節約術を説く書籍やウェブサイトでは、奇をてらっているのか現実的に実行が困難なやり方を推奨していることも少なくない。ここではアンケート調査を元に、一般の人が実践している節約術と、その節約効果について紹介する。
みんなが一番節約しているのは「食費」
保険マンモス株式会社が、男女500人を対象に実施した「節約しているもの」についてのアンケート調査では、約6割が「年間1万円以上節約できた」と回答している。
また、「何を節約しているか」という問いに対しては次の結果が出ている(以下、アンケート調査結果はすべて保険マンモス株式会社調べ)。
食費 | 377人 |
---|---|
水道・光熱費 | 200人 |
通信費 | 173人 |
日用品 | 167人 |
衣類 | 153人 |
趣味・娯楽費 | 117人 |
保険料 | 30人 |
車関連費 | 29人 |
月額サービス料 | 28人 |
その他 | 24人 |
住居費 | 10人 |
住宅ローン | 9人 |
アンケート調査で回答のあった具体的な節約術を紹介する前に、上位3項目の節約ポイントについて一般的なところを解説しておこう。
食費
食費が1位になっているのは、最も節約しやすいというのがその理由だろう。外食やデリバリーを減らすだけで食費は大幅に削減でき、また、安い食材を選び、その食材をムダにしない工夫によりさらに削減できる。ただし、お金をかけない食事はどうしても、炭水化物や脂質の多いものになりがちなので、そこは注意したい。
水道・光熱費
不要な照明や冷暖房はこまめに消す、省エネモードなどがある電化製品は常にその状態にセットする、水道は流しっぱなしにしない、などの工夫により水道・光熱費はかなり節約できる。ただし、夏は熱中症のおそれがあるので、クーラー代の節約はほどほどにしたい。
通信費
大手携帯電話会社から、格安の通信費で利用できる携帯電話会社(MVNO)へ乗り換えるだけで通信費は大幅に削減できる。そのほか、携帯電話やプロバイダーの料金プランの見直し、IP電話アプリの利用、メールやチャットアプリの活用などにより、さらなる削減が可能だ。
みんながやってる節約術は?
では、アンケートの回答から具体的にどんな節約をしているか、印象的・特徴的なものをいくつか紹介しよう。
水道・光熱費関連
*照明器具をすべてLEDに交換
*シャワーヘッドを節水のものに取り替える
*トイレの便座の保温をやめて、便座カバーをつける
*子供が水を出しっぱなしにするので、洗面台の下の元栓を軽く締め、水量が出ないようにしている
*電気とガスを一つの会社にまとめた
*10年近く使ったエアコンと冷蔵庫を最新のエコなものに買い替えた
決済関連
*キャンペーンごとにキャッシュレス決済を使い分けて支払う
*d払い+dカード+dポイントカードでポイント三重取り
*楽天銀行、楽天証券、楽天クレジット、楽天ペイで楽天ポイントを大量に取得して、そのポイントで色々とまかなう
*クレジットカードの一本化
その他
*肉類、米、酒類はふるさと納税で手に入れる
*自家用車を売却し、カーシェアへ変更。車検や保険、駐車場代が減った
このうち決済関連のものは、節約というよりはポイ活の話となっている。逆に言えば、キャッシュレス決済によるポイント獲得を、節約の一環として捉えている人が多いということだろう。
実際の年間節約額の最多は「1万円~2万円未満」
では、みんなは実際にどれくらい節約できているのか? 同アンケート調査では次のような結果となっている。
50万円以上 | 1% |
---|---|
10万円~50万円未満 | 6% |
5万円~10万円未満 | 12% |
3万円~5万円未満 | 12% |
2万円~3万円未満 | 10% |
1万円~2万円未満 | 17% |
7,000円~1万円未満 | 9% |
5,000円~7,000円未満 | 7% |
3,000円~5,000円未満 | 13% |
1,000円~3,000円未満 | 10% |
1,000円未満 | 4% |
最も多いのは「1万円〜2万円未満」の枠で17%となっている。「2万円~3万円未満」「3万円~5万円未満」「5万円から10万円未満」の枠もそれぞれ10%以上あり、年間1万円以上節約できている人は全体の約6割に上る。
ここから、普通に無理なく節約した場合は年間1万円~2万円の節約になり、かなり意識して工夫すると年間10万円ほどは節約可能だということが推測できる。
節約の落とし穴に注意
節約に取り組む際、セール品を買い過ぎる、安いだけの粗悪品を購入する、まとめ買いした食材をムダにする……といった失敗をおかしてしまいやすい。これを節約の落とし穴といってもいいだろう。
そうしたことを防ぐには、「とにかくムダ使いしない」という意識ではなく、「○○には月いくらまで使ってよい」という意識を持ち、その範囲で臨機応変にベストな選択をしていけばいいだろう。そのほうが楽しく節約できて長続きするはずだ。
文・モリソウイチロウ(ライター)
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
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