ウクライナへの軍事侵攻により世界各国から非難を受けているロシアで、今回の侵攻の首謀者と言えるプーチン大統領を巡り、選挙不正を指摘する声がくすぶり続けている。特に自身が2036年まで現職にとどまれるよう憲法を改正した国民投票に関しては、数千件もの不正報告があったという。

憲法改正の国民投票、賛成は8割近く

ロシアがウクライナに侵攻したのは2022年2月24日。これに先立つこと2年と少し。イギリスの国営放送「BBC」による2020年7月2日の報道によると、憲法改正では従来6年間だった大統領の任期を2期12年に変更した。

これに加え、過去の大統領経験はゼロと数えることも決まった。ということは、プーチン大統領の現在の任期は2024年までだが、2024年の選挙では過去の任期はリセットされるため、当選した場合、少なくとも2024年から12年後の2036年まで大統領の座に居座ることができる。

自分が最高権力者で居続けようというプーチン氏の個人的な狙いが見据えてくるものだが、この憲法改正に関する国民投票は投票率が65%で、改正に賛成を投じたのは77.9%という高さだったらしい。異常さを感じる。

「私に投票しないとクビ」もあり得る!?

この選挙結果に関し、BBCは野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が「真っ赤なうそ」と批判したことを紹介している。

また、モスクワに本拠地を置く非政府系の「インタファクス通信」は、内務省筋の話として「投票結果を左右するような不正はなかった」と報じている。言い回しに、不正の存在自体は当たり前だという空気感がにじんでいる。独立選挙監視団体の「ゴロス」は不正の可能性に関する報告を2,100件ほど受け取ったと発表したらしい。

ちなみに次期大統領選挙では、もしかするとプーチン大統領の強権ぶりを考えると、全ての公務員に対して自分(=プーチン氏)に投票することを強制する、ということもあり得なくはなさそうだ。

やや古いデータだが、2010~14年の国際調査で、全就業者に占める公的機関で働く人の割合を国別に割り出したところ、ロシアは47%だった。G20諸国では最も高い比率だ。

この半数近い公務員がプーチン氏に投票したら、当選は確実となるだろう。2024年の大統領選挙。「私に投票しないとクビ」と、プーチン氏は公務員に対して凄みをきかせるのだろうか。

文・MONEY TIMES編集部

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