」「在庫回転率向上」「固定費の圧縮と変動費化」に取り組んだ。本年度になってその効果が表れたのである。イオンによると、黒字化の要因は次のように分析されている。

売上は、堅調な⾷品売上に⾐料の回復が重なり増収となった。売場の変⾰が成果を出しているといえる。

荒利益については、⾐料の売上改善だけでなく、過去2年間の構造改革で、在庫回転率の向上や売変削減ができ、改善となった。

経費については「固定費の圧縮と変動費化」に取り組んだ結果、⽔道光熱費の上昇を生産性改善諸施策により吸収し削減できた。

2年前というと、新型コロナウイルスの影響が出始めたころである。イオンは、新型コロナウイルスの影響拡大を見込んで構造改革を行っていたことになり、それが黒字化につながったといえる。

イオンの好調は今後も続くと予想される

イオンの好調は、GMS(総合スーパー)事業の構造改革の黒字化が大きいといえる。構造改革は、新型コロナウイルスの影響拡大を見込んで2年前から取り組んだものだが、それが今期になって出始めている。

本格的に構造改革の成果が出るのは、これからと予想される。このことから、イオンの好調は今後も続くと予想されるだろう。

文・はせがわあきこ

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