新しい王道を歩むべき
平成27年度時点の登録税理士のデータでは、試験免除者(大学院以外を含む)が37%、会計士が13%、合計50%を占め、今後も増加傾向にあります(※6)。もはや、税理士試験5科目合格は、税理士になるための「王道」ではありません。
冒頭、「覚悟」という言葉を用いました。すでに、税理士挑戦を決めている方。科目合格している方。そういった方々は、「覚悟」がおありかと思います。しかし、それ以外の方々の受験はおすすめできません。
結論をまとめます。
・社会人が、税理士資格取得に挑むことはおすすめしない。もし、挑むのであれば、大学院を活用し、少しでも受験期間を短くする。
・学生など、集中的に時間が取れる方は、会計士試験合格を目指す。
「古い王道」ではなく「新しい王道」を歩むべき、と考えます。
税理士資格を、「収入」・「時間」といった定量面を中心に考察しました。仕事の「やりがい」・「自由度」といった定性面については考慮していません。定性面のメリットが、10年という時間に値するか。熟考いただきたいと思います。
[ 参考 ]
※1 税務相談等
本稿では、「税務の代理」「税務書類の作成」「税務相談」とする。これらを税理士等以外が行うことは、税理士法第2条にて禁じられている。
※2 年収
税理士の年収のすべて教えます(業種・年齢・経験別)(マイナビ税理士 2020/12/24)
【全312職種】職種別モデル年収平均ランキング2020(1~50位)(マイナビ転職)
新版!129の「職業別年収ランキング」(東洋経済オンライン 2018/03/1 )
※3 受験資格
税理士 (大原の仕事&資格ナビ)
※4 税理士の平均合格年数
税理士試験合格までの勉強時間は?科目ごとに勉強時間は違う(スタディング)
税理士試験の合格まで何年かかるのか?(開示請求により入手した統計を初公開)(Markの資格Hack -税理士試験)
※5 大学院免除
税理士試験が免除されるって本当?免除の条件を分かりやすく解説 (スタディング 税理士講座)
※6 試験免除・会計士 比率
税理士 試験組を試験免除者が猛追 20年で1万7千人増加(KaikeiZine)
試験免除者 26,016÷70,125人=37%
公認会計士の税理士登録 9,004÷70,125人=13%
文・関谷 信之/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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