「リボ払い」は合法的に認められた仕組みだ。しかし、リボ払いに関するトラブルは後を絶たない。クレジットカード会社の元社員の1人も、リボ払いの危険性を指摘する。元社員が明かすリボ払いの「典型的破滅パターン」とは?
そもそも「リボ払い」とは?
リボ払いを利用したことがない人は、そもそもリボ払いがどのような仕組みなのか、よく分かっていないはずだ。そのため、まず仕組みについて解説していこう。
リボ払いは「リボルビング払い」の略で、クレジットカードの支払い方式の1つだ。小学館の日本大百科全書と日本クレジット協会は、それぞれリボ払いについて以下のように説明している。
・商品の購入代金や借金の返済において毎月一定額(あるいは一定割合)の金額を支払っていく方式(小学館の日本大百科全書)
・クレジットカードの利用金額や利用件数にかかわらず、あらかじめ設定した一定の金額を月々支払う方法(日本クレジット協会)
要は「クレジットカードで支払った代金がいくらか」というより、「毎月いくらを返済していくか」に重きが置かれた返済方法であると言える。
ちなみにリボ払いには、支払い残高に関係なく毎月の支払額が一定の「定額方式」と、支払残高によって毎月の支払い額が変わる「残高スライド方式」がある。
リボ払いの「典型的破滅パターン」
リボ払いの基本的な仕組みは分かってもらえたと思うが、ではなぜリボ払いは怖いのか。ここからは冒頭登場したクレジットカード会社の元社員に、リボ払いが絡む典型的なトラブルや破滅パターンを教えてもらおう。
「手数料が15%だって!?」こんなに高いとは知らなかった……
元社員が指摘するのは、リボ払いの手数料の高さだ。リボ払いの手数料は年利で15.0%程度に設定されているケースが多い。年利15.0%と言えば、銀行のカードローンにも匹敵する。リボ払いは銀行からお金を借りるのと同じくらい多くの手数料をとられるわけだ。
金利手数料は利用残高がある限りずっと発生していく。そのため、毎月の支払額を少なくしているとなかなか支払残高が減らず、支払残高がある限り年利15.0%という高い手数料を払い続けなければならない。
手数料率やこの仕組みを知らずにリボ払いの沼にはまる人は少なくないようだ。
「私、こんなに利用していたんだ……」毎月の利用額が不明瞭に
クレジットカード決済で1回払いにすれば、毎月自分がどの程度クレジットカードを利用していたかが明確になる(分割払いにしていた場合はやや不明瞭になるが、あと何回支払いがあるか、などをイメージしておけば、クレジットカードの使い過ぎに一定の歯止めがかかる)。
しかしリボ払いの場合、特に「定額方式」のケースでは毎月の返済額が一定となるため、「先月はいくらリボ払いで支払ったか」が意識されにくくなる。クレジットカード会社の元社員は、この点が落とし穴だと指摘する。
また、毎月の支払額が少ないため、「まだまだ問題ないだろう」と安易に考えてしまいやすい点も危険だという。リボ払いの残高をあとで知って、「私、こんなに利用していたんだ……」と愕然となるケースは少なくないという。
「こんなつもりじゃ……」いつのまにかリボ払いに設定されていた
リボ払いで支払っているつもりではなかったのに、いつのまにかリボ払いに設定されているケースも多いという。なぜこうしたことが起きるのか。それはクレジットカードの作成時や支払い方法の設定時に、意識せずにリボ払いを選択してしまっているからだ。
クレジットカードを作成時、リボ払いの専用カードを選択することができる。ポイントが貯まる率が高かったり、年会費が無料だったりといった特典があることも多いため、その特典に惹かれ、リボ払い専用カードだということを意識せずに選択してしまう人もいるという。
また、インターネットでクレジットカード払いをする際、リボ払いで支払うことを選択できるケースがあるが、一度きりだと思ってリボ払いを選択すると、その後、ずっとリボ払いで支払う羽目になる場合もある。
リボ払いの選択時にその点について説明が付記されていたはずだが、説明を読み飛ばしていたり、目につきにくい場所にある説明を見逃したりして、あとで後悔するケースは結構多いという。
リボ払いのトラブルを避けるためには……
こうしたリボ払いに関するトラブルを避けるためには、まずはリボ払いを利用しないことが第一だ。しかし前述のように、ほとんど無意識でリボ払いが選択されていることもあるため、クレジットカードの毎月の明細にはしっかりと目を通すことが重要だ。
ただし、最近ではクレジットカードのウェブ明細サービスを利用していると明細が紙で届かない場合があるため、ついついチェックが疎かになってしまうケースもある。ウェブ明細サービスを利用している人は注意したい。
ちなみに自らすすんでリボ払いを利用する場合は、支払残高があといくら残っているのかを、クレジットカードの専用サイトで毎月必ず確認するようにしたい。そのことが自分の「買い物欲」の抑止力になる。
「リボ払いは手数料の高さなどからクレジットカード会社が儲かる仕組みになっている。中には上手にリボ払いの仕組みを利用している人もいるが、お金の管理に自信がない人は、トラブルの種を抱えないようにしてほしい」
クレジットカード会社の元社員からのアドバイスだ。
文・MONEY TIMES編集部
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