税理士試験の日程・スケジュール
税理士試験は年に1度、例年8月上旬に実施されています。場所は、各国税局・国税事務所の所在地など。具体的には、北海道・宮城県・埼玉県・東京都・石川県・愛知県・大阪府・広島県・香川県・福岡県・熊本県・沖縄県があげられます。
その年の4月上旬に試験実施官報公告があり、5月上旬には受験の申込受付が開始します。
試験は、全11科目を3日間に分けて実施。受験者はそのうち5科目を選択し、選んだ科目がある日にのみ試験を受けます。
合格発表は11〜12月頃。発表までに時間がかかるのは、受験者の数が非常に多いためです。令和3年度だけでも受験者数は2万7千人ほどとなっています。
税理士試験は例年ほぼ同時期に行われているぶん、学習計画を立てやすいのが特徴。試験日から逆算してスケジュールを考え、目標を明確して学習に臨みましょう。
参考:国税庁「令和3年度(第71回) 税理士試験 試験場一覧」
参考:国税庁「令和4年度(第72回)税理士試験実施スケジュールについて」
税理士試験の受験資格
税理士試験を受けるには、受験資格を満たさなければなりません。受験資格は、学識・資格・職歴・認定の4つにわかれており、どれか1つに該当している方のみ税理士試験の受験が可能です。
1.学識
1つ目の受験資格は学識です。学識の場合は、以下の受験資格があります。
- 大学、短大または高等専門学校を卒業した者で、法律学または経済学に属する科目を1科目以上履修している
- 大学3年次以上の学生で法律学または経済学に属する科目を含め62単位以上を取得している
- 専修学校の専門課程を修了しており、法律学または経済学に属する科目を1科目以上履修している
- 司法試験の合格者
- 旧司法試験法の規定による司法試験の第二次試験または、旧司法試験の第二次試験の合格者
- 平成18年以降に、公認会計士試験短答式試験に合格している
- 公認会計士試験短答式試験全科目免除者
純粋に税理士のみを目指す場合は、大学・短期大学・高等専門学校・専修学校で、法律学や経済学を学習しなければなりません。つまり、税理士を目指す場合なるべく早い段階で動き出す必要があります。
すでに大学や高等専門学校卒業者の場合は、通信制大学や社会人向けの専門学校に通い、必須科目の履修が求められます。その時点で最低でも1年かかることは頭に入れておきましょう。
2.資格
2つ目の受験資格は資格です。資格の場合は、以下の受験資格があります。
- 日本商工会議所主催簿記検定試験1級合格者
- 昭和58年度以降に、公益社団法人全国経理教育協会主催簿記能力検定試験に上級合格している
- 会計士補
- 会計士補となる資格を有する者
すでに簿記1級を持っている方は、資格による税理士試験の受験資格が認められます。そのため、簿記保有者のなかには税理士の資格取得を目指す方は多く存在します。
専門学校に通って必須科目を履修するよりも、簿記1級を取得したほうが最短ルートかと思いきやそうでもありません。簿記論や財務諸表論は簿記検定で学習する内容が含まれてはいるものの、税理士として求められる簿記に関する知識は2級程度でも十分です。
簿記検定1級の合格率は10%前後であり、それなりに難易度が高い試験です。簿記の道を極めることがそもそも難関であるため、受験資格を得るために簿記検定の合格を目指すのは遠回りになってしまいます。
参考:商工会議所の検定試験「1級受験者データ - 簿記 -」
3.職歴
3つ目の受験資格は職歴です。職歴の場合は、以下の業務において通算2年以上の実務経験があるかどうかが受験資格です。
- 弁理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士・不動産鑑定士の業務
- 法人または事業を営む個人の会計に関する事務
- 税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助の事務
- 税務官公署における事務または、その他の官公署における国税若しくは地方税に関する事務
- 行政機関における会計検査等に関する事務
- 銀行等における貸付け等に関する事務
税理士として登録するためには、税理士試験に合格したあと2年の実務経験が求められます。ただし、実務経験は試験の前後どちらでも可能。そのため、税理士試験を受ける方のなかには先に実務経験を積み、より専門的な知識を身に付けていることを証明するために資格取得を目指す方もいます。
4.認定
4つ目の受験資格は認定です。認定の場合は、国税審議会より受験資格に関して個別認定を受けている方が受験資格を満たしているとみなされます。
非常にさまざまな受験資格が設けられているので、その点では多くの方に資格取得の機会が開かれているといえます。
ただし、学識・資格・職歴とどれを見ても、受験資格を得るまでにある程度の時間が必要です。そのうえ、学習時間も確保しなければならないため、資格取得までは数年かかることを覚悟しておきましょう。
参考:国税庁「受験資格について」