外交官ナンバーは駐車違反にならない？車のナンバープレートに隠された意味

車のナンバープレートに「外交官ナンバー」とよばれるものがある。「外交官ナンバーは駐車違反をしてもキップを切られない」というウワサがあるらしいが、本当だろうか。今回は車のナンバープレートに隠された意味について、紹介しよう。

そもそも外交官ナンバーとは

「外交官ナンバー」というものを見たことがあるだろうか。これは外交官が使う車につけられるナンバープレートだ。一般的なナンバープレートが「品川XXX あ 00-00」のように「地域名・分類番号・ひらがな・一連指定番号」で構成されているのに対し、外交官ナンバーは、青いプレートに漢字一文字と数字だけが表記された特殊なものである。

外交官ナンバーに使われる漢字は「外」「外を○で囲んだもの」「代」「領」の4つ。それぞれ、車を使う機関・人によって分類されており、「外」は外交団、「外＋○」は大使・公使、「代」は政府代表部、「領」は領事団のそれぞれ公用車だ。

また、3～5桁の数字のうち、最初の2桁または3桁は国を表しており、アメリカは82・83など、イギリスは81となっている。

外交官ナンバーは駐車違反にならないのか

「外交官ナンバーは、駐車違反を犯しても罰則が適用されない」というウワサがある。噂の背景には、外交官は治外法権（日本の法律の対象外となる権利）を持っていることが挙げられる。実際は駐車違反の通達は行われているが、違反金を踏み倒されることが多い。

そこで、外交官ナンバーを管轄している外務省は2021年から、外交官ナンバーの車に対してガソリン税免税措置の証明書を出す際、駐車違反をした場合の違反金を収めているか確認するようになった。違反金未納の場合は、証明書を出さないようにしたのだ。

また、駐車違反やスピード違反など、悪質なケースに対してはナンバープレートの返却勧告を行うこともある。

外交官ナンバーの車は違反行為も多い！これからの日本の対策にも注目

外交官は治外法権であることから、外交官ナンバーの車は違反行為が多いことが問題になっている。外交官ナンバーが事故を起こした場合、その被害者は補償などを受けられない可能性がある。自国や自国民が不利益をこうむらないよう、政府の対応を注視したい。

文・はせがわあきこ