コロナ禍で激変したエンタメ市場において、エンターテインメント×デジタル領域で様々なサービスや事業を行い音楽業界の革新に挑戦している実業家・常田俊太郎さん。

人気バンド「King Gnu」リーダー・常田大希さんの兄であり、ミュージシャンとしても、ストリングスを中心にアレンジやレコーディング、プロデュースなどの活動も展開。これまでのキャリアを振り返ってもらいながら、クリエイティブな日々を送るために欠かせない愛用品とのストーリーを語ってもらった。


【プロフィール】実業家 常田俊太郎
大学卒業後は、戦略系コンサルティングファームのプロジェクトマネージャーを経て、テクノロジー×ビジネスの視点で音楽家やクリエイターの活動を支援する事業を展開。2歳下の弟の常田大希「King Gnu」が主宰する音楽プロジェクトmillennium paradeのメンバーとしても活動中。

目次
音楽の道に進むのを辞め、ビジネスの世界へ
デジタルでの取り組みに課題を感じるアーティストや事務所が増えている

音楽の道に進むのを辞め、ビジネスの世界へ

「みんなに気づきや変化をもたらすヒットを生み出したい」実業家・常田俊太郎
(画像=『男の隠れ家デジタル』より引用)

「音楽が中心の環境で育ちまして、父はジャズピアノ、母はクラッシックピアノを演奏し、僕はバイオリンで弟の大希はチェロを習っていたんです。3歳とか4歳ごろの話なので、最初はやりたいっていうより、そんな意識もないというか。気づいたら親にやらされていたみたいな感じでしていましたね」

母親が音楽家志望だった影響もあり、音楽を習わされた。しかし、常田さんが中学生くらいになると、徐々に音楽に興味を持ち始め、「東京にいる、この先生のレッスンに通ってみたい」など能動的にバイオリンを練習するようになる。

将来の夢はクラシック音楽の演奏家を志し、毎日5〜6時間はコンスタントに練習し、バイオリンで全国のコンクールで入賞するレベルになっていた。だが高校2年生になると、自分の進路について思い悩むようになる。

「演奏者として自分がいなかったところで、そんなに大勢に影響ないというか。いない穴を誰かが埋めて、大体似たようなクオリティーで演奏する人もいるだろうし。それだったら、そもそもクラシックの演奏っていうフレームの中で戦うんじゃなくて、“それの在り方自体をどうしていくか”という部分に興味が出てきて。芸術やカルチャーを盛り上げていく方面に行った方がレバレッジできるんじゃないかなって」

こうして音楽家になるための道を歩むのを辞め、東京大学工学部に進学した。卒業後は新卒で戦略系コンサルティングファームに就職し、ビジネスの道に進むことを決心。6年ほどその会社で働いたあと、徐々にやりたいことも明確になってきたところで会社を辞め、独立を決意し、株式会社ユートニックを立ち上げる。

現在は音楽家やクリエイターが専用のオリジナルアプリを簡単に開発・リリースできる「U-SERIES」をはじめ、アーティストの活動を支援する様々なアプリを開発している。

デジタルでの取り組みに課題を感じるアーティストや事務所が増えている

「みんなに気づきや変化をもたらすヒットを生み出したい」実業家・常田俊太郎
(画像=『男の隠れ家デジタル』より引用)

現在、独立して4年目の常田さん。これまでのYouTubeやテレビなどの「メディアプロデュース」と、「U-SERIES」での「アプリ開発」の2つが組み合わさって化学反応を起こし、徐々に手応えを感じてきていると言う。

「色々積み上がってきているなという感覚はありますね。例えばIT企業的な側面もありつつ、クリエイティブのところもやっているが故に信頼してもらえる。逆にメディアだけじゃなくて、アプリとか、別の出目を持っているからこそ、ただのメディアにとどまらずにマネタイズもできて広がる。それぞれやっていることがつながりかけてきている感覚はあります」

近年ではコロナの情勢もあり、アーティストもデジタルでの活動展開やマネタイズを加速させる動きがある。ユートニックでは、これからも音楽家やクリエイターたちの課題を解消するような事業を展開していくと言う。

常田さんが行っている活動の一つ「With ensemble」は、本記事の最後に紹介しているので、ぜひご覧いただきたい。