2022年6月下旬、SNSで元舞妓の女性が内部事情を告発、世間をにぎわせた。舞妓のことを、華やかな日本の伝統文化としてとらえていた人にとっては、かなりショッキングだったのではないだろうか。今回は、元舞妓の告発騒動の顛末を振り返りつつ、相撲や歌舞伎など、日本の伝統文化の抱える「闇」についてまとめた。

元舞妓の未成年飲酒問題

2022年6月26日、Twitterに投稿された元舞妓Aさんの、以下のツイートが数多くリツイートされ、トレンドにも登場した。

「この世から抹消されるかもしれんけど、これが舞妓の実態。当時16 歳で浴びるほどのお酒を飲ませられ、お客さんとお風呂入りという名の混浴を強いられた(全力で逃げたけど)。これが本当に伝統文化なのか今一度かんがえていただきたい」(Twitter @kiyoha_xxxより引用)

このツイートは、2022年7月16日現在で12万のリツイート、1.3万の引用ツイート、31.3万件の「いいね」を集めている。

また、飲酒の証拠として、元舞妓Aさんは客と一緒にワイングラスを傾けている当時16歳だった自身の写真も投稿している。

さらに、「5,000万円で処女を売られそうになった」「身八つ口から手を入れられて胸を触られることも、個室で裾を広げられてお股を触られたこともあります」とのツイートもあり、舞妓として経験した性被害について赤裸々に告発した。

花街関係者によると、このツイートがあった翌日から、客からのキャンセルが相次いだという。また、現役の舞妓たちが「ほんまのことやから、ばらされても仕方がない」などと肯定的な思いを抱いているようだ、とも語った。

告発後には怖い忠告電話も

また、元舞妓は、告発ツイート投稿後、「しばらくの間携帯電話の着信が鳴りやまなかった」とも告白している。携帯番号を知らないはずの人からも電話が入り、「京都はこわいところだ。危険じゃないか?」「おとなしく家庭に引っ込んでろ」と言いたいことだけ言って切れる脅迫めいた電話もあり、恐怖を感じているとのことだ。

今回の騒動で、日本の伝統文化「舞妓」の世界に巣食う闇を感じた人も多いだろう。しかし、日本の伝統文化の闇は、舞妓の世界だけに留まらない。

舞妓以外にも…日本の伝統文化の象徴・相撲の闇

少し前にさかのぼるが、2018年2月には、日本の伝統文化の象徴ともいえる相撲でも、深い闇があると報じられた。この年2月2日に理事選があったが、この選挙を通じ、伝統を口実とし、昔からずっと続けてきた問題のある利益分配構造を温存している実態が見られた。

口実の「伝統」とは、理事候補を一門ごとに調整、票をまとめることだ。選挙制度は有名無実化しており1968~1996年までの15期30年は無投票。10人の理事枠は5つの一門(当時)に、2人ずつ均等に振り分けられてきた

一門で均等に利益を分配する構造により、一門の利益を優先し、各部屋も一門制の秩序の中で、安定した利益分配を実現している。今の状態は、「一門」という個人的な集まりに対し、協会の正式な機能や権限を持たせる状態であり、時代に逆行した「闇」として問題となった。

歌舞伎界にはびこる不倫の闇

華やかな歌舞伎の世界にも、「不倫」という闇がはびこっている。現代でも、歌舞伎役者の不倫報道に事欠かない。

例えば、歌舞伎俳優・中村芝翫は4度目の不倫疑惑報道があった。2012年に亡くなった中村勘三郎も、多くの有名女優たちとのうわさが絶えない。故・坂東三津五郎と有名アナウンサーとの不倫や、中村獅童と故・竹内結子夫婦の離婚のきっかけとなった不倫などもある。

また、歌舞伎の世界では隠し子騒動も多く見られる闇だ。過去、隠し子騒動があった歌舞伎役者は、十代目松本幸四郎(当時は七代目 市川染五郎)や市川海老蔵、片岡愛之助など、そうそうたる顔ぶれだ。NHKの大河ドラマにも出演する有名な歌舞伎役者たちの多くが、現代社会では問題とされる行動を取っている点が目につく。

歌舞伎の世界で不倫や隠し子騒動が続くのはなぜか。一部には、歌舞伎界では醜聞が続いても舞台への出演はずっと続いているため、「社会的制裁を受けないからではないか」という声もある。

伝統文化にも厳しい目

日本の伝統文化の裏側に潜む「闇」について見てきた。昔は許されていたことでも、現代ではどんどん厳しい目が向けられるようになっている。日本の伝統文化も例外ではなくなり、新しい時代の洗礼を受けるべき時期にきているのではないだろうか。

文・藤森みすず

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