航空管制官の年収の目安
航空管制官は国家公務員であるため、俸給額は「専門行政職俸給表」に基づいて計算されます。
例えば、2019年12月1日時点で航空管制官として東京空港事務所に配属になった場合の給与月額は、額面で24万5000円程度。月給だけでも年収は約290万円となり、このほか期末手当・勤勉手当・航空管制手当・夜間特殊業務手当・夜勤手当・休日給がそれぞれ加算されます。
そのため、航空管制官は比較的、年収が高い職業といわれています。公務員であるため、勤続年数に応じて給料が上がるのも特徴です。
参考:国土交通省 航空保安大学校「2020年度 募集案内 航空管制官採用試験」
航空管制官になるための方法
航空管制官になるには、航空管制官採用試験に合格しなければなりません。しかし、採用試験に合格しただけでは一人前の航空管制官として任命されず、さらなる研修を受け、内部試験での技能証明が必要。航空管制官になるための3つのSTEPについて解説します。
STEP1.航空管制官採用試験に合格する
航空管制官になるには、まず航空管制官採用試験に合格する必要があります。
航空管制官採用試験は、21歳以上、30歳未満の方であれば学歴不問で受験が可能。ただし、視力や聴力など、身体適性の条件をクリアしなければならない点には注意しましょう。
STEP2.航空保安大学校で8カ月の研修を受ける
航空管制官採用試験合格後、航空保安大学校で研修を受けます。研修期間は8カ月で、大阪府泉佐野市で実施されます。
8カ月間、研修生として学科と実技の研修を受けます。学科科目は多く、英語・航空法規・電波法規・航空気象学・航空機概論・航空管制概論・無線工学・航空無線施設概論・航空航法・飛行場管制論・進入管制論・ターミナル・レーダー管制論・航空路管制論・保健体育などです。
実技科目は、飛行場管制方式・進入管制方式・ターミナル・レーダー管制方式・航空路管制方式・情報処理システム操作など。短期間のため、朝から夕方までしっかりと研修を受けます。
なお、研修期間中も給与は支給されます。給与額は、4年制大学卒で職歴がない場合で19万3000円程度。加えて、期末手当なども支給されます。
参考:国土交通省 航空保安大学校「航空管制科」
参考:国土交通省 航空保安大学校「2020年度 募集案内 航空管制官採用試験」
STEP3.配属後、技能試験に合格する
8カ月の研修を終えた後は、全国各地の空港や航空交通管制部等の管制機関に配属。配属先で数ヵ月〜数年のOJTを経て、今度は技能試験を受けます。技能試験合格後、技能証明を取得してやっと航空管制官として任命されます。
ちなみに、航空管制官の業務資格は勤務地ごとに異なります。数年ごとに全国規模で実施される転勤のタイミングで、すべての航空管制官は一定期間の訓練を受け、内部試験に合格しなければなりません。
参考:職業情報提供サイト jobtag「航空管制官」
参考:国土交通省「航空管制官になるには」