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沢登り中に気を付けたい事故④低体温症
低体温症のためのリスク管理
沢登り中に気を付けたい事故④低体温症
真夏でも冷たい沢の水
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沢登りのシーズンといえば真夏ですが、外気温が高くても沢の水は想像以上にとても冷たいです。
またほとんどの沢は周りが樹木や崖に覆われ日差しが差し込むことも少ない場所がほとんどなので一度濡れた体は常に濡れたままとなってしまうことがほとんどです。
プールや海などの水辺のアクティビティと同じ感覚で沢登りに挑んでしまうと体が冷え切ってしまい低体温症になってしまいます。沢登りは常に低体温症のリスクを考えておかなければいけません。
低体温症の症状
低体温症は大きく4っの段階に分かれます。
軽度低体温症
まずよく見る体の震えは軽度低体温症の段階です。この段階では思考能力が低下していき無気力状態のような呼びかけに対しても反応しない症状が現れます。座り込んで動かなくなる、ろれつが回らない、足元がふらつくなどの症状も現れてきます。
軽度低体温症の症状が現れたらなるべく早くこれ以上体の熱が奪われないように保温および加温し、体が熱を生成できるようカロリー補給を行ってください。
また体温の低下によって利用作用が働き脱水状態になることもあります。温かいものでなくても構わないので水分補給も忘れず行ってください。
中度低体温症
軽度低体温症からさらに体温が低下をすると中度低体温症の段階になります。この段階では震えが止まり意識も更に低下してしまいます。
自力での回復も見込めない状態となるため、なるべく安静にしできるだけ早く救助要請を行いましょう。
高度低体温症、重度低体温症
さらに悪化すると高度低体温症および重度低体温症へと移行していきます。この段階では意識はなくなり呼吸もさらに弱くなっていきます。重度低体温症は死亡しているのかさえ分からない程身体機能がなくなります。
低体温症のためのリスク管理
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まず低体温症を防ぐには適切なウェアリングを心がけることが重要となります。
沢登りのインナーウェア
アンダーウェアやインナーウェアには、濡れた体が少しでも早く乾くよう化学繊維の速乾性の生地を選びます。
沢登りのミッドウェア
そしてその上にミッドレイヤーとして少しでも体温を逃さないよう厚手で保温性のある素材のシャツを着ます。厚手のラッシュガードのようなものが沢登では定番のウェアです。
沢登りのアウターウェア
さらに気温の低いときや長時間水の中にいる必要のあるときにはアウターとしてレインウェアを着込み、直接体が水流で冷えないように対策をします。また滝つぼ周辺では冷たいミスト状の水しぶきが飛んでいることもあります。
防寒用のウェアも追加
さらに、夏でも常に防寒用のウェアとしてフリースやソフトシェルのジャケットも用意してください。
下山時に一般登山道を使ってスタート地点まで戻る場合でも濡れたウェアが体温を奪って寒くなったり、休憩中などの動いていないときにはどんどんと体が冷えていってしまいます。
特に滝つぼ周辺は景色もよく休憩したくなりますが、周りよりも気温が低くなっていることが多いです。