2023年の新卒学生を対象とした、企業の採用選考が解禁されている。旧帝大や早慶など有名大学の就活生が志望する、「推し」の就職先ランキングが明らかになった。いわゆる最上位校の「最推し」業界や企業はどこなのか。魅力や学生の傾向を分析する。

最上位12大学の志望企業上位は……

調査は、新卒採用支援などを行うリーディングマークが2022年2〜3月にかけて実施した。「最上位校」の卒業予定者を対象とし、登録学生向けのウェブアンケートや合同説明会で回答を集めている。ここでいう最上位校とは、旧帝大(北海道大・東北大・東京大・名古屋大・京都大・大阪大・九州大)、慶應義塾大、早稲田大、一橋大、東京工業大、神戸大の12大学を指す。

学生1人につき、約400社のリストから第一志望企業群5社を選ぶ形式だ。有効回答数2,000以上を得た。1〜20位のランキングは以下の通り。

順位(昨年) 企業名 業界
1位(1位) 三菱商事 総合商社
2位(2位) 三井物産 総合商社
3位(2位) 伊藤忠商事 総合商社
4位(4位) 住友商事 総合商社
5位(10位) 野村総合研究所 システム・ソフトウエア
6位(6位) 三井住友銀行 銀行
7位(7位) 丸紅 総合商社
8位(12位) 三菱UFJ銀行 銀行
9位(13位) 三菱地所 不動産・住宅
10位(9位) 旭化成 化学・化成品
11位(5位) サントリーホールディングス 飲料
12位(14位) 楽天グループ インターネットサイト運営
13位(19位) NTTデータ システム・ソフトウエア
14位(8位) JR東海 陸運
15位(15位) 三井不動産 不動産・住宅
16位(31位) 日本政策投資銀行 銀行
17位(21位) ソニーグループ 総合電機
18位(17位) 博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ 広告
19位(32位) アクセンチュア コンサルティング
20位(11位) 東京海上日動火災保険 保険

人気の業界は?各分野のランクイン企業も

上位ランキングを業界ごとに見てみる。上記の他にはどのような企業が入っているのだろうか。

商社、メガバンクが根強い人気

昨年から引き続きトップ4を総合商社が占めている。発表されている100位以内には、他にも双日(25位)や豊田通商(57位)がランクインした。メガバンクではみずほフィナンシャルグループが27位だった。

大学別(東京大・京都大・早稲田大・慶応大)の志望ランキングでも、いずれも三菱商事と三井物産が3位以内に入っている。慶応大のランキングでは2位に三井住友銀行、4位に三菱UFJ銀行、9位に日本政策投資銀行と金融機関が上位を占めていることが特徴的だ。

順位上昇のIT、通信企業

楽天やNTTデータは以前から人気企業だが、今回さらに順位を上げている。他に、NTTドコモ(34位)、KDDI(37位)、ヤフー(41位)、Google(49位)など、今後も業績拡大が見込まれる分野として多くの企業がランクインした。

コンサル、不動産も志望者多数

PwCコンサルティング(29位)、デロイトトーマツコンサルティング(49位)、アビームコンサルティング(49位)などのコンサル企業も前回より大幅に順位を上げている。東急不動産(42位)、森ビル(49位)、NTT都市開発(49位)など不動産デベロッパーも人気だ。

最上位校の「推し」トップ3企業を分析

次に、人気ベスト3の各企業の魅力を探る。

三菱商事

昨年から引き続き「最推し」となった三菱商事は、全ての大学別ランキングでも首位だった。2019年4月に人事制度を改め、年次に関わらず能力と適性に応じて登用できる仕組みを採用した。社員と上司が、人事評価と切り離して個人のキャリアをとことん話し合う場として「成長対話」を年1回取り入れているのも特徴的だ。

三井物産

2位の三井物産は、2023年卒の採用分からインターンシップを組み込んでいる。ミスマッチを減らすためだという。入社後の配属にも工夫を凝らし、例年9割以上の新入社員が希望部署に配属される。

伊藤忠商事

伊藤忠商事の企業理念は「売り手よし・買い手よし・世間よし」の「三方よし」だ。この理念を元にした人材育成方針を掲げている。グループ全世界ベースで優秀な人材の登用・育成・活用・登用を行う「タレントマネジメントプロセス」、研修や朝活セミナーなど入社後の成長に力を入れている。

「将来のキャリア」を重視、内定・入社はゴールではない

今回の調査で、学生が企業を選ぶ際に重視する項目のトップ3は以下のようになった。

・1位:企業の強い社会的責任感
・2位:将来のキャリアへの良い関連性
・3位:チャレンジ性のある仕事

ちなみに「将来のキャリアへの良い関連性」は昨年度の7位から2位に上昇した。

「推し」トップ3の企業の特徴に通じるのは、入社後のキャリアパスを尊重する人材育成方針ではないだろうか。調査からは、学生が内定や入社をゴールとせず、その後自分自身が成長できる場かどうかを重視して企業を選ぶ傾向が見える。

文・MONEY TIMES編集部

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