<2月22日>
ショルツ首相はロシアとドイツ間のロシア産天然ガス輸送パイプライン建設計画「ノルド・ストリーム2」の承認を停止した。首相自身はメルケル政権下の財政相時代から「『ノルド・ストリーム2』はあくまでも経済プロジェクトであり、政治的テーマではない」という立場を取ってきたが、それを急遽、「ノルド・ストリーム2の操業開始を停止する」と公表した。パイプライン建設は昨年秋に既に完成し、関係国の承認待ちだった。

同計画に対しては、バイデン米政権やバルト3国から強い抵抗があり、「ロシアのエネルギー依存は欧州の安全にとって危険だ」という声があった。ショルツ首相は先月就任初の訪米でバイデン大統領と「ノルド・ストリーム2」について話し合った。

ショルツ首相は、「不足するエネルギーは再生可能エネルギーの強化とともに、米国やノルウェーなど他国からの購入で補填していきたい」と述べている。脱原発、脱石炭を掲げているドイツにとって「ノルド・ストリーム2」の中断は大きな冒険だ。ショルツ首相は同日の連邦議会で、「ドイツ国内の2カ所に液体ガスターミナルを迅速に建設する」と発表し、同プロジェクトを通じ20億立方メートルのガスを調達する代案計画を明らかにしている。