レモンサワーは居酒屋で人気のメニューだが、原価がいくらぐらいか考えたことがあるだろうか。一般的に飲食店の原価率は20〜30%といわれているが、それより上だろうか、下だろうか。

レモンサワーの原価と原価率

レモンサワーの原価:53円〜70円

一般的に、レモンサワーには「焼酎」「炭酸水」「レモン」が使われる。一般的なレシピで作る場合に原材料費がどの程度かかるか、見てみよう。

分量の合計は210mlとやや少なめだが、氷を多めに入れるとグラスの9分目くらいになる。

<レモンサワー1人前>
材料 分量 コスト
焼酎(甲類) 60ml 30円
炭酸水 130ml 13円
レモン果汁 20ml 10円
※焼酎(甲類は)は1ml当たり0.5円、炭酸水は1ml当たり0.1円、レモン果汁は1ml当たり0.5円で計算

焼酎(甲類)が60mlで30円、炭酸水130mlで13円、レモン果汁が20mlで10円だとすると、レモンサワー1杯の原価は「53円」になる。本来は氷の金額も含めるべきだが、コスト全体で見れば軽微なので、ここでは考慮しない。

最近は業務用の「レモンサワーの素」もよく売れている。レモンサワーの素「1」に対して炭酸水を「5」の割合で入れると、レモンサワーが完成するというものだ。

レモンサワーの素の相場は、1ml当たり1.5円。先ほどの焼酎(甲類)と炭酸水をレモンサワーの素に置き換え、全体の量を変えずにレモンサワーを作る場合は以下のようになる。

<レモンサワー1人前(レモンサワーの素を使う場合)>
材料 分量 コスト
レモンサワーの素 35ml 52.5円
炭酸水 175ml 17.5円

レモンサワーの素が35mlで52.5円、炭酸水が175mlで17.5円なので、合計で「70円」になる。レモンサワーの素を使うほうが、原価は高くなるようだ。

レモンサワーの原価率:10.6〜35.0%程度

続いて、レモンサワーの原価率を計算してみよう。レモンサワーの価格は店によって違うが、安くて200円程度、高くて500円程度だろう。

先ほど計算した2パターンの原価で、提供価格が200円の場合と500円の場合の原価率を計算すると、以下のようになる。

<提供価格別の原価率>
提供価格 200円 500円
原価が53円 26.5% 10.6%
原価が70円 35.0% 14.0%

店によってグラスの大きさが異なるため、レモンサワーの量も異なるが、先ほど原価を算出した際と同じ量の場合、原価率は10.6〜35.0%ということになる。

冒頭で飲食店の原価率は20〜30%程度と書いたが、それと比較しても大きな差はないことがわかる。

ビールの原価率は高め(30〜40%程度)

一方、ビール1杯分の原価は150〜200円といわれており、1杯500円で提供する場合の原価率は30〜40%になる。

ビールは居酒屋のドリンクメニューの中では原価率が高いので、飲み放題のメニューに入っていなかったり、ビールも含める場合は追加料金がかかったりするケースが多い。

ソフトドリンクの原価率は低め(1.6〜3.3%程度)

一般的なソフトドリンク1杯分の原価は5〜10円といわれており、居酒屋のドリンクメニューの中では原価率が低い。

ソフトドリンクを1杯300円で提供する場合、原価率は1.6〜3.3%になる。実はお酒を飲めない客は、居酒屋にとって好都合なのだ。

居酒屋の命運は「ドリンクの提供」にかかっている?

この記事では、レモンサワーに焦点を当てて原価と原価率を計算した。実は、居酒屋ではドリンクよりも食事のメニューのほうが原価率は高めだ。

ということは、客にたくさんドリンクメニューを注文してもらったほうが、全体の原価率は下がる。そのため居酒屋経営においては、ドリンクをより多く飲んでもらう工夫が欠かせない。

例えば、「お飲み物のおかわりはよろしいでしょうか」と声をかける、「飲み比べセット」などで複数の種類のお酒を1回の来店で楽しんでもらう、といった具合だ。

このような工夫によって、原価率が低い(利益率が高い)居酒屋経営を実現できる。逆に、原価率が高い食事メニューが人気で、そればかり注文されるようなら、残る利益は少なくなることを覚えておこう。

文・MONEY TIMES編集部

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