「歩くだけで稼げる」という触れ込みの無料アプリが人気だ。ポイ活やお小遣い稼ぎに興味があるが「本当にポイントやお金が貯まるのか」と不安に感じる人もいるだろう。本稿では、いくつかのアプリを参考に稼ぐことができるのかについて調べてみた。
「歩いて稼ぐ」アプリは何がある?
iPhoneの場合、App Storeで「歩いて稼ぐ」と検索するとたくさんのアプリが出てくる。例えば主なアプリには、以下のようなものがある。
・トリマ
・アルコイン
・Miles(マイルズ)
それぞれのアプリには、どのような違いがあるのだろうか。実際に使う場合は、ライフスタイルや目的によってどのアプリが向いているのかも気になる。そこでそれぞれの特徴をまとめてみた。
トリマ
トリマでは、移動距離や歩数が一定数になると「マイル」と呼ばれるアプリ内通貨が貯まる仕組みだ。一定の歩数で動画再生ができ追加のマイルをもらえることもある。またアンケートの回答やスロットなどのミニゲームでもマイルの獲得が可能だ。貯まったマイルの使い道は、Amazonギフト券やiTunesギフトコード、nanacoポイント、ファミリーマートやローソンのお買い物券など多岐にわたる。
交換比率の目安としては、例えば1,000歩ごとに動画を見て60マイルが獲得できる(ボーナスアイテムなどを使用しない場合、以下同じ)。Amazonギフト券300円分の交換に3万マイルが必要だ。
アルコイン
アルコインは、1日や1週間の歩数に目標を設定し達成すると動画広告を再生して「コイン」がもらえる仕組みだ。他にアンケートの回答やアプリ内の抽選でも獲得できる。コインは、Amazonギフト券やPayPayなどのポイントに交換が可能だ。例えば1日6,000歩の歩数目標を達成すると5コインが貯まる。また1,000歩ごとに広告を1回視聴して1コインが手に入る。
Amazonギフト券50円分には500マイのコインが必要だ。
Miles(マイルズ)
Milesは、移動距離によってアプリ内通貨「マイル」が貯まる。特徴的なのは、速度によって移動手段を判別し「環境にやさしい移動」にボーナスが付く点だ。車での移動に対して徒歩やランニングの場合は10倍、自転車は5倍に設定されている。また前述したアプリと異なり動画などの広告は出てこない。例えば車で5分以上の休憩なしで800メートル以上移動すると0.5マイルが貯まる。
マイルは、Amazonギフト券やネットスーパー、Uber Eatsの割引券などに交換できるほかアプリ内の抽選に応募することも可能だ。交換比率についての最新情報は、アプリで確認してほしい。例えばAmazonギフト券100円分に対し1万4,250マイル、西友ネットスーパーの1,000円割引券であれば150マイルといった具合だ。
また1ヵ月あたりの合計歩数や特典交換によってゴールド・プラチナなどの「ステータス」がありランクアップするとボーナスマイルが付与されたり交換比率が上がったりする。
運営者はどうやって儲けている?
前述したアプリは、いずれも無料だが運営者はどのようにして収益化しているのだろうか。ビジネスモデルは、広告マネタイズとデータ販売に分けられる。
広告での収益化
トリマやアルコインでは、歩数を貯めた後、アプリ内通貨をさらに獲得するために広告動画の再生が欠かせない。「動画広告を見るとマイルが◯倍ボーナス」などのインセンティブでユーザーの積極的な再生を促している。アプリ運営者は、こういった仕組みで広告収入を得ることができるのだ。またアプリ内通貨を報酬としてユーザーに付与する「オファーウォール広告」の導入も収益の一つである。
ビッグデータや手数料での収益化
これらのアプリでは、ユーザーの位置情報や移動履歴を収集し匿名化してデータにしている。集めた人の動きやトレンドのデータは、さまざまな企業に販売されマーケティングなどに用いられるのだ。例えばMilesの日本版ローンチパートナーには、大手コンビニや鉄道会社、航空会社などが多数含まれている。
またアプリ内通貨を使って交換できるサービスや商品、アンケートの提示などを用いて多様な企業と提携することで手数料収益も得ているのが特徴だ。
おすすめアプリやユーザーの声は?
歩数や移動距離をポイントやサービスに変換できるアプリは、他にも以下のようなものもある。
・歩数計アプリ-aruku&(あるくと)
・Money Step(マネーステップ)
・Green Ponta Action(グリーンポンタアクション)
実際に使ってみる場合は、本記事で紹介したアプリも含め自身のライフスタイルに合わせたものを見極めたい。例えば電車や車で長距離を移動することが多いならトリマ、ランニングや徒歩での移動がメインであれば歩数に特化したアルコインといった具合だ。動画広告を見るのが面倒と感じるならMilesは向いているかもしれない。
各アプリのストアでの評価では「いつの間にかポイントが貯まっている」「地道にやればお得」という高評価もある一方、「動画広告の視聴が面倒」「バッテリーを消費する」などの意見もある。
「ながら」でコツコツとお小遣い稼ぎに
紹介したアプリの運営会社は、広告やデータ販売で収入を得ており詐欺などユーザーに不利益なことは起こりにくいと考えられる。利用規約や仕組みをきちんと理解したうえで使えばコツコツと「稼ぐ」ことができそうだ。ただしいずれのアプリも移動距離や歩数でのマイル獲得は、1日あたりの上限がある。一般的にアプリをダウンロード後すぐにたくさんのポイント交換ができない点には注意が必要だ。
毎日の通勤やランニングの時間を少しずつお小遣いに変えてみてはいかかだろうか。
文・MONEY TIMES編集部
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