航空管制官採用試験とは
航空管制官になるには、航空管制官採用試験に合格しなければなりません。学歴不要で受けられるのが魅力ですが、年齢には制限があります。また、試験は1次〜3次まであるのも特徴。航空管制官を目指す場合に知っておきたい、航空管制官採用試験について解説します。
航空管制官採用試験の内容
航空管制官採用試験は、年に1回実施されています。試験は3次まであり、それぞれ試験種目が異なります。
第1次試験は、基礎能力試験・適性試験一部・外国語試験(聞き取り・多肢選択式)。
- 基礎能力試験:公務員として必要な基礎能力の筆記試験
- 適性試験一部:航空管制官として必要な記憶力、空間把握力についての筆記試験
- 外国語試験(聞き取り):英語のヒアリング
- 外国しけん(多肢選択式):英文解釈・和文英訳・英文法についての筆記試験
試験地は、北は北海道から南は沖縄まで全国で実施されます。
第2次試験は、面接の外国語試験と人物試験。
- 外国語試験(面接):英会話
- 人物試験:人柄、対人的能力などについての個別面接 試験地は絞られており、札幌市・東京都・泉佐野市・福岡市・那覇市となっています。
第3次試験は、適性試験二部と身体検査、身体測定の3つ。
- 適性試験二部:航空管制官として必要な記憶力、空間把握力についての航空管制業務シミュレーションによる試験
- 身体検査:主として胸部疾患、血圧、尿、その他一般内科系検査
- 身体測定:視力、色覚、聴力についての検査
試験地は泉佐野市のみです。1次〜3次試験を順番に受験し、合格することで航空管制官として採用されます。
参考:人事院「航空管制官採用試験」
航空管制官採用試験の難易度
航空管制官採用試験は、難易度の高い試験といわれています。2020年度・2021年度の試験実施状況は以下の通り。
- 2020年度:最終合格者数41名
- 2021年度:最終合格者数42名 例えば、2020年は申込者数767名に対して合格者数が41名なので、倍率は18.7%。2021年は839名の申込者数に対して合格者数が42名のため、倍率は19.9%となっています。いずれも高倍率であることがわかります。
参考:人事院「航空管制官採用試験実施状況 2020年度」
参考:人事院「航空管制官採用試験実施状況 2021年度」
航空管制官採用試験の要件
航空管制官採用試験を受けるには、いずれかの受験資格を満たしている必要があります。
- 1992(平成4)年4月2日〜2001(平成13)年4月1日生まれの者
- 2001(平成13)年4月以降生まれの者で次に掲げる者
- (1) 大学を卒業した者及び2023(令和5)年3月までに大学を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者
- (2) 短期大学又は高等専門学校を卒業した者及び2023(令和5)年3月までに短期大学または高等専門学校を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者
受験資格は主に年齢のみ。高卒・大卒・専門卒など、どんな学歴の方でも受験可能です。
参考:人事院「航空管制官採用試験」