NTTドコモの共通ポイント「dポイント」の仕組みが6月3日に改定された。どこがどう変わり、どのような人がお得になったのか?あるいはこの改定によって損をしないようにするには、どうすればいいのか?ここで解説しよう。

dポイントクラブの改定内容は?

NTTドコモは、2022年6月3日に共通ポイントサービス「dポイントクラブ」を改定。主な改定内容として、「ポイント倍率アップ」「長期利用ありがとう特典」「ランクアップしやすい会員プログラム」の3つが挙げられ、それぞれ次のような内容だ。ここでは、概要のみ紹介しよう。

ポイント倍率アップ

「dポイント」の獲得数(3ヵ月累計)で決まるランクに応じて、「dポイントカード」提示ポイントが最大で2.5倍になる。そこで、200円につき1ポイントが付与される店舗では1.25%還元が適用。0.5%還元となるコード決済「d払い」と併用した場合は、「dポイントカード」提示ポイントと合わせて1.75%還元となる。

長期利用ありがとう特典

対象となるドコモの料金プランの契約者を対象に、「dポイント」の獲得数(3ヵ月間の累計)で決まるランクとドコモ回線継続利用期間に応じて、誕生月の「d払い」利用分が通常のポイント付与に最大で20%分が加算される。

例えば、200円につき1ポイントが進呈される「dポイントクラブ」加盟店において「d払い」で支払った場合、通常ポイントと合わせて約22%もの超・高還元率となる。

ドコモを長く使っていて、かつ「dポイントカード」や「d払い」を日常的に利用している人にはお得な仕組みといっていいだろう。

ランクアップしやすい会員プログラム

従来の類似の仕組みと比べてランク判定期間が短縮され、判定基準も引き下げられたため、ランクアップが容易となった。

「ずっとドコモ特典」は終了

上記の3つの変更において、ドコモユーザーにとって特に大きな変化は「長期利用ありがとう特典」だ。これは、これまでの長期優遇特典「ずっとドコモ特典」の代わりであり、ドコモの長期利用者には大きな変更となる。

以前の「ずっとドコモ特典」は、誕生月にエントリーすることにより、「dポイントクラブ」のステージと料金プランに応じて所定の「dポイント」が進呈されるというもの。ステージの判定はドコモ回線継続利用期間の長さ、あるいは6ヵ月間の「dポイント」獲得累計によって決定する。利用期間かポイント獲得累計のいずれかの条件を満たせば、各ステージが適用される形だ。

「ずっとドコモ特典」と、それに代わる「長期利用ありがとう特典」の詳細を表にまとめよう。

《ずっとドコモ特典》
dポイントクラブ
ステージ
進呈ポイント数
(期間・用途限定)
【参考】ステージ判定方法
ドコモのギガプラン(※) はじめてスマホプラン
U15はじめてスマホプラン
ケータイプラン
ドコモ回線
継続利用期間
dポイント獲得数
(6ヵ月間累計)
プラチナステージ 3,000pt 1,200 pt 15年以上 1万pt以上
4thステージ 2,000 pt 10年以上 3,000pt以上
3rdステージ 1,500 pt 8年以上 1,800以上
2ndステージ 1,000 pt 4年以上 600pt以上
1stステージ 500 pt 4年未満 600pt未満
(※NTTドコモの公式サイトを元に筆者作成)
※「5Gギガホ プレミア」「5Gギガホ」「5Gギガライト」「ギガホ プレミア」「ギガホ」「ギガライト」の総称
《長期利用ありがとう特典》
ランク dポイント
獲得数
(3ヵ月累計)
誕生月のd払い還元率
(加算分)
ドコモ回線
継続利用期間
10年以上
ドコモ回線
継続利用期間
6年以上
ドコモ回線
継続利用期間
3年以上
5つ5 5,000ポイント +20% +10% +5%
4つ星 1,500ポイント +20% +10% +5%
3つ星 600ポイント +15% +8% +3%
2つ星 100ポイント +15% +8% +3%
1つ星 - +10% +5% +2%
(※NTTドコモの公式サイトを元に筆者作成)
※プランごとにポイント進呈上限が設定(5Gギガホ プレミア、5Gギガホ、ギガホ プレミア、ギガホは5,000ポイント/5Gギガライト、ギガライトは3,000ポイント、はじめてスマホプラン(5G)、はじめてスマホプラン(Xi)、U15はじめてスマホプラン(5G)、U15はじめてスマホプラン(Xi)は1,200ポイント)

「ずっとドコモ特典」では、エントリーさえ忘れなければ、15年以上の長期契約者は年に1度、最大3,000ポイント(3,000円相当)を受け取れる。一方、「長期利用ありがとう特典」では、10年以上の長期契約者が、3ヵ月間の累計で1,500ポイント以上を獲得すると、誕生月に「d払い」の還元率が+20%となる。

「d払い」利用者にお得な仕組み

この両者の比較でまず重要なのは、後者では「d払い」を使わない人にはまったくメリットがない点。この仕組みのメリットを享受するには「d払い」の利用が必須条件なのだ。

そして、後者において+20%を狙うには、10年以上の契約期間のほか、3ヵ月間累計で1,500ポイントの獲得が条件となる。この条件をざっくりと1ヵ月500ポイントと考えた場合、「dポイントクラブ」加盟店でのカード提示ポイント(0.5%還元が多い)とドコモ携帯料金等の支払い(1%還元)だけでは、条件クリアが少し厳しいかもしれない。

しかし、それに加えて0.5%還元の「d払い」や、年会費無料で1%還元の「dカード」を利用すれば、十分容易に達成できる条件となる。

目安として試算すると、例えば毎月、携帯料金1万円、「d払い」5,000円、「dポイントカード」提示(0.5%還元の店舗)5,000円相当分、「dカード」クレジット払い3万5,000円の利用があれば、3ヵ月間累計で1,500ポイントの獲得が可能となる。これならほとんどの人が条件クリア可能だろう。

「d払い」の支払いを誕生月に集中させる

結論を言うと、今回の改定で損をしないためには、「d払い」を使い、「dポイントカード」はもちろん、「dカード」も使ってしっかりポイントをためるのがまず一点。

そして、誕生月に「d払い」が+20%になることを最大限有効に活用するため、そのタイミングに服の買い替えや高額商品の購入など、「d払い」で可能な買い物を集中させることだ。

「ずっとドコモ特典」では最大3,000ポイントが進呈されたが、「長期利用ありがとう特典」で+20%還元が適用された場合に同じだけのポイントを得るには、1万5,000円の「d払い」利用が必要となる。

この2つを念頭に置けば、以前よりもお得に「dポイント」を獲得できるだろう。

文・モリソウイチロウ

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