「原油価格は1バレルが115ドルに…」「この車の最高馬力は…」。日常生活やニュースで何気なく触れるさまざまなモノの単位だが、その由来を気にしたことはあるだろうか。中には国によって定義が異なるものもある。
国によって量が違う?「バレル」とは
ロシア軍のウクライナ侵攻などにより、世界的な原油価格の高騰が話題だ。原油の単位「バレル(bbl)」を頻繁に耳にする。国際的に通用しているのは1バレル=約159リットル(42ガロン)のみだが、国や中身によって慣習的な量は異なる。例えば、米国では石油以外の一般液量の1バレルは約119リットル、穀物の1バレルは約116リットルだ。イギリスでは一般液量の1バレルは約164リットルとされる。
バレルの語源は、かつて石油を運んでいた酒樽だ。酒樽は50ガロンだったが、運搬中に漏れたり蒸発したりして減ってしまったことから、42ガロンになったと言われている。
米国のガソリンは「ガロン」
ガソリンの単位で使われる「ガロン(gal)」も、国や中身で量が異なる。米国でガソリンを量るときは1ガロン=約3.8リットルだが、穀物などを量る場合は1ガロン=約4.4リットルとなる。イギリスでは1963年に1ガロン=約4.5リットルに統一された。
ガロンの由来はボウル・バケツを意味するラテン語だが、穀物・ビール・ワインそれぞれを量る異なる単位だったものが元になっているため、定義が異なる。
車の「馬力」って何のこと?
日本で車の性能を表す際などに使われる「馬力(PS)」はフランスの「仏馬力」で、1PS=約735.5ワットだ。馬力は、蒸気機関で有名なイギリスの発明家ジェームズ・ワットが考案した仕事量の単位で、「1秒間に550ポンドの荷物を1フィート(約30センチ)動かす力」として算出されている。
馬力という響きから馬1頭分の仕事率が1馬力のように感じるが、実際の馬の最大仕事率は1馬力以上だという。単位としての馬力は、馬の最大仕事率ではなく、長時間にわたり出せる仕事率として考えられているためだ。
通貨「円」「ドル」の起源は?
記録的な円安が続くなど、為替変動のニュースも目に入る。当たり前のように使っている日本の通貨「円」が誕生したのは明治時代初期の1871年。早稲田大学を創設した大隈重信が関わって考案されたと言われる。しかし十分な資料がなく、詳細な経緯は分かっていない。
国際的な基軸通貨として使われる「ドル」は、1792年の貨幣鋳造法で定められた。欧州で流通していたターレル(ターラー)銀貨がドル(ダラー)の由来となっている。
意外と面白い?ニュースや生活の単位
何気なく耳にしているさまざまな単位の由来を紐解くと興味深い。使われる国や状況によって異なる単位もあるので、知っておいて損はないだろう。モノの計量単位や通貨、数え方など、気になる単位をこの機会に調べておくと、話のタネになるかもしれない。
文・MONEY TIMES編集部
【関連記事】
・サラリーマンができる9つの節税対策 医療費控除、住宅ローン控除、扶養控除……
・退職金の相場は?会社員は平均いくらもらえるのか
・>後悔必至...株価「爆上げ」銘柄3選コロナが追い風で15倍に...!?
・【初心者向け】ネット証券おすすめランキング|手数料やツールを徹底比較
・>1万円以下で買える!米国株(アメリカ株)おすすめの高配当利回りランキングTOP10!