ロシアのウクライナ侵攻により、西側諸国はロシアに次々と経済制裁を行っている。その影響もあり、2022年6月、ロシアの外貨建て国債がデフォルト(債務不履行)状態に陥った。およそ100年ぶりとなるロシアの対外債務不履行だが、これは何を示唆しているのか、そもそも「債務不履行とは何か」についても併せて解説する。

ウクライナ侵攻の影響で、ロシアが債務不履行(デフォルト)状態に

ロシアのウクライナ侵攻に対抗するため、西側諸国ではロシアに対し、経済制裁を行っている。経済制裁のひとつに、ドル建ての支払いの凍結がある。これは、ロシアがドルを使って、国際間での取引ができないことを意味するが、そこで大きな問題となるのが、ロシア国債の返済だ。つまり、海外の国が所有するロシア国債に対して、ドルでの利払いや返済ができなくなる。

ルーブルでの利払いは契約に定められていないが、4月にロシアがドル建て国債の元利金をルーブルで支払ったことで、ロシアのドル建て国債が一部債務不履行と認定された。

5月には、米ドル建てとユーロ建ての1億ドル相当分の国際利払いが期限である5月27日までに行われず、支払い猶予最終日の6月26日を過ぎても確認されていないことで、債務不履行(デフォルト)となった。

そもそも債務不履行(デフォルト)とは

そもそも債務不履行(デフォルト)とは、何だろうか?

デフォルトとは、債券などの利払いや償還が最初に約束した条件どおりに行えなくなることを指す。その国がデフォルトになっているかどうかは、通常、民間の「格付け会社」が認定する。

ロシアは、ドル建ての国債について、自国通貨のルーブルで支払う方針だが、これはロシアによる一方的な返済条件の変更にあたるため、デフォルトに認定される可能性がある。

ロシアの債務不履行(デフォルト)の影響は?

ロシアの外貨建ての国債の残高は、およそ200億ドル(日本円でおよそ2兆5,957億円※2022年4月30日現在)と言われている。

デフォルトは、ロシア国債を保有する金融機関や投資家が損失を被る懸念がある。日本でも、企業や個人、年金積立金管理運用独立行政法人などが、ロシアの外貨建ての国債を保有しているため、今後の景気や年金など、私たちの暮らしに影響が出る可能性も高くなるだろう。ただ、ロシアの外貨建て国債の規模は限定的なので、世界の金融市場への影響はそこまで大きくないという見立てもある。

私たちのくらしに、直接影響があるかもしれない、債務不履行(デフォルト)問題。世界経済にどう影響するのか、測り知れない。

文・MONEY TIMES編集部

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