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相続放棄申述書の書き方
「申述の理由」欄を記入する

相続放棄申述書の書き方

相続放棄申述書を提出すると取り消せない? 注意点と記入のポイント
(画像=『RENOSYマガジン』より引用)

相続放棄申述書には、「提出先の家庭裁判所」「申述人」「被相続人」に関する情報を記入します。特に申述人と被相続人に関しては、戸籍謄本や住民票の除票と照らし合わせながら、正しい情報を記入しましょう。

提出先の家庭裁判所名と記名・押印

相続放棄申述書の最初の方には、提出先の家庭裁判所名を記入する欄があります。相続人の居住エリアにある家庭裁判所ではなく、「被相続人が最後に住んでいた住所を管轄する家庭裁判所名」を記入しましょう。裁判所のウェブサイトの「裁判所の管轄区域」で検索できます。

被相続人の最後の住所地がわからない場合は、役所の窓口で「被相続人の住民票の除票」を取得したうえで確認します。「住民票の除票」とは、転出や死亡により住民登録が消除された住民票のことです。

被相続人の住民票の除票は、相続放棄手続きの必要書類でもあるため、早めに取得しておくとよいでしょう。

「申述人の記名・押印の欄」には、申述人が記名(署名)して押印します。日付の欄には、家庭裁判所に提出する年月日を記入しましょう。

申述人

「申述人」の欄には、「相続放棄をする人(自分自身)」に関する情報を記入します。

  • 本籍(国籍)
  • 住所・電話
  • 氏名
  • 生年月日
  • 職業
  • 被相続人との関係(子・孫・配偶者・直系尊属・兄弟姉妹・おいめい・その他)

「申述人の氏名」は、戸籍謄本と同じ表記で記入します。斎藤や渡邊など、漢字表記が複数あるものは、記入ミスに注意が必要です。「職業」の項目には、「会社員」「自営業」「公務員」「パート」「学生」などと記すだけで構いません。

「被相続人との関係」とは、被相続人から見た関係のことです。当てはまる関係を選択しましょう。

被相続人

「被相続人」の欄には、「財産を残して亡くなった人」の情報を記入します。被相続人の戸籍謄本や住民票の除票を見ながら、一つずつ正確に記入しましょう。

  • 本籍(国籍)
  • 最後の住所
  • 死亡当時の職業
  • 氏名
  • 死亡年月日

「最後の住所」とは、被相続人が亡くなったときに住民登録していた住所で、住民票の除票に記載があります。死亡当時に仕事をしていなかった場合は「無職」と記入して構いません。

「申述の理由」欄を記入する

相続放棄申述書を提出すると取り消せない? 注意点と記入のポイント
(画像=『RENOSYマガジン』より引用)

「申述の理由」の欄には「相続の開始を知った日」「相続放棄をする理由」「相続財産の概略」の3つを記入します。記入時のポイントと注意点を確認しましょう。

相続の開始を知った日

「相続の開始を知った日」は、自分が相続人になったことを知った日付を記入します。相続放棄の期限はこの日から3カ月間が原則なので、相続人がいつ事実を知ったのかは非常に重要です。

被相続人と同居している人であれば、「被相続人の死亡日=相続の開始を知った日」になるケースがほとんどですが、被相続人と疎遠である場合は、「連絡を受けた日」が相続の開始を知った日になるでしょう。

また「先順位者の相続放棄」によって、自分が相続人になった事実を知る人も少なくありません。この項目は選択式となっており、以下の4つから当てはまるものを選びます。

  • 被相続人死亡の当日
  • 死亡の通知を受けた日
  • 先順位者の相続放棄を知った日
  • その他

放棄の理由

「放棄の理由」は選択式ですが、「その他」を選択して具体的な理由を記述することも可能です。

  • 相続人から生前に贈与を受けている
  • 生活が安定している
  • 遺産が少ない
  • 遺産を分散させたくない
  • 債務超過のため
  • その他

相続に関わりたくない、親戚ともめたくないという場合は、「その他」の欄に素直な理由を記載して構いません。

放棄の理由で重要なのは、自分の意思で相続放棄を選択しているかどうかという点です。相続放棄するかどうかは本人の自由なので、「関わりたくない」と書いたからといって、却下されることはありません。

逆に、誰かからの強迫によって相続放棄をする場合は、申述が認められない可能性が高いでしょう。

相続財産の概略

「相続財産の概略」の欄には、自分が引き継ぐ分だけでなく、被相続人が残した以下のようなすべての財産を記入します。プラスの財産はもちろん、借金などのマイナスの財産も含めましょう。

  • 農地
  • 山林
  • 宅地
  • 建物
  • 現金・預貯金
  • 有価証券
  • 負債

あくまでも概略なので、正確な数字がわからなくても問題はありません。どんな財産がいくらあるのかまったくわからない場合は不明と記載するか、空欄で提出しましょう。