今年は全国で153万人が還暦(60歳)を迎える。1962年生まれの「還暦人」は今どのくらい貯蓄があり、これからのセカンドライフでは何に使いたいと考えているのだろうか。PGF生命が行ったアンケート調査の結果を紹介する。

還暦時点の貯蓄額を公開!今のあなたはどこに当てはまる?

アンケート調査はPGF生命(プルデンシャルジブラルタファイナンシャル生命保険株式会社)が実施した。今年還暦を迎える1962年生まれの男女を対象に、2022年4月にインターネットで調査し、2,000人の有効回答を集計した。

早速、気になる貯蓄額から見ていこう。還暦人2,000人に聞いた、現段階の貯蓄額の結果は以下の表の通りだ。ただし、配偶者がいる場合は夫婦2人分の貯蓄額とする。

〈還暦人の現段階の貯蓄金額〉
貯蓄金額 割合
1億円以上 9.4%
5,000万〜1億円未満 9.5%
3,000万〜5,000万円未満 8.6%
2,500万〜3,000万円未満 1.3%
2,000万〜2,500万円未満 6.9%
1,500万〜2,000万円未満 3.4%
1,000万〜1,500万円未満 9.7%
500万〜1,000万円未満 13.3%
300万〜500万円未満 5.7%
100万〜300万円未満 9.3%
100万円未満 23.0%
出典:PGF生命「2022年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」(2022年6月7日発表)

回答は「100万円未満」から「1億円以上」まで幅広く分散したが、回答の割合が最も多かったのは、「100万円未満」の23.0%だった。「1億円以上」と回答した人も9.4%いた。平均額は3,122万円だった。

平均額は3,000万円超、でも100万円未満が最多……!貯蓄格差が浮き彫りに

最も注目したいのは、次の特徴だ。

「2,000万〜2,500万円未満」「2,500万〜3,000万円未満」「3,000万〜5,000万円未満」「5,000万〜1億円未満」「1億円以上」と回答した、貯蓄額が2,000万円以に該当する人の割合は合計35.7%だった。一方で、「300万〜500万円未満」「100万〜300万円未満」「100万円未満」と回答した、貯蓄額が500万円未満に該当する人の割合は合計38.0%だった。

表中央に分類される「中間層」の回答者よりも、2,000万円以上と500万円未満の両端に割合のボリュームが分かれる形となった。

この結果、100万円未満の割合が最も多いものの、平均額は3,000万円に押し上げる形となった。貯蓄額の格差が浮き彫りになっていることが分かるだろう。

続く「貯蓄傾向」・・・将来への不安の表れか

次は、貯金額の平均を過去5年間で比べてみよう。有効回答数はいずれの年も2,000である。

〈還暦人の貯金平均額の推移〉
調査した年 平均貯蓄額
2022年 3,122万円
2021年 3,026万円
2020年 3,078万円
2019年 2,956万円
2018年 2,725万円
出典:PGF生命「2022年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」(2022年6月7日発表)

過去4年分の調査結果と比較してみると、貯蓄平均額は増加傾向にある。特に2020年以降は3,000万円台で推移している。この特徴について、PGF生命は「2019年に話題となった『老後2,000万円問題』やコロナ禍による将来不安や経済の先行き不透明感などを受けて、家計の貯蓄性向の高まりが続いていると考えられる」と分析している。

子どもへの住宅購入資金、3割が1,000万円以上

アンケート調査では、還暦人のお金の使途も調べている。まず、子どもや孫への資金援助の意向に関する傾向だ。

まずは、子どもの住宅購入への資金援助に関するアンケート結果を見てみる。「子どもの住宅購入資金」に対して「意向あり」と回答した人は40.9%、「意向なし」は59.1%だった。

「意向あり」の回答者に援助意向額を聞いたところ、「500万〜1,000万円未満」が最多の23.2%で、次が「100万〜200万円未満」の19.9%。1,000万円以上の回答者は合計28.0%で、平均は1,561万円だった。

孫への教育資金、援助したい平均額は1,239万円!

一方、孫の教育資金に援助について「意向があり」と回答した人は855人で、42.7%だった。「意向なし」は57.3%だった。

「意向あり」と回答した人に援助意向額を聞いたところ、「100万〜200万円未満」の27.3%が最多を占めた。1,000万円未満の回答者は全体の8割超を占めた一方で、「5,000万円以上」の回答は4.0%だった。平均は1,239万円だった。

キャッシュレス派が7割に

買い物では、現金決済よりキャッシュレス決済をすることが多いか聞いた。

「当てはまる」という回答は70.8%で、昨年の68.0%よりも増えた。PGF生命は「コロナ禍以降、キャッシュレス決済の利点に注目し、普段の生活で利用するようになった人が増えているのではないか」とコメントしている。

「人生100年」時代、今備えたいこと

調査では、人生100年時代への備え・万が一への備えについて、現在行っていることも聞いている。「貯蓄・資産運用」が最も高く、4割を超える結果だった。老後資金の不足や枯渇に備え、資産作りに積極的な人が多いことの表れだろう。

お金はいくつになっても必要な資産だ。セカンドライフを豊かに生きるためにも、今から「お金の勉強」を始めておくのもいいのではないだろうか。

文・MONEY TIMES編集部

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