「気が付くと、駅構内の時計が消えている」そう感じた人もいるのではないだろうか。JR東日本では、2021年11月より駅構内の時計撤去を進めており、2022年1月時点で山梨県20駅、神奈川県2駅の時計が撤去済みだ。本記事では、駅構内の時計撤去の理由について解説する。

駅のメンテナンスに関わる人の減少

JR東日本によると、一番の問題は、労働人口の減少に伴い駅のメンテナンスに関わる人員が減少している点にある。また、管轄内の駅を持続可能なものとするためにも、駅舎のメンテナンス費用やランニングコストを抑制しなければならない。

これらの理由から、駅構内で使用頻度の少ない設備は撤去する方向になった。駅構内の時計も以前に比べて使用頻度が低くなっているため撤去対象となったようだ。ではなぜ、駅構内の時計は使われなくなりつつあるのだろうか。その理由は人々のライフスタイルの変化にある。

携帯電話・スマホの普及による必要性の低下

従来、正確な時刻を示す駅の時計は、乗客にとって電車の到着時刻確認などに欠かせなかった。腕時計をしている人でも、駅構内の時計は正確さの点で信頼を置いて確認していた。

しかし携帯電話やスマホが普及している現在、多くの人は駅の時計がなくても自分で時間を確認できる手段を持っている。このような理由から、駅の時計自体の必要性は減少していると判断され、撤去の検討対象となった。

JR東日本の駅全部で撤去するわけではない

ただし、JR東日本はすべての駅で構内の時計を撤去するわけではないという。最終的には約500駅、全体の約3割が撤去対象となっている。時計を撤去するかどうかの判断は、老朽度合や対象の駅の利用状況、保守メンテナンスコスト軽減の観点から、総合的に判断した。約3割の時計を撤去すると、年間で約3億円もの費用削減効果が得られる。

スマホの普及が要因の一つとなった

北海道新聞では、紙面で使用してきた黒電話マークを2022年7月1日付夕刊より廃止した。黒電話を見たことがなく、何のマークなのか理解できない人が増えつつあるためという。携帯電話・スマホの普及はこのような部分にも影響を及ぼしている。

駅構内の時計が消えつつあるのも、少子高齢化と携帯電話・スマホの普及による。今までは普通にあった駅構内の時計も、黒電話マークと同様、いつかは「なくて当たり前」となってしまうのかもしれない。

文・藤森みすず

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