受験資格
ビジネス系士業の国家資格の多くは、受験資格の制限がありません。公認会計士、司法書士、行政書士など知名度の高い資格も、年齢・性別・学歴を問わず、誰でも受験できます。
一方、税理士試験は、経済系の科目を大学で履修しているか、日商簿記1級(又は全経簿記上級)を取得していないと、受験できません(※3)。
日商簿記1級は、簿記検定では最難関。「1年~1年半」程度の勉強が必要です。これに合格して、ようやくスタートラインに立てる。受ける前に、高いハードルがあるのが税理士試験なのです。
超難関試験突破の対価は、人生の10分の1
では、税理士試験自体に合格するには、どのくらいの期間がかかるのでしょうか?
「10年」です。
税理士の平均合格年数は「10年」(※4)。少し古いデータですが、以下の記事が参考になります。
合格までの平均年数 10.37年
税理士試験の合格まで何年かかるのか?(開示請求により入手した統計を初公開)(Markの資格Hack -税理士試験)
筆者も、過去3回ほど税理士試験を受けて(断念して)いますが、10年という年数は肌感覚と一致します。税理士試験は、問題量が、非常に多い。そのうえ、問題を見て、瞬時に解法を選び、手を動かす「反射神経」が要求される。そのスピードを習得するのは容易ではありません。
資格予備校では、3~5年と案内されることがありますが、あくまで講義のためのモデル。よほど優秀な人を除き、合格には10年かかる、と考えた方が良いです。
そして、この10年間「お休み」はありません。
資格試験全般に言えることですが、合格するまで休みはありません。もちろん休日はありますが、「受験期間中は気が休まらない」。高校や大学の受験生だった頃を思い出すとわかりやすいのではないでしょうか。あの状態が10年続きます。
受験を始めたとき、小学1年生だったお子さんが、合格するころには高校生。子供と楽しむべき貴重な時間を、合格のために費やすことになります。いや、10年費やしても合格できるとは限らないのです。
長期間、休みがない。筆者は基本的に「難関資格」をおすすめしませんが、これが最大の理由です。